PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

2018年2月27日にArtシリーズのEマウント用の追加が発表され、6月14日に SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art、SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | ArtのEマウント版が揃って発売されました。これまでも、Eマウントで使用したいユーザー向けにマウントコンバーター「MC-11」が用意されていましたが、レンズをEマウント化することでAFを最適にチューニング、カメラ内の手ブレ補正機構、収差補正機能も使えるようになりました。もちろん一体化することで、精度、強度も増しています。

実は去る5月17日に発売された「ソニーEマウントレンズ 完全レビューブック」には、 ArtレンズのEマウント版の紹介がありません。レビューブックの制作進行上やむをえなかったのですが、「完全」という言葉に消化不良の方もいらっしゃるかもしれません。でも大丈夫!今回のレビューで、このレンズの写りを確かめていただければと思います。

( Photography & Text : A.Inden )


SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

海のそば

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA 24mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

私が写真を始めた頃、24mmといったらもう完全に超広角と呼ばれる部類のレンズで、かなり写真が上手い人でないと使いこなせないイメージがありました。そのトラウマか、フルサイズ機で24mmを使うときはかなり気合が入ったものです。しかし、今回のレビューでスナップに持ち歩いてみると、アラ?かなり印象が違いました。それは、画角が広すぎて画面をまとめにくい、きついパースが気になるという超広角に対して持ってきた悪いイメージをまったく感じなかったことです。携帯で撮影された画を日常的に見る機会が増え、超広角の画に自分の目が(というか、人類の目が)慣れてきたのかもしれませんね。パース感に慣れてさえしまえば、日常生活のスナップをするのに24mmという焦点距離はアリなのかもしれません。

梅雨の晴れ間、お世辞にもカラッとした天気ではありませんでしたが、夏の始まりを味わいに海辺に出かけてきました。開放でのボケ味と繊細な描写には定評のあるArtシリーズ、当然、絞りは開放のF1.4で撮影。24mmではあまりボケ味を期待するのは無理と一般的には思われていますが、ピントピークを手前に持ってくることで、背景に柔らかくボケていく世界を作り、Artシリーズの繊細でしっとりとした独特の空気感を表現してみました。全体を見ていて、ずいぶん暗部に強いレンズだなと感心したのですが、それはArtシリーズの繊細な描写が、細い線で丁寧に描くことで表現されているため、暗部がベタッと潰れずギリギリのところまで質感を見せることができるからだと思います。


24mm F1.4 or 35mm F1.4

今回は、24mm F1.4 DG HSM | Artと35mm F1.4 DG HSM | Artの2本を同時に渡され、「どうせなら同時に撮影に持ち出して、2本のレンズを比較してみて」というお題をもらいました。レンズレビューという仕事で、同じメーカーの複数のレンズを同時に試すというのはなかなか無い機会。2本の描写の違いを比べてみたいと同じようなシーンを撮ってみました。実際に撮り比べてみて、ハイライトの飛び具合、発色、全体のトーン、ピントピークの繊細な描写など本当に似ているなと感心しました。レンズの特徴が同じということは、レンズ交換しても描写の傾向を変えずに撮影を続けることができますね。Artとネーミングされたレンズの特徴が同じということには好感が持てます。レンズのラインナップをArtで揃えれば、安心して同じ雰囲気の作品を作ることができますね。あまりにも描写が似ているので、どちらのレンズで撮ったものか考えていただきたいと思い、同じ条件で撮影したカットを横に並べてみました。まぁパースのつき方ですぐわかる作例もありますが、一見どちらで撮ったかわからないように撮影した作例もあります。じっくり観察することで24mmと35mmのレンズの違いを再確認していただければと思います。撮影は全て開放。答えは一番最後のカートの前です。

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唯一無二の描写

2本同時の試写を終え、自分はやっぱりArtシリーズのファンなのだと再確認しました。最初に35mm F1.4 DG HSM | Artに出会ってからというもの、フルサイズ用のレンズはArtシリーズしか手に入れていないので、多分好みの描写なんだろうなと漠然と思ってはいたのですが、それ以上の理由については深く考えたことはありませんでした。まあ普通そんなものだと思うのですが、今回レビューするに当たり、自分なりになぜ?の答えを探ってみました。

作例を見ていただければ分かると思いますが、Artシリーズのボケには定評があります。それは、画面全体のボケがなだらかにつながっているため、誇張された、わざとらしいボケからでは感じられない、柔らかな印象を受けるからです。さらに背景の大きくボケたところでも被写体の形がしっかりと残っているのも特徴の一つ。レンズには被写体をコントラストで見せていくものと細い線で描いていくものがあります。Artシリーズは完全に後者で、細かい線で描かれた精密画のような描写のため、ボケが大きなところでも被写体の質感が感じられるのだと思います。そして、これは理由がうまく説明できないのですが、開放で撮影するとピントピークの部分がスッと浮き立ってくるのです。美しいボケ、繊細な描写のレンズは他にあるかもしれませんが、開放で撮影した時に、全体では柔らかな印象を感じさせるのに、ピントピークの部分だけがこんな風にキリッと存在感を見せる描写は他に例が無いと思います。この独特な開放での描写。これがArtシリーズファンになった理由なのですね。

あじさい
左:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/800, F1.4, ISO 100)
右:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/1000, F1.4, ISO 100)

田んぼ
左:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/400, F1.4, ISO 100)
右:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/400, F1.4, ISO 100)


左:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/2000, F1.4, ISO 100)
右:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/3200, F1.4, ISO 100)

アップ
左:35mm F1.4 DG HSM | Art (1/6400, F1.4, ISO 100)
右:24mm F1.4 DG HSM | Art (1/8000, F1.4, ISO 100)

( 2018.06.29 )

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あの超高性能レンズがいよいよEマウント化!それにしても、時代が流れると価値観も変わるのですね。日常使いに24mmなんて、あの頃は考えてもみなかったです。

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レンズに傷をつけてからでは遅いのです。万が一のためにプロテクターフィルターを。このフィルターなら画質への影響も心配なし。

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