PHOTO YODOBASHI

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2840
RICOH GR III / GR IIIx 特集

リコーのハイエンドコンパクトカメラ「GR」。その初代となる「GR1」は1996年に生まれました。以来25年に渡り、撮り手が望む写りのよさと使い勝手のよさを追求してきました。その間には、フィルムカメラからデジタルカメラへの大きな変革もありましたが、ブレないことでしっかりと乗り越え、多くのプロカメラマンや写真愛好家から今もなお熱い支持を獲得し続けています。GRシリーズのカメラは、まるで数十年と使い続けてきたナイフのように手に馴染み、撮り手の意のままに操ることができます。写真の世界に長く携わってきた人ほど、完成度の高さに納得しているのではないかと思います。そのGRシリーズの現行機種である「GR III」の発売から約2年半を経て、この秋、フルサイズ換算40mm相当となるレンズを搭載した「GR IIIx」が登場。初代GR1から一貫して28mm相当の画角を採用してきたGRシリーズの中で、28mmとは異なる画角を採用したのは「GR21」以来20年ぶりとなります。「GR IIIx」と「GR III」に ついてはフォトヨドバシでも実写レビューをお届けしていますが、その誕生までの道のりと、ふたつが紡ぎ出す世界を心新たにご覧いただきたく。題して「2840」、どうぞお楽しみください。


GR IIIとGR IIIxの違いを知る。

歴代のGRシリーズを楽しんでこられた方はご存知だと思いますが、まだGRを手にしたことのない方へ向けてGR IIIとGR IIIxの違いを簡潔に説明すれば、その違いは搭載されるレンズの画角のみ。GR IIIはシリーズ伝統のフルサイズ換算28mm相当の画角を持ち、GR IIIxはフルサイズ換算40mm相当の画角を持ちます。搭載されるレンズが異なることから、レンズ部分の物理的な大きさにわずかな違いはありますが、それを除けばカメラ各部の形状からボタン類の配置まで見事に同一。もちろん操作にも違いはありません。2つ並べなければ目の前のGRがGR IIIなのかGR IIIxなのかパッと見ただけでは区別できないなんてことも起こるほど。では、唯一の相違点である画角の変化が生み出す写真にどのような違いをもたらすのか。PY編集部員ら自前のGR III、GR IIIxそれぞれで撮り下ろした写真を交えてご説明します。


「GR」25年の歴史をざっとおさらい

フィルム時代(1996〜2001年)

RICOH GR1v35mm判コンパクトカメラとして1996年10月に登場した「GR1」によってGRシリーズが始まりました。グリップ部を除きフィルムのパトローネよりも薄いボディを実現したコンパクトカメラ「R1(1994年)」をベースに、ポジフィルムでの使用に耐える高性能レンズを搭載し、マグネシウムボディの“高級コンパクト”と呼ばれるカテゴリーに属するカメラでした。以来、ファインダー内照明の搭載やフードを装着可能にした「GR1s(1998年)」、オートブラケット撮影機能やマニュアル感度設定、マニュアルフォーカスを可能にした「GR1v(2001年)」と製品改良が行われましたが、それぞれのアップデートでは、外観や操作体系の変化はなく、ユーザーの要望に応えた実戦的な機能追加に徹するという目新しさを排除したストイックなものでした。これはデジタル化されたGRでも「機能拡張FW」としてファームウェアのアップデートによる機能追加や改善が行われているのと同様、ユーザーの「声」を汲み取り、より扱いやすくなっていくというGRシリーズ伝統のものです。GR1で搭載されたレンズ「GR LENS 28mm F2.8」は、一般的なコンパクトカメラと比べてワイドな28mmレンズを採用。その写りは「一眼レフの高性能レンズをも凌ぐ」と高い評価を得てGRのブランドを確立させました。フィルム時代のGRシリーズでは一貫して同じ光学系を採用し、そのGRレンズを用いて手頃な価格を実現した「GR10(1998年4月)」という派生モデルも誕生。また、GR1のボディをベースに21mm F3.5という超広角レンズを採用した「GR21(2001年)」というモデルも発売され、更なる人気と話題を集めました。特に評判のよかった28mmと21mmのレンズは、ライカスクリューマウント化されたものが限定発売され、今では稀少なものとなっています。

デジタル時代(1:1.7型センサー、2005〜2013年)

RICOH GR Digital IVGR1vの発売から4年、時代の流れに乗りGRも遂にデジタル化が図られます。8MPの1/1.8型CCDセンサーを採用した「GR Digital(2005年10月)」として登場。フィルム時代とレンズの焦点距離は異なりますが、フルサイズ換算28mm相当の画角を維持し、これまで同様写りに拘った「GR LENS 5.9mm F2.4」というレンズが採用されます。デジタル化されたことにより、操作体系こそデジタルカメラとして最適化されたものへ変わりましたが、フィルムカメラのGR1を彷彿とさせる外観、撮影感覚等、GRの血統を受け継ぐカメラとして相応しいものでした。以来、10MPの1/1.75型CCDセンサーを採用した「GR Digital II(2007年11月)」、1/1.7型CCDセンサーと新設計の「GR LENS 6.0mm F1.9」を採用した「GR Digital III(2009年8月)」、センサーシフト式手ぶれ補正の搭載や速写性を高めた「GR Digital IV(2011年10月)」と、モデル毎に完成度を高めていきます。それらのアップデートは既存モデルのユーザーからも高い評価を受け、高価なカメラでありながらも、ユーザーがより新しいモデルへ買い替えていくという、現在のデジタルカメラの製品サイクルに合わせた流れを作っていきました。他にも、ボディとレンズユニットとを組み合わせて使うユニークなコンパクトカメラ「GXR」向けとして、APS-Cサイズの12MPセンサーを内蔵した「GR LENS A12 28mm F2.5(2010年11月)」や「GR LENS A12 50mm F2.8 MACRO(2009年12月)」という製品も発売され、人気を博します。

デジタル時代(APS-Cセンサー、2013年〜)

RICOH GR2013年5月にはセンサーを大型化し設計を一新。ネーミングも「GR」とシンプルになりました。採用された16MPのAPS-CサイズのCMOSセンサーは、GR Digital時代のものと比べ8倍を超える面積を持ちながらも、ボディのサイズアップは最小限に留めています。光学系には5群7枚構成の「GR LENS 18.3mm F2.8」が採用され、その写りは「GR史上最高」を謳います。2015年7月には、画像処理エンジンをアップデートし、ISO 25600までの高感度性能の向上やWi-FiやNFCを搭載した「GR II」を発売。

そして2019年3月、現行モデルとなる「GR III」が登場し、2021年10月に「GR IIIx」が誕生します。APS-Cサイズのセンサーは24MPまで高精細化され、フルサイズ換算28mm相当となるGR IIIのレンズは「GR LENS 18.3mm F2.8」の4群6枚構成へと進化。小型化と更なる高性能化が図られました。またAPS-CセンサーのGRでは初めてセンサーシフト式の手ぶれ補正機構を搭載。ボディサイズもGR/GR IIから小型化し、GR Digitalと変わらないボディサイズを実現しています。


フォトヨドバシでお届けしましたGR III / GR IIIxの実写レビューはこちらから


フォトヨドバシでお届けしましたGRの実写レビューはこちらから


2840 - RICOH GR III / GR IIIx 特集

2840
RICOH GR III / GR IIIx 特集

( 2021.12.21 )

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