PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

PHOTO YODOBASHI

エリア510
Volume 6

自分を「記録」する。

毎回お読み下さいましてありがとうございます。
まず本題に入る前に・・・

緊急事態宣言の対象地域が全国に拡大され、東京都の1日の感染者がとうとう200人を超えてしまった、というタイミングでこれを書いています。新型コロナウイルスに感染された方々には心よりお見舞い申し上げます。また危険と隣り合わせにもかかわらず、昼夜を分かたず従事されている医療関係者のみなさんには感謝の言葉が見つかりません。すでに皆が不便を強いられ、不安な毎日を送っています。ですが、もうひと踏ん張りです。一人一人ができることを確実に実行して、また平和な日常を取り戻しましょう。

晴れて悠々自適の毎日を手に入れた筈の僕も、行動が制限され、生活が変化しました。

一つは、写真を撮る枚数が激減したこと。撮っていたものの多くが写真イベントやその後の宴会風景、要するに人が集まった時の記録なのですから当然です。かと言って庭で花や虫を撮ったりする趣味はなく、フォトジェニックな料理がそうある訳でもない(叱られそう)現状、しばらく途絶えていた「フィルムのデジタイズ」を再開しました。これは家での時間潰しに絶好です。アルバムに貼ったカットはもちろん記憶に残っていますが、実はその前後にある、記憶にまったくない写真の方が改めて見ると楽しく、懐かしさがこみ上げてきます。「畳の下から出て来た大昔の新聞」に見入ってしまう、あの感覚。あ、この例えは今では通用しないかもしれませんね。おっ、懐かしいなあ! これはお世話になった先輩だ・・・えーと・・・えーと・・・あれ? 名前が出てこない・・なんてこともしょっちゅうですけどね。さらに楽しいのは、撮影した時期の特定。フィルムにはメタデータなどありませんから、いつ撮影したものか分からない。だから画面の隅々まで観察して写っているものから推理するのですが、これが頭の体操になって刺激的です。

もう一つは運動不足。通っているジムがご多分に漏れず長期間の休業。かと言って外を走り回るのもナンなので、家でスクワットを始めました。膝を痛めないあのスタイルですから、傍目にはあまりカッコ良くはないですけれどね。慣れてきて150回を超えても平気になると、今度は効率が良くない気がし始めて両手に鉄アレイを持ち、スクワットに合わせて上下左右や前後に閉じたり開いたり。これは上半身にも良さそう。最初は両手に500gづつでしたがすぐに物足りなくなり、1kgにグレードアップ。これが効く。息も脈拍も上がるし、汗もかく。その後のビールもうまい。

とまぁ、そんな毎日です。自粛疲れ、在宅ストレスという言葉があちこちから聞こえてきますが、家でもできること、家でしかできないことを敢えて探してやってみる。新しいことを始めてみる。そのいい機会かもしれませんよ。何事も考えようです。それでは本題へ。


僕は記録魔です。データ魔という言い方もできるかもしれません。とにかく、記録しておくことにかけては人後に落ちないと自分でも思います。でも「記憶」はしていませんよ。あそこに置いたかな? と何とか辿れるだけです。僕が収集(蒐集)しているものの多くも、なんらかの記録であるものが多い。そんな感じで仕事でも、私生活でも、ひたすら記録をして残してきたわけですが、その中でも特に驚かれるのが「自分の記録」です。

足掛け33年間「体重」を記録し続けていますが、vol.1でご披露しましたように、会社人生の悲喜こもごもと体重の増減が見事にリンクしていて、多くの方に面白がられました。面白がってはくれるものの、よく自分を管理してるね、と褒めてくれる人があまりいないのが残念ですが。まだ間に合う年齢の方は、自己管理のためにもぜひ体重の記録にトライしてみて下さい。今回はその続編です。