PHOTO YODOBASHI

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時間はあり余るほどある・・・筈なのだけど

時間ができ、工夫する余裕ができたので、長年放置してきた庭(狭いです)を整え始めました。手入れが悪いので数こそ多いが一向においしい実がならない柿の木をばっさり。当然根っこが残りますが、これはチェーンソーをレンタルして切る事に。弟が庭師をやっていたのでノウハウを教えてもらい、気持ちよくカットして難なく始末。それにしてもチェーンソーという道具、あまりに気持ちよく切れるので、他の木(周防桜とか)も必要以上に切ってしまい、気づけはスカスカ。昔、散髪代を節約しようと子供たちの髪をザンギリ頭にして文句を言われたのと同じです。塀の下の方のブロックも汚れが目立つので塗装しようかと少し勉強したものの、失敗したら家人に叱られるし、冬の作業は寒いので、春になったらまた考えよう。

Photo by 510

左が柿の木の根っこ。地中で四方に張っていた根っこは事前に掘って切り飛ばしました。チェーンソーは楽しい。

僕の趣味はスカッシュとドライブ。「退職したら思う存分趣味の生活さ」と先輩から聞いていました。しかし実際にリタイアしてみると、趣味への姿勢が明らかに変わったことに気づきます。ニコン時代は貴重な時間を割いてこれらの趣味に充てたものですが、「時間はあり余るほどあります、さあお好きなだけどうぞ」となると却って何だか気乗りがしませんね。思うに、あれは仕事の憂さを晴らす気分転換だったのです。そうなると、ストレスなどまったく感じていない現在、趣味にかける時間はもはや無用ということになります。

写真も小学生からの趣味ですが、社員時代には憂さを晴らしてくれるどころか、土日くらい忘れていたいと思う残念な時期もあり、もはやそれを趣味と呼んでいいのかどうか。趣味を仕事にしちゃいけませんね。ではやっと写真三昧の生活かと言うとそうでもなく、今カメラを手にしても「ここはああすれば良かった、あそこはこうすべきだった。あいつのせいで・・・」と、相変わらずそんな視点でしか見ることができず、一向に純粋な趣味の対象に戻ってくれないのです。またここ数年は昔のフィルムをせっせとスキャンしてデジタルデータ化を進めており、これが懐かしさいっぱいで楽しい作業だったのですが、退社してからはたったの一度しかやっていません。これだけ時間があるというのにです。いつでもできると思うと、却って意気阻喪と言ったところですね。思えば仕事でも、早めにやっておけば後が楽になるものを、期限が迫ってようやく腰をあげる性分でしたから、それが趣味にも表れているのかもしれません。