PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO, 1/80, F2.8, ISO 200, Photo by Keiichi Kuwai

スタジオワーク / OM-D E-M1 Mark II で到達した世界

カテゴリー:風景 | ポートレート | スタジオワーク | レース | スナップ

スタジオワークに、OM-D E-M1 Mark IIを持ち込んでみました。このレポートはいつもの編集部員ではなく、ゲストのクワイケイイチさんにレポートをお願いしました。クワイさんはハーレーダビッドソンのカスタムショップを主宰し、カスタムが完了した車両を日々撮影しています。なかなか専用のスタジオを作ってまで自ら撮影を行うなんてショップはないでしょう。業務の必要に迫られてスタジオを設立されたわけですが、その原動力は元々がかなりの写真・カメラファンであるということだと思います。今回のテストをクワイさんにお願いした理由は、日頃35mmフルサイズのセンサーを搭載したカメラでスタジオワークを行われていて、マイクロフォーサーズ機を使用した経験がないこと、そしてフォトヨドバシのムック本(キヤノン版)にモデルとしてご登場いただいたご縁で、といったところです。それでは、まずは撮影カットを。そして率直なインプレッションをお届けしたいと思います。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO, 1/30, F2.8, ISO 200, Photo by Keiichi Kuwai

黒の締まりが素晴らしく、そして艶やか。

まず驚いたのが、とてもクリアな描写であることです。一言でいうと本当に月並みなのですが「キレイ」なのです。すごくキレがあって、スカッと抜けた描写です。日々撮影を行い、デスクで現像処理などに追われているわけですが、その日頃のカットとは何かが違うわけです。しばしOM-D E-M1 Mark IIで撮影したカットを眺めていてなるほどと。私が手がけるバイクはハーレーダビッドソンですが、バイクとカスタムの性格上、殆どのバイクのペイントは「黒」です。すこし詳しい話になりますが、ペイントは液体塗料の場合もありますが、粉体塗装という手法を取ることも多いのです。後者の手法で塗られた仕上がりは、厚みのある実に艶やかな仕上がりになります。この「艶やかさ」を実際で目に見えるように写真で再現するのはなかなか難しいのですが、OM-D E-M1 Mark IIはいとも簡単に再現してくれました。まさに「撮るだけ」。これには本当に驚きました。金属のエッジにハイライトが入り、そこからシャドーまでのグラデーションが見事です。黒はしっかり締まり、塗装の厚みというか艶やかさを実によく再現できています。これまでの苦労はいったいなんだったのか、そんな風にさえ思います。

PHOTO YODOBASHI

これは1枚目のカットをトリミングしたものですが、ガソリンタンクの上に載る文字にはフレークが入っています。実に手の込んだペイントなのですが、このフレークをきちんと再現するのは大変難しいのです。これが何も特別なことをせずに一発で再現されたのには驚きました。作り手としては、こんな細部のことがきちんと写って欲しいのです。またタンクにはクロームメッキのハンドルバーが映り込み、ペイントの艶やかさ・厚みがよく伝わります。そして光のグラデーションをみると、仕上げたタンクの形状も見てとれます。これは嬉しいです。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO, 1/4, F8, ISO 200, Photo by Keiichi Kuwai

ビレット(削り出し)パーツのエッジラインのキレにも感動しました。そして、スプリングやガラス、メッキ、タイヤ、ペイント。すべての素材の感触が伝わる描写だと思います。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO, 1/40, F2.8, ISO 200, Photo by Keiichi Kuwai

完成車両の撮影なので、日頃はもっと絞り込んでの撮影になります。注目して頂きたいのが、エキゾーストエンドのクローム部の描写と、リヤタイヤを保持するスイングアームという黒い棒状のパーツの部分です。クロームの美しさがよく再現され、スイングアームは先に記した「粉体塗装」を施していますが、この塗装の特長である厚みが本当によく再現されています。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO, 1/10, F5, ISO 200, Photo by Keiichi Kuwai

目から鱗、カメラは大きく重く・・とばかり思っていました。

再三になりますが、写りのよさに本当に驚きました。それと、日頃使っているカメラは大きく、レンズもかなりのサイズになります。これが当たり前で普通だと思っていました。よりセンサーは大きくそして画素数は多く、やはり高価、その先で写りの良さに繋がっていくと普通に思ってしまいます。拍子抜けするほどコンパクトなカメラですが、いままでの自分の中の概念が吹っ飛んでしまいました。コンパクトで、液晶モニタが動いたり、仕上がりが全てよく見えるEVFなど、撮影が楽になりそうです。ボディのレスポンスやスピードもよく、使っていて気持ちのよいカメラでした。またコンピュータに接続してのテザー撮影もよく行いますが、ソフトウエアの使い勝手も大変よいと感じます。それなりにカメラシステムを構築してしまっていますので、即座に乗り換えるなどは難しいのですが、大変魅力のあるカメラシステムだと感じました。短い時間でのテストだったため、よくよく確かめる余裕もなかったのですが、レンズの描写も素晴らしいのだと思います。(クワイケイイチ)

PHOTO YODOBASHIクワイケイイチさん
有限会社プレゼンス、代表。ハーレーカスタムショップ「BADLAND」代表。猫とハーレーダビッドソン、音楽、写真・カメラを愛する。ヨーロッパのカスタムシーンを日本に広めた立役者の1人であり、日本のシーンとの融合で生まれるカスタムに海外からの注目も高い。何にでもハマりこむとトコトンのめり込み、写真・カメラも本業が危うくなるほど(?)の傾倒ぶり。
http://www.badland.net/

テスト撮影の様子を少しだけ。

撮影スタジオはこんな雰囲気。

倉庫の一角にスタジオを設置。カスタム待ちの車両がずらりと並ぶ中、日々の業務が終わった後に撮影に打ち込んでいるそうです。

スタジオでのライティングについて

瞬間光ではなく、定常光でのセッティング。

車両とライトのセッティング模様

車両を運び込み、即座にライトをセットアップします。

実際の撮影模様

手際よくライトの微調整を行いながら様々な撮影を行います。撮影以外にも画像処理があるため、カット数は限られます。通常業務をこなしながらの撮影のため、いかに効率よく撮影を進めるかが重要だそうです。

( 2017.07.27 )

Loading..
Loading..

新たに開発された、高速画像処理エンジン「TruePic VIII」、また、こちらも新開発の121点オールクロスタイプの像面位相差AFセンサー。そして2037万画素のLive MOSセンサー。OLYMPUS OM-Dシリーズのフラッグシップ機なら、たとえ被写体が金属のカタマリでも美しくその姿を再現します。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

35mm判換算で24-80mm相当の焦点域をカバー。ズーム全域でF2.8の大口径標準ズーム。オリンパス独自の「MSC(Movie & Still Compatible)機構」を搭載。俊敏で高精度なAFが可能ですから、スタジオワークにもその正確なAFは大変重宝します。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

小型軽量、ズーム全域F2.8の超広角ズームレンズです。スタジオ撮影においても、ググっとメインの被写体に寄り、迫力あるオートバイの姿を撮影できました。レンズの明るさを生かし、屋外での星景撮影や、夜景、水中撮影などにも可能性が広がる一本です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

ピンジャック式(φ2.5)レリーズケーブルです。ケーブルの長さは80cm。スタジオ撮影では、デザー撮影時、三脚使用時などにレリーズケーブルがあるととても便利。バルブロック付きというのもかゆいところに手が届いていますよね。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..