PHOTO YODOBASHI

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vol.13 上ホロカメットク山

Text & Photo by 中西 敏貴

© TOSHIKI NAKANISHI

PHOTO YODOBASHIこの連載でよく登場する十勝岳連峰の山並み。全山踏破までにはまだまだ道半ばではありますが、少しずつそのエリアを広げつつあります。十勝岳、上富良野岳、富良野岳、三段山ときて、いよいよ上ホロカメットク山に挑戦することにしました。北海道ですら蒸し暑い日々の続く今年の夏ではありましたが、2000m急の山々では少しずつ秋の気配が漂い始めた頃。夏山シーズンのピークも過ぎて、人が少なくなってきました。これは風景を探す山歩きとしては最適です。というわけで、今回は火山感万歳の山「上ホロカメットク山」の荒々しい風景をご覧ください。

  • © TOSHIKI NAKANISHI
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この日は早朝の撮影を別の場所で行ってからの入山だったので、いつもより時間は遅めでしたが、夏山登山のピークは過ぎているためか駐車場は少し余裕がありました。忘れ物の無いように荷物をチェックしスタートです。

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入山届けも、いつもの通り。もうここは常連感を出しつつ、スラスラと書いて次の方へと譲ります。リストを見る限り、入山者もそう多くはありません。

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少し歩くと、先行者の姿が見えてきました。秋の様子があるとはいえ、日差しは強く体力を奪います。いつも心がけていますが、ゆっくりゆっくりと。ここで先を急ぐと、後で疲れが一気に襲いかかることは、過去の登山で経験済み。追い抜きたい気持ちを堪えて、歩みを進めます。ここからはまだ3時間ほど歩き続けなければなりません。

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今回の登山道もよく整備され、道迷いの心配はありませんでした。分岐ごとに思い知らされる残りの行程に、期待感と疲労感が交錯するのは毎度のことですが、この天気です。前に進もうとする力がみなぎってきます。先行者の足取りも軽く、みなさん楽しそうに登っているのが印象的でした。

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ふと振り返ると、下界は雲海。標高1200m以上にいる人だけがこの天気を堪能しているようです。少し疲労の出てきた身体に力を与えてくれるのは、この優越感なのかもしれません。

© TOSHIKI NAKANISHI

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目的地である上ホロカメットクへ行くには、以前にもご紹介した上富良野岳を通過する必要があります。結果的にですが、今回は2座登頂ということに。相変わらず下界は雲海のままで、雲上にいる登山者だけが天国の気分を味わっています。

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今回の最大の目的はこれ。この爆裂火口を見たくて登山してきたといっても過言ではありません。太古の昔から繰り返されてきた噴火活動が生み出した奇跡の絶景は、登山した人にしか見られない風景。どんなに辛くても、この瞬間があるからこそ歩き続けられるのかもしれません。でも、ここで引き返すのはもったいない。山頂を目指します。

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3時間ほどかけて、やっと登頂です。入山者が少ないこともあってか、他のピークを目指している人が多いのか、到着した時は一人。この絶景を独り占めです。ピークハンターでは無いという自負はあるものの、やはりこの瞬間は感動します。そして同時にお腹も空きますので、いつものご馳走をいただくことにしました。

© TOSHIKI NAKANISHI

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先ほどまで下界を覆い尽くしていた雲海が、急速に高度を上げてきました。山の天気は変わりやすいとよく言いますが、猛スピードで雲が駆け上がってきます。あっという間に快晴の空は白くなり、そして数分後にまた青空が見えるという天気に変わってきました。気温もぐっと下がり、夏の終わりであることを忘れてしまうほどです。この辺で今回は下山を決意。今歩いてきた道を、ゆっくりと降りていきました。

名前も特徴的な上ホロカメットク山。十勝岳の噴火活動の様子を間近で見られる貴重な場所でした。反対の斜面は緑に覆われているというのに、火口はまるで火星のよう。簡単に来ることができないからこそ、この場所の希少性も高まるのでしょう。秋はここが紅葉に染まりますから、来年はその時期を選んで歩いてみたいと思います。

( 2023.09.20 )

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