PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

RICOH GR III / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3

3回目となるGR IIIの実写レビューをお届けします。これまでの2回は、フルサイズ換算28mm相当の単焦点レンズを搭載したコンパクトデジカメの実力を探るべくお届けしてきましたが、今回は趣向を変えて、GR IIIの可能性を広げてくれるワイドコンバージョンレンズとクロップ機能についてご紹介したいと思います。ワイドコンバージョンレンズについては、GR Digitalシリーズ時代から存在している伝統のアクセサリー。しかも「GR用」はオマケ的な性能ではなく、21mmを存分に楽しめるよう写りにこだわった特別なもの。今回も専用品として「GW-4」がリリースされました。そして、もうひとつがクロップ機能。APS-Cセンサー化されたGRから搭載された機能です。標準となる28mm相当の画角から、35mm相当と50mm相当(GR/GR IIでは47mm相当)へクロップすることで、ズームレンズほどの自由度はありませんが、3つの画角により表現の幅を広げてくれるものです。特にGR IIIでは2424万画素へと画素数が大幅にアップしたことでより扱いやすい機能となりました。それでは実写レビューをご覧ください。

( Photography : T.T & Rica / Text : T.T & Rica & Naz )


RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

RICOH GR III + Wide Conversion Lens GW-4, Photo by T.T

21mmで古都を歩く

PHOTO YODOBASHIGRで焦点距離21mmと言えばフィルムカメラの名機「GR21」を思い出させてくれます。コンパクトカメラに21mmの単焦点レンズ一体型というなんとも潔のよいカメラでした。筆者も当時GR1vを所有していましたが、やはりGR21は別格で憧れのカメラでした。デジタルカメラとなった現代のGRにとっても、光学設計などはもちろん全くの違うものではありますが、そのGR21の歴史を現代に引き継ぐ、唯一の存在であることは間違いありません。

レンズアダプター「GA-1」を装着し、ワイドコンバージョンレンズ「GW-4」を付けます。特に設定モード変更することなく21mmに切り替わります。僅かな歪曲は残りますが、極端な補正もなく自然な表現です。また、周辺の減光もほんのりといい塩梅で、撮影しながら不思議に気持ちを高揚させてくれます。

今回すべてモノクロームで撮影しましたが、イメージコントロールにあるモノクロームモードもモノトーン、ソフトモノトーン、ハードモノトーン、ハイコントラスト白黒と4種類もあり、GRのモノクロへのこだわりが感じられます。中でもハードモノクロームはコントラストが上がるだけではなく、空のトーンをぐっと深く描いてくれ力強い写真に仕上げてくれます。ご自身の作品のトーンに合わせて使い分けることができ楽しみも膨らみますね。


RICOH GR III, Photo by Rica

RICOH GR III, Photo by Rica

RICOH GR III, Photo by Rica

RICOH GR III, Photo by Rica

RICOH GR III, Photo by Rica

RICOH GR III, Photo by Rica

3本のレンズを携行しているような高い利便性

GR IIIは旧モデルから有効画素数が2424万画素にアップしたことで、クロップした際の画素数も35mm相当で1500万画素程度、50mm相当で700万画素程度となっており、実用上十分といえるのではないでしょうか。本機はマクロモードも搭載し、その最短撮影距離は0.06m。28mmの単焦点レンズでも、グっと被写体に寄ることで画にドラスティックな変化を与えることは可能です。ただ、写真を撮るとき、画角が変われば被写体選びも変わってくるもの。35mmでは日常的な何気ない光景を、50mmでは何かにクローズアップしたいとき……クロップモードを使って28mmとは違う世界を捉えることが可能になります。Fnボタンにクロップ切り替えを割り当てて使用しましたが、出会ったシーンごとに素早く画角を切り替えることができ、とても便利です。レンズ交換にかかる時間や手間を考えると手軽に3つの画角を往来できますから、コンパクトなGR IIIを一台持っているだけで、3本のレンズを携行しているようなもの。特に35mmのクロップでは、夜間や日陰などの暗いシーンで少し感度を上げても十分クリアな画が得られました。一台で、多彩な絵作りができ、さまざまなシーンを捉えることができるGR III。あらためてそのポテンシャルの高さを思い知らされました。


PHOTO YODOBASHI

ワイドコンバージョンレンズとクロップ機能がGR IIIの撮影範囲を拡張する。

カメラのデジタル化が進み多彩な撮影機能が溢れる中、GRシリーズではスナップシューティングに必要な機能だけに絞り込み、またそれを磨き込むことで写真機としての素性の高さを明確に示してきました。そのコンセプトはGR IIIになっても変わることはありません。中でもセンサーがAPS-Cサイズへ大型化されたことにより生まれたのがクロップ機能。しかもGR IIIでは画素数が約1.5倍になりましたから、クロップした画素数ももちろん1.5倍です。高感度性能が強化され、ダイナミックレンジが広がった新しいセンサーが生み出す画は、クロップ時でも階調表現に深さと厚みを感じられるようになりました。ローパスフィルターレスによる切れ味のよさも活きているのでしょう。

もうひとつご紹介しましたワイドコンバージョンレンズも、後付け感のない専用機のような安定した写りはさすがといったところ。これらを組み合わせることにより、21/28/35/50mm相当と超広角から標準域までGR IIIのみでカバーすることができるのです。

GRシリーズは長い間多くのファンに支えられてきた高い人気のカメラではありますが、手を出すには相応の出費と覚悟が必要です。手に入れてより深く使いこなしていただくには、こういった機能やアクセサリーを活用し撮影範囲を拡張していくことも、付き合いを深めていくために必要かもしれません。

( 2019.05.31 )

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プロの使用にも耐えうる高い描写性能がこのカメラの最大の武器となります。妥協のいらない写真機です。

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必須のスペアバッテリー。持っている数に応じて安心感も増幅します。

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ワイドコンバージョンレンズ。専用設計により、後付け感のないワイドな画が得られます。もちろんGRクオリティ。

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ワイドコンバージョンレンズをマウントするのに必要なレンズアダプター。こちらのご購入もお忘れなく。

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個人的に発売を待ち望んでおりました。液晶をしっかりと保護してくれる、強化ガラス製のカバー。少々値は張りますが、これを使うと樹脂製の保護シートは使えなくなります。

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