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Insta360 Ace Pro - Long Term Report
vol.2 手に入れたInsta360 Ace Proの実力を探る~様々な条件でテスト編

趣味の自転車ライドで、より楽しく充実させてくれるウェアラブルカメラを使い倒すロングタームレポートの第2回。前回のレポートでは理想のウェアラブルカメラとして、いくつかの条件を挙げましたが、今回は導入した「Insta360 Ace Pro」が果たしてその条件をどのくらい満たしてくれているのか?よき相棒になりえるのか?をじっくりと検証をしていこうと思います。

» 前回のレポートを読む:vol.1 ロードバイクとの出会い~ウェアラブルカメラ導入編

今回のもくじ:
  1. 小型軽量であるか
  2. 防水構造であるか
  3. 給電しながら長回し撮影できるか
  4. スマートフォン以上の画質と広い画角であるか
  5. 夜間撮影でもノイズが少ないか
  6. セルフィーも可能なモニター構造であるか
  7. 検証のまとめ

小型軽量であるか

PHOTO YODOBASHIロードバイクを趣味とする自転車乗りが追加するガジェット選びは、できるだけ軽量なもので、風を受けにくいよう取り付け方を工夫する習性があるように思います。ハンドル周辺に取り付けるカメラとなると尚更です。風を受ける面を極力小さくしたいので、6インチほどの画面のスマートフォンのアウトカメラを前に向けて走行撮影するより、その半分程のサイズのInsta360 Ace Proを使った方が断然しっくりするのです。Insta360 Ace Proはステムに、スマートフォンはコラムにそれぞれマウントして実際のサイズ感の比較をしてみました。

実測した前面投影面積は、Insta360 Ace Pro(樹脂製ケース、レンズアダプタ含む)が約58cm2、iPhone 15(ケース含む)約114cm2。実測した重量は、Insta360 Ace Pro本体が180g+樹脂製ケースとレンズアダプターとレンズカバーとストラップが57g+付属の標準マウントと一部DIYパーツ含む自転車用マウントが63gの計300g。Apple iPhone 15 本体が171g+ケースとレックマウント(RプラスMagsafe-3M)とストラップが57g+自転車用マウント(レックマウントRプラスTOPCAP3含む)が72gの計300g。どちらの場合でも、強度を確保したケースやマウント類を含めて重量を実測してみると、なんと、両者ぴったり300g。レンズカバーやストラップをつけなければInsta360 Ace Proが10g程度軽量になります。

  • PHOTO YODOBASHIInsta360 Ace Proと自転車マウントの重量:300g
  • PHOTO YODOBASHIApple iPhone 15と自転車マウントの重量:300g

▶ この検証での満足度:80%(ほぼ満足)


防水構造であるか

PHOTO YODOBASHI100kmを超えるような自転車ツーリングをしていると、突然の雨に出会うことがあります。以前使用していたウェアラブルカメラは防滴仕様だったので、雨が降り出すと、急いでカメラをポケットやバッグにしまいこんでいたため、雨天撮影をすることはできませんでしたが、Insta360 Ace Proは潜水(防水)ケースを付けなくても水深10mまでの防水性能です。データ転送や充電時に使用するUSB-TypeC端子とmicroSDカードスロットのある側面カバーさえしておけば、突然雨が降ってきても心配なし。これなら走る気分が萎えてしまっても、撮影の方に気を向けて雨の中のツーリングを楽しめるかもしれません。ただし、雨量によっては押し歩きになるかも知れませんので、身の安全を最優先にした走行を。

▶ この検証での満足度:90%(満足)


