PHOTO YODOBASHI

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OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO, 1/4000, F2.8, ISO 200, Photo by TA

ポートレート / OM-D E-M1 Mark II で到達した世界.

カテゴリー:風景 | ポートレート | スタジオワーク | レース | スナップ

前回、OM-D E-M1 MarkIIを風景撮影に持ち出してみましたが、今回はポートレートです。ポートレートを嗜好する写真ファンは多く、また写真と言えば・・と思い浮かべれば、当然のように挙げられる撮影ジャンルの1つだろうと思います。またグラビア的な手の込んだカットは撮らないにしても、どんな写真ファンの方でも人を撮る機会は多々あるのではないでしょうか。

ポートレートといえば大口径中望遠単焦点レンズなどを想像します。そして大きな玉ボケに、綺麗な背景。なんとなくフォーサーズのようなサイズのセンサーだと「ポートレートってどうなんだろう?」そんな漠然とした疑念を持つ方も居るかもしません。結論から端的に言うと、ポートレートを主戦場とするプロフェッショナルで、OM-Dをメインカメラとするユーザが多数居ます。今回のテストはこのあたりの理由を紐解いてみたいと思います。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO, 1/30, F2.8, ISO 800, Photo by K

当サイトには、そもそもあまり“ポートレート”が掲載されません。制作の都合上、モデルを立てている余裕がまったくないのが大きな理由です。今回も撮影にかけられる時間は僅か。そこでモデルとなっていただいた方々の都合に極力沿って、あまり手の込んだことはせずにできるかぎり真っ直ぐ撮ってみます。テストするならば、まず1枚目は開け気味の露出です。完全に白に飛ぶ手前から中間に至り、最終的に黒に締まる、その階調の連なりを見たいところです。人それぞれだと思いますが、開け気味で載る色の濃度は若干浅くなっても、黒の締まりはしっかり欲しいところ。これを一言で表現すると、要は「クリアなのか」ということです。開け気味で撮るということは、クリアな光や淡い光を表現したいことが大半で、このクリアさというのは重要だと思います。建物の中で自然光がサイドから入り込み拡散しているシチュエーションでした。かなり暗く、ISO感度は800まで持ち上げ、さらにシャッター速度は不安を覚える位置で、かなり開け気味の露出です。背景の白のグラデーションは美しく、女性の口元などを見ても艶やかな立体感があります。いいですね。少し前の世代のモデルだと、もう少し「いっぱいいっぱい」な感じがあったのですが。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO, 1/60, F2.8, ISO 800, Photo by KM.ZUIKO DIGITAL 40-150mm F2.8 PROは、テレ端が300mm相当であることも特筆されるべきレンズですが、フォーカスリングを縦方向にスライドすると即座にクラッチ的にリングがAFから切り離されてMFになるのもわかりやすくてよいです。ほんの少しだけ奥にピントピークを後ろに持っていきました。意図としては、柔らかく、しかし透明感を伴って、こちらを見つめているかのような雰囲気を出したかったがためです。

EVFでピントピークがきちんと見えることも素晴らしいのですが、出てきた画で、僅かにフォーカスを外したのが如実にわかること。字面にするとわかりづらいのですが、1ピクセルあたりで緻密にキッチリ描写できないと、この違いが“曖昧”になるのです。

感じるクリアさは、そもそもの画のできのよさ、そしてレンズ能力の相乗効果だと感じます。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO, 1/160, F2.8, ISO 800, Photo by K髪の毛のように画面の端から端まで流れるものが、繊細かつ綿密に描かれるのを見て「うんうん」と頷いてしまいます。

髪の毛の手触り、そして湿度も、瞳の潤いも、唇の柔らかさも。どうでしょうか。

OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO, 1/160, F2.8, ISO 800, Photo by TA

再びトップと同じ女性。海辺まで和やかに話を楽しみつつ移動して、横顔にたたえるものを捉えられないかとフレームします。そして今度はカフェへ。食事を楽しみつつ、垣間見せる表情にレンズを向けます。真正面で笑顔が言ってみればその人の表情のピークかもしれませんが、たとえば身近な人を見つめるときはどうでしょう。圧倒的にふとした何気ない表情ではないでしょうか。そこにこそ、その人が映るのかもしれません。

