PHOTO YODOBASHI

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SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/250, F1.4, ISO 100, Photo by TAK

SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

SONY Eマウント対応の「SIGMA 24mm F1.4 DG DN」をご紹介します。同社の24mm F1.4といえば、一眼レフ用と同じ光学系を持った「24mm F1.4 DG HSM | Art」が思い浮かびますが、こちらはミラーレス専用に新設計された最新型です。他のDG DNレンズと同様にショートフランジバックを生かした高い描写性能とコンパクトさが売りです。確かにこのスペックのレンズとしては驚くほどの小型軽量ぶりで、なんと510g。HSMが740gであることを考えると大幅な減量で、この携帯性がもたらす恩恵は申し上げるまでもありません。他にも様々な特長を持った本レンズ、まずは写りの方からご覧いただきましょう。

( Photography & Text : TAK )

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/4000, F1.4, ISO 100, Photo by TAK

広い画角とF1.4の明るさがあれば、ワイドな世界の中にボケを使って被写体を引き立てることができます。手前の舗装面の描写を見れば、開放でのキレ味がお分かりいただけるでしょう。斜めから見下ろすポジションにもかかわらず、深度の差がしっかりと伝わってきます。24mmはズームレンズにも含まれる焦点距離ですが、この立体感はF2.8やF4では出せないでしょう。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/4000, F1.4, ISO 100, Photo by TAK

上のショットでも同じことを感じたのですが、ハイライトの粘りが素晴らしいのです。a7Cでの日中開放撮影には電子シャッター(サイレント撮影)に切り替えて1/8000秒を使いたいところですが、白飛び覚悟で1/4000秒で撮影してみました。帰宅してPCで細かく見たらびっくり。ハイライトに十分の余裕があったので、少しトーンを落としてみたのがこのカットです。白にもいろんな白がありますが、それを描き分けることができなければこの鼻元の優しく可愛らしい感じは出せないでしょう。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/4000, F1.4, ISO 100, Photo by TAK

シャドウの再現もこれまた重層的です。豊かな階調のレンジと明るさがもたらす距離の違いが、広いパースの中で展開されるのですから、面白いに決まっています。AFも俊敏で、スナップ撮影も風のようにサッとこなせますよ。


SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/4000, F1.4, ISO 100, Photo by TAK

最短付近まで寄ってみました。中央部は開放から素晴らしい解像力です。柔らかいボケもピントを効果的に浮き上がらせてくれています。発色も豊かで色再現も正確ですから安心して使えますね。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/6400, F1.4, ISO 2500, Photo by TAK

美しい玉ボケです。同じく最短付近で滴を止めるために感度を上げましたが、ISO 2500までの上昇に抑えることができました。高感度性能の高い昨今のカメラでは全く問題のない数字で、これもまたF1.4の恩恵です。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/1250, F11, ISO 100, Photo by TAK

絞った時の光条も十分にシャープですね。ゴーストは出てはいますが最小限と言えるレベルにまで抑制されていて、逆光性能の高さが窺えます。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/13, F13, ISO 100, Photo by TAK

点光源はF1.8〜F2あたりから画面全体でキリッとしてくる印象です。こちらでは流すために絞り込んでいますが。歪曲収差も目立たず、広角レンズとしては効果的に抑えられていますね。


SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/6400, F1.4, ISO 100, Photo by TAK

傘を差し出す方の思いやりに感じ入りました。24mmがもたらす画角は、心情が沸き起こったその瞬間をコンテクストと共に写し込むのに秀でているように思います。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/4000, F2.5, ISO 100, Photo by TAK

被写体全体をよりシャープに捉えるためにF2.8まで絞ってみました。背景から羊が飛び出てきているようで迫力があります。立体感ひとつとってもただ浮き出るだけではなく、再現に生々しさを感じます。

SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/1000, F1.6, ISO 100, Photo by TAK


SONY α7C, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art, 1/2000, F1.4, ISO 100, Photo by TAK


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写り、サイズ、扱いやすさ。全てを叶えた広角レンズ。

描写についてはご覧の通りで、F1.4の威力は絶大です。基本性能も極めて高い次元にありますがそれだけでは終わらず、感覚に訴えてくるような豊かな表現力を兼ね備えているところにArtレンズらしさを感じます。AFも高速かつ正確で、咄嗟に訪れる瞬間を確実に捕捉してくれます。小型のα7Cに装着しても違和感がないほどコンパクトで一日中撮り歩いても苦にならず、F1.4であることを忘れてしまいそうになります。カバンが過密になることも少ないでしょうから、気軽にズームなどとセットで持ち出せます。24mmは広さとパースのバランスに優れた焦点距離です。伸びやかに写せるだけのワイドさを確保しながらも、アングルに神経質になるほどに強烈なパースがつくわけでもありません。28mmだと思い切って引いたり寄ったりしたくなるケースも多くあるかと思いますが、24mmは写欲が湧いたポジションのままで撮れることが多いように感じます。スナップや風景はもちろん人物やジャーナル撮影など、いろんなシチュエーションで手に取りたくなる魅力的なF1.4。サイズで躊躇する理由もなくなりました。いかがでしょうか。

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    新設された「AFL/MFL」スイッチを「LOCK」側にスライドすると、フォーカス位置をロックすることができます。星空や動画などの撮影時に不用意にピントが変わってしまうことを防いでくれるので便利です。このロックをONにするとAFはもちろんMFも使えなくなるので、不要な時はアンロックするのをお忘れなく。

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    シートタイプのフィルターを装着できる「リアフィルターホルダー」を後部に新設。異なる効果を持ったフィルターを前後で使い分けることもできます。

( 2022.08.26 )

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全てが叶った24mm F1.4が、このお値段。コスパの「パ」のフォントサイズを100ptにしたいくらいです。

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フィルター枠(前部)は72mmです。

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