PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Carl Zeiss Batis 2.8/18

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

フルサイズに対応したソニー・Eマウント向けのZEISSレンズ「Batis」シリーズ。これまでに登場したBatis 1.8/85Batis 2/25に続いて登場したのが、今回紹介する「Batis 2.8/18」となります。同じフルサイズ用EマウントレンズにはLoxiaシリーズもありますが、BatisシリーズはAF対応。純正レンズと同じようにお使いいただけます。本レンズは先に発売された25mmと比べて7mmも短く、対角画角は99度。18mmという焦点距離は、ぱっと両目を開けて認識できる範囲のほぼ全てが写し込めるといったイメージでしょうか。外観はZEISS製レンズ共通のフードまで一体となった革新的なデザインで、距離指票はBatisシリーズで採用された有機EL液晶のデジタル表示となります。レンズ構成は10群11枚のDistagonタイプで、特殊低分散ガラス5枚、非球面レンズ2枚、特殊低分散ガラス採用の非球面レンズ2枚という極めて贅沢な仕様。フローティング機構により、広角レンズでは近接時に目立ちやすい収差も良好に補正しているのとのことです。では早速その実力を確かめていきましょう。

( Photography & Text : Naz )

開放F値はF2.8と超広角レンズとしては大口径です。このカットでは最短付近まで被写体へ近づいてみましたが、遠景はかなり大きくボケます。ボケ味もよいですね。ご覧の通り開放からシャープで、隅々まで気持ちよく描いてくれます。18mmにもなると、周辺の像の流れだったり、極端な周辺減光だったりと、普通ならファインダーを覗いてカメラを振るだけで「特殊なレンズを使っている」と感じさせるものですが、このレンズはそう感じません。一般的な焦点距離のレンズと同じように隅々まで実にクリア。ファインダーを覗いても、目玉をぐりぐりと動かしたときと同じような超広角レンズ独特の違和感がまったくありません。

ワイドな画角はワーキングディスタンスの限られた"引きのない空間"でその実力を発揮します。こちらはF4にて撮影。開放から1段絞ればこれ以上絞る必要を感じないほどに画面全域がビシッとしてきますね。レンガ造りの壁面の質感もよく再現されています。

スカッとヌケがよく気持ちのいい描写です。これだけの画角があると、強い光源に背を向けない限りはフレーム内に入ってしまうものですが、逆光には強いと言って差し支えないでしょう。青空のトーンも再現も素晴らしく、新緑の緑も美しく再現してくれています。


室内写真や建築写真のような緻密に狙う被写体以外にも、スナップ撮影で振り回してみるのも面白いレンズです。AFの合焦は無音かつ高速ですが、深い被写界深度を活かしたパンフォーカスや目測でのスナップも可能です。ここまで短い焦点距離となると、イメージしようにも「いったい何を撮ったら…」となってしまうものですが、このレンズは頭で考えるよりも、実際にレンズを手にしファインダーを覗いてみた方が楽しさがよくわかります。先ほども書いたとおり、超広角レンズにありがちな神経質なところがありませんので、振り回す楽しさに没頭できます。


輝度差の大きな条件ですが、空から床までダイナミックレンジの広いα7S IIの能力を活かしてくれます。シャドウ部もしっかりと粘り、持ち上げてみても情報を失っていません。

レインボーブリッジを縦に捉えてみましたが、手前はほぼ真上に近いところまで入ってしまいました。画面全体の均一性が高いとでも言うべきでしょうか、とにかくどこを見ても緻密に描かれています。20mmを超える超広角レンズでこれはすごいですね。ただ、手持ちではわずかな傾きも強く出てしまいますので、水平・垂直をきっちりと出したい場合は三脚を用いた方がよさそうです。

都市光景をダイナミックかつ立体的に捉えるのが上手なレンズです。カメラを持っていつも以上に見上げてみたり、見下ろしてみたり、寄ってみたりと存分にお楽しみください。


夜の撮影にも持ち出してみました。高感度に強いカメラと組み合わせれば夜景すら手持ちで撮影できてしまいますね。肉眼では手の輪郭がやっとわかる程度の明るさではありましたが、常用可能な高感度とカメラ側の手ブレ補正も相まってF2.8の明るさを活かした1枚を撮ることができました。


これぞフルサイズEマウント超広角の決定版

フィルター径は77mm。数字からはかなり大柄に感じますが、マウント部に向かって細くなるデザインのため、α7/α7 IIシリーズとのボディとのバランスはたいへん良好です。外装は一部金属製を採用していますが、OtusシリーズやMilvusシリーズと異なりオール金属製の鏡胴ではないため、フード込みの重量は350gほど。α7 IIの約630gのボディと合わせても980gと、軽快さを損なわない重量です。使い勝手は純正レンズと同一レベルで、MF/DMFモードでのマニュアルフォーカスにも対応しています。防塵防滴ですから、様々なフィールドへ持ち出せますね。伸び伸びとした超広角レンズらしい気持ちの良い描写とピントのキレ、加えてボケの美しさもありますから、人物の入ったスナップやポートレートなどに使ってみるのも悪くないでしょう。高価なレンズではありますが、ZEISSの名に恥じない高い性能と扱いやすさには大いに感心させられました。フルサイズEマウント超広角の決定版とも言える本レンズ、ぜひ多くの方に使っていただきたいレンズです。

( 2016.06.10 )

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α7/α7 IIボディとの相性は抜群です。超広角レンズの楽しさを存分にお楽しみいただけるレンズ、高い期待を持ってお買い求めください。

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プロテクトとしてもお使いいただけるUVフィルター。ツァイス製ですから、もちろんT*コーティング。

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