PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SORI - 新宿光學總合研究所

  • 本稿は、写真用レンズについてより深い理解が得られるよう、その原理や構造を出来る限り易しい言葉で解説することを目的としています。
  • 本稿の内容は、株式会社ニコン、および株式会社ニコンイメージングジャパンによる取材協力・監修のもと、すべてフォトヨドバシ編集部が考案したフィクションです。実在の人物が実名で登場しますが、ここでの言動は創作であり、実際の本人と酷似する点があったとしても、偶然の一致に過ぎません。
  • 「新宿光学綜合研究所」は、実在しない架空の団体です。

4群2枚目  レンズ設計のその果てに
第1回 フード首脳会談

レンズフード。これはもはやただのアクセサリーではなく、レンズの性能を最大限に発揮させて美しい写真を撮るための、必要不可欠なパーツのはず。それなのに、外されてしまったり、あろうことか逆さまに付けられてしまったり。極めて重要な役割を担っているフードが、こんな扱いでいいのでしょうか。フードが不憫でなりません。今回はこれまで語られることの少なかった「レンズフード」をテーマとして、その存在価値を探ってまいります。

  1. フードって必要?
  2. 第1回 フード首脳会談開催!
  3. フードのレゾンデートル(存在理由)を語る
  4. レンズフードの名作たち 〜原田コレクションより〜
  5. フードデザイン論争
  6. フードの未来

フードって必要?

3号

ふう〜〜。おはようございます。今日も暑いですなあ。

2号

本当に。いよいよ夏到来!ですね。

馬橋所長

快適な季節が短くなったわ。日焼け止めクリームと日傘が欠かせない。

2号

わかる〜〜。

3号

ははあ。拙者はくりぃむなるものは塗ったことがござらぬが、身体ひとつで受け止めていれば鍛えられるものではないですかのう。

馬橋所長

お肌というのはそういうものじゃありません。それに、眩しいのは目によくないじゃない。3号さんだっていつも帽子をかぶってるでしょう?

3号

ふむ、確かに。

馬橋所長

レンズにだってフードをつけるもの・・・って、アレ? フードがついてない。

3号

あ、拙者は・・・邪魔なので外しておりますな。

馬橋所長

あーーーーー! い〜けないんだ〜、い〜けないんだ〜。は〜らださんに〜言ってやろ〜。

2号

あ、町田さんがいた。ねえねえ、町田さん!

はいはい、なんの騒ぎですか?

町田
2号

3号が、レンズにフードをつけてないんです。設計者として、怒っていいところですよね。

えーと・・・うん、まあ、つけたほうがいいですよ。3号さん。

町田
馬橋所長

――あら? なんだか歯切れが悪いわね。

いや、まあ、なんというか・・・

町田
馬橋所長

もしかして、町田さんもフードつけない派?!

いや、あの、いちおう持ち歩いてはいます。ハイ

町田
2号

ええ〜、そうなんだ。設計している人がフードをつけていない。

馬橋所長

なあにそれ。納得いかないわ。必要だから用意されているものじゃないの?

いや、そうなんですけど・・・

町田
馬橋所長

今すぐ関係者を集めて! フードについて、ここらでハッキリさせましょう!!