ハンドル上(ステム先)に一部DIYしたマウント。前方撮影用。

取り外しがよく、振動・衝撃に強いマウント機構であるか

「簡単磁気マウント」と謳うInsta360 Ace Proの独自マウントシステムは、非常によく考えられています。本体に吸着するマグネットと併せて、4本のツメでしっかりと固定してくれます。取り付け側の構造は互換性も高く、工夫次第で様々なものにマウントすることができるので、このタイプのマウントを本体付属品を含めて3つ所有するほど気に入っています。また、万が一の落下防止のため、短めのストラップを付けていますが、もしかするとこれは過剰対策なのかもしれません。使用していて気づいた点としては、Insta360 Ace Proを自転車のハンドル付近にマウントしての走行撮影時に、いつの間にか地面ばかりを撮影していたことが何度かありました。路面から常に伝わる細かな振動でマウント部分が緩み、お辞儀してしまっていたのです。これは互換側ボルトの締め付け具合によるもので、複数の社外品マウントの組み合わせによっては、各パーツを相性良くするためにひと工夫が必要なのかもしれません。簡単に取り外せてしっかり固定されなければならない。このパっと見、実現が難しそうな要件ですが、それを解決できる策をあれこれと考えて自作するのも楽しいものです。そして、こういうDIYが必要な時には3Dプリンターが活躍するのですが、このDIY工作については、次回に書いていきたいと思います。

▶ この検証での満足度:80%(ほぼ満足)

サドルバッグに一部DIYをしたマウントを使用して、自転車の後方を撮影してみました。振動もよく抑えられていると思います。


給電しながら長回し撮影できるか

この夏、15分程の動画を製作する機会があり、外気温40度近い炎天下で撮影を行いました。スマートフォンで4K撮影を行うと数分で止まってしまい、やむなく中断。ならば、Insta360 Ace Proでの撮影となるわけですが、4K撮影できる連続時間が明らかに長いのです。おかげでキャストのご機嫌も損なわず、とても助かりました。しかし、これが短時間の撮影ではなく、自転車にマウントしての長時間となると、少し話しが変わってきそうです。基本的にマウントしてしまうと撮影する時もしない時もそのままの放置状態になりますし、できれば、太陽光で蓄熱された状態からの撮影は避けたいので、カメラボディに合ったサイズの巾着を被せるなど、特に暑い夏の直射日光から保護できるような対策はしておいた方がよさそうです。

PHOTO YODOBASHIInsta360 Ace Proの仕様は、バッテリー容量1650mAh、最大1TBのmicroSDカードに対応します。5V/3A充電は63分でフル充電、PD30Wの充電環境があれば46分に短縮できるのでかなり実用的です。256GBのmicroSDカードをセットすると、4K60での撮影可能時間は4時間20分と画面に表示されます。データ容量としては十分なのですが、バッテリーの持ちの方が気になったので連続撮影時間を試したところ、気温30度の室内では4K60設定で約70分となりました。給電しながら撮影すれば、さらに撮影時間を延ばすことができそうです。自転車走行時でも連続70分も撮影し続けることはまずないのですが、これだけ回せれば十分です。

十分とは思いながらも気になってしまい、自転車走行撮影時によく使う設定にして、給電しながらだといったいどのくらい連続撮影ができるのか試してみました。開始時の状態と設定は、バッテリー残量約50%、解像度1080P、フレームレート60fps、手ブレ設定標準、モバイルバッテリー(10000mAh)で給電し、室温は28~29度くらいです。結果、5時間53分で熱停止画面が表示され、録画は停止しました。熱を持ちやすい給電状態でも6時間近く回せます。かなり優秀で頼もしいと感じました。環境や状況に合った設定など条件が異なるので、実際には目安程度にはなりますが、この結果からInsta360 Ace Proは、理想のウェアラブルカメラに一気に近づきました。

▶ この検証での満足度:90%(満足)

  • 開始時の設定画面(拡大してご覧ください)。
  • 5時間53分の録画が行えました。

スマートフォン以上の画質と広い画角であるか

PHOTO YODOBASHIこれまで筆者が使っていたスマートフォンのアウトカメラは1/2.55型のセンサーサイズ。1/1.3型の大型センサーと16mm相当となるInsta360 Ace Proで撮れる超広角の画は、以前のスマートフォンでは味わえない領域です。超高層ビル群もすっぽり収まった映像からも、解像感の違いとノイズの少なさをしっかり感じることができるので、次は何を撮ろうかと思わず旅の計画を立ててしまいます。

