PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
- 本稿は、写真用レンズについてより深い理解が得られるよう、その原理や構造を出来る限り易しい言葉で解説することを目的としています。
- 本稿の内容は、株式会社ニコン、および株式会社ニコンイメージングジャパンによる取材協力・監修のもと、すべてフォトヨドバシ編集部が考案したフィクションです。実在の人物が実名で登場しますが、ここでの言動は創作であり、実際の本人と酷似する点があったとしても、偶然の一致に過ぎません。
- 「新宿光学綜合研究所」は、実在しない架空の団体です。
4群2枚目 レンズ設計のその果てに
第1回 フード首脳会談
レンズフード。これはもはやただのアクセサリーではなく、レンズの性能を最大限に発揮させて美しい写真を撮るための、必要不可欠なパーツのはず。それなのに、外されてしまったり、あろうことか逆さまに付けられてしまったり。極めて重要な役割を担っているフードが、こんな扱いでいいのでしょうか。フードが不憫でなりません。今回はこれまで語られることの少なかった「レンズフード」をテーマとして、その存在価値を探ってまいります。
フードって必要?
ふう〜〜。おはようございます。今日も暑いですなあ。 |
本当に。いよいよ夏到来!ですね。 |
快適な季節が短くなったわ。日焼け止めクリームと日傘が欠かせない。 |
わかる〜〜。 |
ははあ。拙者はくりぃむなるものは塗ったことがござらぬが、身体ひとつで受け止めていれば鍛えられるものではないですかのう。 |
お肌というのはそういうものじゃありません。それに、眩しいのは目によくないじゃない。3号さんだっていつも帽子をかぶってるでしょう? |
ふむ、確かに。 |
レンズにだってフードをつけるもの・・・って、アレ? フードがついてない。 |
あ、拙者は・・・邪魔なので外しておりますな。 |
あーーーーー! い〜けないんだ〜、い〜けないんだ〜。は〜らださんに〜言ってやろ〜。 |
あ、町田さんがいた。ねえねえ、町田さん! |
はいはい、なんの騒ぎですか? |
3号が、レンズにフードをつけてないんです。設計者として、怒っていいところですよね。 |
えーと・・・うん、まあ、つけたほうがいいですよ。3号さん。 |
――あら? なんだか歯切れが悪いわね。 |
いや、まあ、なんというか・・・ |
もしかして、町田さんもフードつけない派?! |
いや、あの、いちおう持ち歩いてはいます。ハイ |
ええ〜、そうなんだ。設計している人がフードをつけていない。 |
なあにそれ。納得いかないわ。必要だから用意されているものじゃないの? |
いや、そうなんですけど・・・ |
今すぐ関係者を集めて! フードについて、ここらでハッキリさせましょう!! |
- 1群1枚目 設立趣意書
- 2群1枚目 凸に始まり、凸に終わるのであります。- レンズとは、なんじゃらほい
- 2群2枚目 だから「収差」というのです。- とっても収まらない話
- コラム:原田研究員からのメール - 「例のレンズタイプの件」
- 2群3枚目 焦点距離のナゾ- それはいったいどこからどこまでじゃ
- 2群4枚目 エフチの「チ」 - あの数字の並びはいったいどこから来たのか
- 2群5枚目 ガラス作りとコーティング - レンズの要を忘れるべからず
- 2群6枚目 謎の写真用語・説をめぐるアレコレ - あなたは「でっこまひっこま」を知っているか
- 2群7枚目 続・エフチの「チ」 - レンズの開放F値ってどうやって決まるの?
- 3群1枚目 レンズ設計ことはじめ - 設計者の描く理想とは
- 3群2枚目 シミュレータと設計者 - 完成レンズを見通す、見極める
- 3群3枚目 ズーム再考(最高) - そもそもは航空用語だったらしいです
- 3群4枚目 やっぱり単焦点が好き - 「単」とは言え複雑で奥深い
- 3群5枚目 続・やっぱり単焦点が好き - レンズに込められた設計者の想い
- 3群6枚目 「商品企画」というお仕事 - 商品が生まれいづるところ
- 3群7枚目 試作のプロフェッショナルたち (前編) - 設計図と完成品のはざまで
- コラム:原田研究員からのメール - 「交換レンズは3本まで」という法律について
- 3群8枚目 試作のプロフェッショナルたち (後編) - ものづくりの最終工程で行われる試作とは
- 4群1枚目 Zマウントはこうして生まれた - 100年間変えられないことを、考えて、決める
- 4群2枚目 フード首脳会談 - レンズ設計のその果てに
- コラム:原田研究員からのメール - レンズの楽しみ方案内