SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

広角レンズに求めることって何でしょう。歪まないこと？ もっともっと広く写ること？ 四隅もきっちり解像すること？ ユーザーそれぞれに広角レンズに期待することや求めることは違うかもしれません。でもそんな期待も要求も、シグマはみんな受け止めて、ソニーEマウント用の「SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art」をリリースしてきました。さまざまな収差を徹底的に抑え、ミラーレス向けの新設計で登場した本レンズは、画面の周辺まで均一な高い描写力と他を凌駕する解像感を持っていると謳われています。FLDガラス1枚、SLDガラス5枚を含む13群18枚のレンズ構成。適所に特殊ガラスを配置して、コマ収差を抑え、高い解像感を実現しているそうです。また、スーパーマルチレイヤーコートに加え、新たに開発されたポーラスコーティングというシグマ独自のコーティング技術も採用。フレアやゴーストも大きく低減し、ヌケの良い画質に貢献しているとのこと。14-24mmという広角ズームが生み出す世界観、そして描写の力を作例をご覧になって感じてみてください。

( Photography : T.T / Text : Rica )

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夕暮れの公園でビアイベントが開催されていました。その賑わいに思わず吸い込まれていきました（笑）。陽が落ちかけてきた空の色と、黄色く写るランプの色との対比が美しく、その点光源は滲みもなく柔らかさがありとてもいいですね。

朝陽が顔を出して間もないこの時間は、雲の様子がその日その日の表情を見せてくれます。焦点距離14mmという超ワイドな画角に、非常に透明感のある描写は見事ですね。日常的に足を運ぶ場所ですが、まるで初めて見たような光景に捉えることが出来ました。

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風に揺れる老舗料亭の暖簾。涼しげな織りの表情まで細かく写し出してくれました。開放F2.8の描写ですが、自然な前後のボケ味も好感が持てますね。

竹林の中、絞り値F5.6で捉えてみました。細かい葉一枚一枚までも描写し、ものすごい解像感です。ヌケもいいですね。

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心も伸びやかになる歪みのないクリアな描写

気持ちよく伸びていく線を見事にまっすぐに描き切り、画像の周辺までしっかりと解像感をキープ。撮った画を見れば、その清々しさに心も晴れやかになるでしょう。超広角とも言える14mmスタートのズームレンズで切り取った世界は、その伸びやかな線が画に奥行きを生み出し、スケール感のある画になります。また、画面の隅に写る点光源も、変形してしまうことなく丸いものは丸く写っています。「星景写真用レンズの決定版」とメーカーが謳っているだけのことはありそうですね。開放F2.8ではグっと被写体に近づいて、前後のボケを生かした作品づくりも可能です。シグマの各レンズシリーズは、その描写性能の高さゆえレンズも大きく重いものが少なくありません。でも本レンズはミラーレス用に開発されたものとあって、長さ131mm、重さは795gと比較的小さめで軽いと言えます。太陽の輝く時間帯での撮影にもその威力を発揮しますが、ぜひ夜の撮影も楽しんでみてください。もちろん星や月を撮るもよし、イルミネーションのきれいな街をとらえてもよし。SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Artは、どんなに弱くても、しっかりとその光を捉え、ただ美しいだけではなく情緒を伴った描写をしてくれるでしょう。

( 2019.09.06 )