PHOTO YODOBASHI

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SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T

SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

PYのトップページを見ていただいてもわかると思いますが、最近ソニーEマウント対応のシグマ製レンズが続々と登場していますよね。PY読者のみならずソニーユーザーの方々も、その写り、使い勝手など「一体どうなのよ?」と関心が高いのではないでしょうか。今回登場したのはおよそ3年前にキヤノン、ニコン、シグマ版で登場し、唯一無二と言われた35mmフルサイズ版超広角大口径レンズ「20mm F1.4 DG HSM | Art」です。Artラインのレンズですから写りは言うまでもないでしょうが、少しだけレンズのおさらいをしておきましょう。構成は11群15枚。重量はやや重めの950g。全長も単焦点の広角レンズにしてはやや長めの155.8mmとなっています。それにはちゃんとわけがあってArtラインという高い描写性能を実現するには超広角大口径特有の色収差、歪曲収差、滲みなどを補正せねばならず、そのために特殊低分散ガラス、非球面レンズなどをより効果的に枚数や配置を計算した設計となっているからなのです。つまり写りに関して妥協しなかった結果の重さやサイズなのだと言えるのです。

さて、ソニーEマウントでもその“妥協しない写り”は健在なのか、さらにソニーEマウントになったことでのうま味はあるのか、作例から検証してみましょう。


SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T

20mm F1.4の瞳

SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T

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SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T

光を拾う

SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T

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人の道を拾う

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SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T

唯一無二の世界。

超ワイド20mm。イメージするのは伸びやかなパースを生かし、ほぼパンフォーカスで街、風景を切り撮っていくという感覚です。ワイド24mmより一回り広く、18mmや15mmなどの超スーパーワイドといったすべて写し込んでしまう画角と違い、まさに絶妙なフレーミングが求められ、難しいながらも非常に楽しい焦点距離ではないでしょうか。

しかし、20mmという広角でありながら、当レンズは何を思ってか開放値がF1.4という大口径。しかもワイドレンズは短くコンパクトであって欲しいものですが、なんとも巨大な望遠レンズばりの風格です。やってくれるぜSIGMA。これはやはりこの風格、大口径に応えるべく、全カット開放F1.4で挑もうという気にもなりました。

被写体としては、先ずは風景よりもポートレイトなどにいいのではないかと思い、撮り始めました。一枚一枚撮り進めていくうちに感じるのは、ピントピークのキレ味鋭くスッと立ち上がる立体感。さらに僅かに感じる周辺光量落ちが絶妙な塩梅で、絵をグッと引き立たせてくれます。20mmワイドという広く壮大に写し込む世界の中に、これだけの立体感をもたらしてくれる事に正直驚きました。さらに被写体に寄っていけば背景は溶けるように美しくボケを見せ、なんとも言えない世界が拡がっていきます。それを感じたらもうこのレンズの虜です。絞ろうなんて気はさらさらなくなります。無限域である遠景までも思わず開放で撮ってしまったものの、ピント面はしっかり解像しつつ、幻想的で柔らかさも併せ持つ画が生まれます。まさに唯一無二。このレンズでなければ描けない世界ではないでしょうか。

もちろん、大口径開放を生かした表現が目を引きますが、透明感があり豊かな階調表現も見事です。フラットな空の滑らかな階調も抜けがよく、雲のディテールも気持ちよく描いてくれます。質感の表現もいいですね。錆や木目の質感や、木々の枝や葉っぱの細かなディテールまで手に取るように伝わってきます。

このレンズを手にしてみて20mmの世界が広がった気がします。広大な風景写真から、あえてワイドレンズのスケール感を生かしたポートレートまで、まさにこれまで持っていた超ワイドの世界観が変わりました。これ一本でふらっと旅に出たくなる。そんな魅力溢れるレンズだと思います。(T.T)

  • SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T
    最短撮影距離は27.6cm。それもセンサー面からの距離ですので、長い鏡胴からするともはやレンズ先端にぶつからんばかりに寄れます。寄れば寄るほど、とろけるようなボケ味に吸い込まれていきます。
  • SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T
    数少ないやや絞った作例です。ぜひクリックし拡大して見てください。波の水面に岩肌。気持ちよい表現力です。
  • SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T
    大口径はボケ味だけではなく暗い時間帯でも威力を発揮します。陽が沈んだ後の青い空にアンバーライトが美しく、気持ちのいい時間帯ですね。
  • SONY α7, SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Art, Photo by T.T
    古い木のディテールに、錆の質感などいいですね。さらにぐっと寄って強烈なパースにボケ味。いやー、いろいろ楽しめます。

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ふと見た景色をより美しく撮れるレンズ。

20mmの画角というのは人によって差があるものの、注視するのではなく「ふと見た」ときの景色なのかなと思います。作例を見てなんとなく感じていただけると思いますが、スッと見ることのできる写真じゃないでしょうか。しかもその描写のキレと背景のボケが、写真というフラットな世界のなかに、まるで自分の両目でその景色を見ているかのような立体感を感じさせてくれます。なるほど、本当に見ているかのように感じるのは脳が錯覚しそうなくらいの描写と、「ふと見た」景色に近いワイド感があるからこそなんだなと、予想通りの抜群の写りに安堵しました。使い勝手についてはソニーαシリーズという比較的軽量コンパクトのボディに対してバランスが悪そうに思われがちですが、意外と問題はありません。左手で鏡筒をしっかりホールドできるため軽いボディ全体をがっちり支えることができ、右手はシャッターを押すこととダイヤル操作に専念でき、実は使いやすいのではないかと感じました。しかもチルト式の液晶でローアングルに構えると犬の「ふと見た」目線(推測ですが)も再現できます。これまでもMC-11というEマウント用のマウントコンバーターを利用することでArtラインのレンズを使用することはできましたが、Eマウント化されたことで、ボディ内手ブレ補正や、AF-Cなどにも正確に対応し、AF駆動方式や通信速度の最適化も実現していますので、非常に快適な操作感が得られています。またソニーの高性能EVFなら超ワイドレンズでもピントピークが見やすい上にピントアシスト機能を使えばじっくりとマニュアルフォーカスだって楽しめます。さあ、超広角大口径単焦点の世界を広げるならまさに今! それもソニーEマウントをお勧めします。

( 2018.07.13 )

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SIGMAのArtラインのSONY Eマウント化が着々と進んでいます。今回登場したのは壮大なスケール感とともにF1.4という開放値で独特のボケ味を堪能できる20mm。高い描写性能はもちろん、20mmという新しい視覚をぜひ楽しんでください。

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