PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SIGMA 14mm F1.8 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

およそ一年前に登場した超広角にして驚きの写りを実現し唯一無二とまで言わせた「SIGMA 14mm F1.8 DG | Art」がSONY Eマウント版で登場しました。写りに関してはもはやいうまでもないですが、SONYのセンサーでの写りも気になるところです。また初めてのミラーレス機との組み合わせで一体何ができるのかどう世界が広がるのかが楽しみです。その前にほんの少しだけスペックのおさらいをしておきますと、長さは152mm重量はもはや驚くほどのこともない1230gです。でも安心してくださいSONY Eマウント版になったことでボディとの総重量は軽くなりまました。その恩恵でどんな撮影が可能になったのか検証していきましょう。


SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

美しい線で都会を見せる

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

直線を直線として書き出す。当たり前のようですが、超広角レンズの一番の課題です。一番わかりやすい例が、海を撮ると地球の丸みを感じるように写ることです。広角で広く写っているから水平線が丸く見えるというのは錯覚で、実際はレンズのディストーション(歪み)によって水平線が丸く写っているのです。このディストーションは焦点距離が小さくなるほど大きくなり周辺でたる型、糸巻き型となって現れてきます。さらに厄介な問題は色収差です。これも周辺にいくほど大きくなり、結像していてシャープなのに、色が滲んでいるためにピントがあってないように見えます。作例とは関係ないお話ですが、何を言いたいかきっとピンとくる方もいらっしゃるかと思います。そう、いい広角レンズはディストーションと色収差がほとんどないのです。作例の周辺をじっくりと見ていただき、SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art の凄さを感じてください。(A.Inden)


SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

開放値F1.8を楽しむ

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

SONY α7R, SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Art, Photo by A.Inden

超広角レンズでボケ味を楽しむ。すごい時代になったものです。SIGMA14mm F1.8 DG HSM | Artは、開放値の明るさとボケ味の柔らかさにこだわりつつ、シグマ十八番のシャープさは健在。少々(?)大きくても重くても写りが良ければいいやと割り切ったArtシリーズらしいレンズです。超広角レンズは水平垂直を出してじっくり撮るというイメージを持っていましたが、開放でのボケ味が面白く、公園の遊具に突っ込んでみたり、猫じゃらしと戯れてみたり、地下鉄の階段においてみたりと自由に撮ってみました。本来そういう使い方の焦点距離であることは重々わかっているのですが、新しい玩具を持ったら子どものようについ遊んでしまいますね。柔軟な発想で新しい機材を市場に出してくる。Artシリーズの遊び心にこれからも期待しています。(A.Inden)


  • PHOTO YODOBASHIGinza Sony Parkに今年も出現した大水槽。広角のパース感、F1.8の開放値を生かしウツボが飛び出すように撮影してみました。小さな色とりどりの魚も狙ってみたのですが、水槽のアクリル越しでは開放F1.8ではピントを追いきれませんでした。水槽の展示は9/9で終了しています。
  • PHOTO YODOBASHI夏の終わり、都会で毎日のようにあるゲリラ豪雨。歩いていたら大変ですが、被写体としては面白いですね。雨上がり、沈みかけた太陽から差す光がグレーの空にビルを浮かび上がらせています。美しいですね。安全なビルの屋上から撮影。
  • PHOTO YODOBASHI露出データで暗い場所だとわかっていただけると思います。カーテンから入ってくる逆光の明かり、全体としてはオーバーな露出ですが、テープの色をしっかりと出し不思議な空間を狙ってみました。色の濁りもなくオーバーな部分の赤いテープも溶け込むことなく再現されています。
  • PHOTO YODOBASHI開放で撮影。周辺光量落ちも、水平線のディストーションもほとんど感じられません。パースを表現しにくい被写体だと、超広角で撮影した画に感じないですね。

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

ミラーレスならもっと自由に

決して軽くはないシステムであることはわかると思いますが作例を見ると、まるでコンデジでぶん回して撮っているかのようです。しかし写っている画質も描写もフルサイズ一眼のそれなのですから驚きです。またデジタル一眼レフよりもシステムが軽くなったこととピント拡大機能がファインダーの中でできること、チルト液晶で自由度が上がったことによって撮影スタイルも大きく変わって狙う被写体も変わってくるのかもしれないですね。実は今までも交換リングのMC-11がありましたがAF-Cなどの機能の一部が制限されていました。今回すべてクリアになったことでさらに使い方が広がりそうですね。本気撮りの方も動画の方も遊び撮りの方だってSONYユーザーで超広角単焦点レンズを探している方は絶対に見逃せない一本です。

( 2018.09.12 )

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超広角でありながら歪みや各種収差を極限まで抑えたクラス最高級レンズ。それなりに重量もありますが写りの良さを最優先にするなら是非ともお勧めします。

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