PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
- 本稿は、写真用レンズについてより深い理解が得られるよう、その原理や構造を出来る限り易しい言葉で解説することを目的としています。
- 本稿の内容は、株式会社ニコン、および株式会社ニコンイメージングジャパンによる取材協力・監修のもと、すべてフォトヨドバシ編集部が考案したフィクションです。実在の人物が実名で登場しますが、ここでの言動は創作であり、実際の本人と酷似する点があったとしても、偶然の一致に過ぎません。
- 「新宿光学綜合研究所」は、実在しない架空の団体です。
2群3枚目 それはいったいどこからどこまでじゃ
焦点距離のナゾ
す、すごい・・・正解です! いやー、まさか所長から正解が出るとは。お見逸れしました。 |
![]() |
![]() |
まあ、こんなもんよ。ポキポキ(首を回す音) |
実は、これもちゃんと定義があるんです。すごーく堅苦しい表現になりますが、「主点=光軸に平行な入射光束(無限遠光束)と射出光束の交点」というのがそれです。 |
![]() |
![]() |
ホントに堅苦しいでござるな。何のことやらさっぱり。 |
図で表すとこうです。 |
![]() |
主点がレンズ群内にあるパターン
「光軸に平行な入射光束」というのが赤い線、「射出光束」というのが青い線です。この二つの線、あるいはそれらの延長線が交わるところが「主点」なんです。 |
![]() |
![]() |
ははあ。 |
さらに、望遠レンズや広角レンズではレンズから飛び出たところに主点が来ることもあります。こうなるともう、まさに「概念」ですよね。 |
![]() |
主点がレンズ外にあるパターン その1
主点がレンズ外にあるパターン その2
![]() |
なるほど! だから書かれている焦点距離とは矛盾する大きさを持つレンズがあるわけですね。 |
国家的陰謀じゃなくてよかったでござるよ。 |
![]() |
![]() |
あら? ところで今日、原田さんは? |
![]() |
そういえば居ませんね。 |
![]() |
あ、あそこで普通に仕事してますよ。 |
原田さんは「収差」という言葉にしか反応しないので・・・あ、こっち見た。 |
![]() |
![]() |
確かに反応したでござるな。 |
- 1群1枚目 設立趣意書
- 2群1枚目 凸に始まり、凸に終わるのであります。- レンズとは、なんじゃらほい
- 2群2枚目 だから「収差」というのです。- とっても収まらない話
- コラム:原田研究員からのメール - 「例のレンズタイプの件」
- 2群3枚目 焦点距離のナゾ- それはいったいどこからどこまでじゃ
- 2群4枚目 エフチの「チ」 - あの数字の並びはいったいどこから来たのか
- 2群5枚目 ガラス作りとコーティング - レンズの要を忘れるべからず
- 2群6枚目 謎の写真用語・説をめぐるアレコレ - あなたは「でっこまひっこま」を知っているか
- 2群7枚目 続・エフチの「チ」 - レンズの開放F値ってどうやって決まるの?
- 3群1枚目 レンズ設計ことはじめ - 設計者の描く理想とは
- 3群2枚目 シミュレータと設計者 - 完成レンズを見通す、見極める
- 3群3枚目 ズーム再考(最高) - そもそもは航空用語だったらしいです
- 3群4枚目 やっぱり単焦点が好き - 「単」とは言え複雑で奥深い
- 3群5枚目 続・やっぱり単焦点が好き - レンズに込められた設計者の想い