▶ この検証での満足度:90%(満足)

PHOTO YODOBASHI地図アプリを見ていて少し気になっていたカレー屋さんに立ち寄ってみました。Insta360 Ace Proの最短撮影距離は40cmですが、×4クローズアップレンズを装着するとレンズ端から25cm程の距離まで被写体に迫ることができ、撮影者やカメラの影が入ってしまうほどです。社外品のクローズアップレンズを使えば、旅の途中で出会った料理など、被写体に寄った画が欲しい時でも活躍しそうです。


夜間撮影でもノイズが少ないか

設定を暗所で画質が向上する「Pure Videoモード」にして撮影すると、スマートフォンよりもノイズを抑えた映像を撮ることができます。さらに低照度手ブレ補正ONにして画角の水平維持設定と併せて使用すると、夜のお出かけ撮影でも、しっかり水平を維持しつつ手ブレも抑えて撮ることができるのです。連れ出すカメラは迷わずInsta360 Ace Pro一択。夜の自転車ライドの撮影では、もうスマートフォンの出番はないかもしれません。そう思わせてくれるウェアラブルカメラなのです。

▶ この検証での満足度:90%(満足)


セルフィーも可能なモニター構造であるか

PHOTO YODOBASHI背面モニターはレンズと同じ向きの180度まで開くフリップ式。セルフィーでの撮影時は、大きな2.4インチスクリーンでモニターできるので、この機構は欠かせません。また、USBケーブルでパソコンに繋ぐと、Webカメラとしても使用できるので、フリップ式だとアングルも決めやすく、固めのヒンジ機構で全開にしなくとも少しの角度でも止まります。セルフィーでなくともスクリーンへの外光の反射を避けたい時など、ほんのちょっと角度が欲しい時にも重宝するのです。

▶ この検証での満足度:100%(大満足)


検証のまとめ

テストを終えての感想をシンプルに言うなら、「Insta360 Ace Pro、買って良かった。」さらに言うと、理想のウェアラブルカメラの条件を満たしきってしまい、さらに何やら溢れ出しているように感じます。使ってみないと気づきにくい、ユーザーインターフェースの出来も素晴らしく、操作を迷うことがありません。スマートフォンとの連携はもちろん、優れたハードウェアを生かす使いやすくてレスポンスの良いソフトウェアの仕上がりの素晴らしさ、このあたりについては今後のレポートでご紹介したいと思います。ふらっと出かける時のお伴や、がっつりとアクティビティを記録したい時に頼れる相棒として、Insta360 Ace Proを猛烈におすすめします。

▶ 総合的な満足度:95%(もちろん大満足)

( Photography, Videography & Text : OTTOn )

次回予告:
Long Term Report vol.3 - 自転車へのマウントでひと工夫~ないものは創るのです
次回は、相棒として認定済のInsta360 Ace Proにさらに愛を注ぐ。ではなく、自転車にマウントする際にDIYでひと工夫したものをご紹介します。

( 2024.10.30 )

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夜間のアクティビティ撮影にも強い良き相棒。使い勝手の良いインターフェイスで簡単に高画質な映像を残せます。フリップ式タッチスクリーンでセルフィーにも。

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2度あることは3度。。カバーは本体から取り外せて便利なのですが、紛失しがちです。万が一無くしてしまってもカバー単体で購入できるのでご安心を。

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Insta360 Ace Pro 独自のマグネット機構を活かしつつ、1/4ネジから一般的な互換マウントにも変換できるクイックリリースマウント。いくつあっても嬉しいです。

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サイズ感がちょうど良い。3段ミニ自撮り棒と三脚が1つになるので手荷物が軽くなります。

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