クリアな像を結び、そして意のままに動いてくれることに信頼を重ねられる。

ポートレートでのテストを終えて、その他のテスト同様に感じたのは、ともかくクリアな画を結ぶことです。外連味のない、そして純度の高い緻密さ。まず光を導くレンズが根本的に高性能であること。それを受け止めるセンサーと映像エンジンとのパッケージングが大変高い次元にあると感じるのです。誤解を招きそうな「まとめ」ですが、要は一言で表すと「綺麗」。とにかく画が綺麗なのです。ボディのほうも、スピード&レスポンス、そしてハンドリングと、撮り手に極力負荷をかけずバランスがよい。意のままにコントロールできて、それにきっちり応えてくれる。道具である以上これが最も大切であると言えます。このカメラが結ぶ突出してクリアな画は、どんな撮り手の心も一定掴む事は想像に難くなく、何より信頼を寄せられます。そしてこの上に表現を載せていけばよいのです。ちなみに、マイクロフォーサーズ用のレンズラインアップにはなかなか面白い玉が揃っています。

撮影者からの一言。

フォーサーズ機で画素数が乗っていると画素ピッチの関係から、ポートレート撮影においてはどうなのだろうと思っていたところがありましたが、杞憂でした。まず嬉しかったのが操作性・レスポンスの良さです。捉えたかった一瞬をつかまえるチャンスが増すので、無視のできない大切な要素だと思います。ポートレートとひとくちに言っても様々な撮影シーンがあると思います。まっすぐに人物と向き合う今回のような撮影シーンでは、肌や髪の毛・瞳の描写は特に気になることろでした。リアルをクリアに写しこむ力を持ちあわせながら、ユーザーがそれぞれ抱いているイメージにより添うことができる余力さえをも感じられる描写が嬉しいのです。「風景/OM-D E-M1 MarkⅡで到達した世界 」のインプレッションにありましたが、まさに「撮って出しの画が最適解」で、各シーンにおいて必要最低限なレタッチのことを考えなければ、最終イメージに仕上げるところまでの最短距離がとれますので後処理がとても楽です。時に正面よりも、横顔から、その人が纏う空気を強く感じることがあります。特別なことをしなくても、ちゃんと「その人」を写しとめる。そんなカメラとレンズだと思います。(TA)

これだけ真っ直ぐクリアに写るとなると、カメラを手にした自分も真っ直ぐ撮ってみようという気にさせられます。ごまかしが利かないというか、カメラ+レンズの組み合わせで偶発的に生まれるものに甘えられないというか(甘えたいし戯れたい)。使ってみて感心するのが、ハイライトの描写が美しいことです。そして白色の再現に感心させられました。被写体と向かい合い、気持ちをセーブして(貯めて)、シャッターを切る。そんな真剣勝負をやってみたい。少し前の世代に比べると、画の突っ張った感じがなくなりました。余計なものもありませんが、実にナチュラルで気持ちのよい描写です。また女性を撮る際にもっとも気になるのは肌色の描写で、露出には神経を使います。EVFがここまでよくなると、もう後戻りできないし本当にありがたいです。(K)

( 2017.07.27 )

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新たに開発された、高速画像処理エンジン「TruePic VIII」、またこちらも新開発の121点オールクロスタイプの像面位相差AFセンサー。そして2037万画素のLive MOSセンサー。OLYMPUS OM-Dシリーズのフラッグシップ機がポートレートの世界をも切り拓きます。

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高い光学性能はもちろん、防塵防滴と高い堅牢性で、どんな状況においても高い画質を得ることのできるPROレンズシリーズ。今回の撮影では40-150mm F2.8というズームレンズを使用しています。35mm版換算80-300mmという中〜望遠域を使用でき、人物の新たな側面を引き出します。

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オリンパス初の「ZUIKO」名を冠したプロテクトフィルターは、ZEROコーティングクオリティを採用。両面マルチコーティングを施し、さらに外縁黒塗りガラス、反射を抑制するつや消しサテン処理の黒アルマイトアルミニウム枠を採用するなど徹底した作りで反射によるフレアやゴーストを効果的に抑制します。

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手ぶれ補正効果の非常に高いOM-D E-M1 MarkIIではありますが、グリップを装着することにより、さらに撮影時の安定感が増します。防塵・防滴性能を備えたパワーバッテリーホルダーは、十字ボタンにより縦位置撮影時にも高い操作性を維持し、本体側の電池にもう一本電池を使用可能になります。

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ポートレートの撮影といえば、レフ板は必需品。もちろん屋外の場合には自然光でさらりと撮影できるのが望ましいのですが、天候不順で光の少ないときや、目にキャッチライトを入れたいときなど、レフ板があれば何かと重宝します。シルバー、ホワイト両面2色のリバーシブルで小型軽量なこちらをどうぞ。

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屋内での撮影だけでなく、屋外での撮影時にも光をうまく利用すれば、さらに磨きのかかったポートレートを撮影可能です。使用頻度が低いからと購入を後回しにしがちなアクセサリーですが、あればとても重宝しますよ。

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