PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

今回レビューをお届けするのは、ソニーEマウント向けの単焦点レンズ「24mm F3.5 DG DN | Contemporary」です。シグマの“Iシリーズ”として「65mm F2 DG DN | Contemporary」、「45mm F2.8 DG DN | Contemporary」、「35mm F2 DG DN|Contemporary」がラインアップしているところに、新たに加わったシリーズ最広角のレンズとなります。一括りに広角レンズとは言うものの、24mmといえば超広角ゾーンに近い焦点距離。かつてはよほどの広角好きな方でなければ、おいそれと手を出す域ではなかったようにも思いますが、今や誰もが手にするようになったスマートフォンのレンズは28mm前後となるでしょう。いつのまにやら多くの人が広角域を標準レンズが如く自在に操るようになっているのですから不思議なものです。そういう意味でも本レンズの登場を心待ちにしていた方もかなりいることでしょう。本レンズは広角単焦点ながら重量230g、全長50.8mmと軽量かつコンパクトにまとめられています。質感たっぷりの金属製鏡胴&フードなど、デザインや操作性もシリーズで統一された洗練のスタイル。なんと最短撮影距離は10.8cmとレンズ先端から5cmぐらいまで迫ることができます。こんなに寄れるとなればボケもそれなりに添えられるわけで、F3.5という数値も決して悪くはありません。むしろ、軽量コンパクト化に大きく寄与しており、日頃から軽快に撮り歩けるレンズに仕上がったわけですから。絞り開放F2.8でもF4でもなくF3.5。その写りの程、ご覧いただきましょう。

( Photography & Text : KIMURAX )

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

本レンズの光学系は、8群10枚のレンズ構成のうち高精度グラスモールド非球面レンズをはじめ、SLDガラスや高屈折率ガラスを採用し、カメラ側の電子補正を前提としています。こちらのカットは逆光ということもあり、実際の見た目よりも暗かったので現像で明るめにしたところ、扉に施された金細工の模様まで克明に浮かび上がってきました。拡大して見ても曖昧さは感じさせず、絞り開放からすでに解像力はトップギヤに入ってきている印象です。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

舞い落ちてから随分と日が経ったイチョウの葉ですが、その一枚一枚の表情というか風化具合まで鮮明に描き出しています。被写体との距離は1.5m程度。光の当たった部分のシャープさは、絞り開放ながら実に見事です。さすがかに周辺の像はそこまではいかないものの、流れは見られません。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

しっかりと朱色に塗り上げられた鳥居の質感をそのままに、色乗りたっぷりで再現しています。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

ビルの陰になったエリアから覗く、眩いばかりの一棟を狙っての一枚。絞る必要を感じないレンズですが、輝度差がありすぎて絞って撮影しました。線があからさまに太くなるようなこともなく、深い深度で手前から奥まですっきりと描き上げています。


SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

最短撮影距離10.8cm(最大撮影倍率1:2)での撮影です。絞り開放からシャープな像を結ぶレンズですが、被写体に寄り切るとこんなフワトロな表現を見せくれます。もはやメルヘンの世界。ちなみに冒頭のカットは、最短で白い葉ボタンを撮影したものです。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

同じく最短で前ボケも入れてみました。広角レンズとしては望外のボケ量ですが、急にボケが発生するようなことはなく前後共に自然な風合いです。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

カメラ側の周辺光量補正をオフにするとズドンと見事に周辺が落ちます。こんな表現がはまるシーンを探すのも楽しいものですよ。


SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

画角が広いからこそ様になる被写体もあったりします。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

AFは機敏で至って静か。ストリートスナップだって気持ちよくサクサクと決まるのですから言うことなしです。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

コントラスト表現もよく、シャドーからハイライトまで豊かなトーンで描いています。24mmという焦点距離は、対象との距離を詰めて行けば思いのほか極端さはなく、自然な写りだと感じます。慣れてしまえば、とても扱いやすい画角ではないでしょうか。

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX


SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX

SONY α7R III, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary, Photo by KIMURAX


PHOTO YODOBASHI

小さな広角レンズは楽しい。寄れるとなお美味しい。

“Iシリーズ”のレンズを、すでに何本かレビューさせていただいている者としての率直な感想は、期待を裏切らない楽しめるレンズということです。ミラーレスカメラのアドバンテージを活かしたその小ささと、描写性能、そしてリーズナブルなプライスは揺るぎのない価値。そこに24mmレンズながらボケ味までも楽しめてしまうのですから、ホント美味しすぎます。ご覧いただいたとおり、雑味のないお上品なフワトロなボケ味ですからね。もはや広角マクロの表現力です。サイズ感良し、質感良し、描写良し、表現力良し、価格良し。どうやら買わない理由が見当たりません。カートはすぐ下にあります。

( 2021.02.03 )

Loading..
Loading..

軽くてコンパクトだけど確かな手応えが得られる“Iシリーズ”。65mm、45mm、35mmを既にお持ちでしたらコンプリートしちゃってください。まだの人は、黙って24mmから。お買い得なことは間違いありません。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

フードを付けたままでの最短撮影距離では暗くなりがちで狙えません。フィルターでしっかり保護してから、ギリギリのところまでグイグイ攻めちゃいましょう。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..