PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

PHOTO YODOBASHI

風景写真の撮影場所、どうやって探してる?
Vol.10 - Text by Naz

ロケハンで得たものは写真人生の大きな財産 〜 自分だけの撮影スポットを探して

風景写真というと、日本全国に有名な撮影スポットがあり、これまでにも数々の作品が生み出されています。もちろん私もそういう場所へ出掛ければ、"お約束"として名作を真似たカットを撮ってしまうものですが、有名スポットではない場所や題材では、当たり前ですが自分自身で撮影スポットを探さねばなりません。例えば下の写真、冬の北海道・美瑛町で撮影したものですが、美瑛に行けばどこでも撮れそうな写真ではあるものの、実際に同じ写真を改めて撮ろうとするならば、同じ場所へ辿り着けなければなりません。そういう意味で撮影場所の記録というものはとても重要だと考えています。

PHOTO YODOBASHI

アンテナの感度は高く・広く、ヒントを得たら自分で探そう

PHOTO YODOBASHI仕事での撮影だとすれば、効率のよいロケが求められるものの、プライベートの撮影ならば、むしろ逆。多少効率が悪くても、写真人生の長さからみればわずかなもの。その工程をも楽しまねばもったいないと思います。私がロケ場所探しで情報を得るものは本、雑誌、インターネット等多岐に及びますが、そこに求めるのは最終的なロケ場所の情報ではなく、あくまでも「どの辺り」というヒントまで。そういったロケ場所探しの起点となるヒントを得る手段としておすすめしたいのが、本コラムのVol.6でも紹介されている「ツーリングマップル」。オートバイツーリング用の道路地図ですが、地図上に展望のよいところやおすすめの立ち寄りスポット等の情報が数多く記載されています。その情報量が旅行用のガイドブックと一般的な地図のちょうど中間ぐらいで、実によい塩梅なのです。例えば、美瑛町なら「大雪山・十勝連峰を一度に眺望」や「国道沿いの花畑」といった感じでおすすめのスポットにコメントが添えられています。道具として使い慣れたというのもありますが、若い頃ほどオートバイには乗らなくなった現在でも、車に常備する道路地図としてこのツーリングマップルを使い続けています。関東や東北など地方ごとに別れ、1冊2,000円程度と買いやすく、オートバイ向けであるためコンパクトなA5変形サイズになっています。毎年最新版が発売されていますが、買い替えるのは数年に一度で十分。今年は九州・沖縄版を買い替えてみました。

PHOTO YODOBASHIアンテナの感度は高く、広く持ちつつも、情報として得るのがヒントまでだとすれば、その先は自分自身で手間を惜しまず探すことが求められます、そう「ロケハン」です。ヒントとなる情報はGoogleマップに★マークをつけ片っ端から保存していきます。気づけばご覧の通り日本だけでなく世界にわたり、★マークの数はたぶん2,000箇所を超えていそうです。アプリを開くと★マークで地図が読みにくくなってきましたが(アプリ内に表示を消す機能もちゃんとあります)、こうして★マークを保存しておけば、近くへ行った際などにその付近を散策してみたりとロケハンが捗るのです。そして自分自身でロケハンをすれば、目的以外の有益なロケ場所も見つけられたりして、別の題材のロケ場所として記録していきます。最近のカメラはGPSを内蔵していたり、スマートフォンから位置情報を取得して画像内に撮影場所を記録することもできます。そうして蓄積したロケ情報は「写真整理の通信簿」にも書いたとおり、撮影された写真と撮影場所が紐付けられた形で記録され、将来の撮影場所としてもストックされていくのです。

PHOTO YODOBASHI

こちらは印旛沼周辺をロケハンしていて撮影したもの。実は「休憩を」と立ち寄ったコンビニの向かいに見えた景色なのです(実際はこんなところ)。雨上がり、土壌に水分が多く含まれていて、黒が締まった光景でした。ただし、あくまでも撮るのは公道の上から。私有地に無断で立ち入るのはルール違反ですのでご注意を。

PHOTO YODOBASHI

千葉県富津市にある新舞子海水浴場という海岸で撮影したもの。

PHOTO YODOBASHI

こちらは千葉県佐倉市にある印旛沼の干拓地に流れる用水路の橋の上から撮影。大自然の風景も素晴らしいですが、風景の中に人の営みが感じられる光景を好んで撮影しています。


実際にロケハンをしてみました

PHOTO YODOBASHI先ほども書いたとおり、ある程度のヒントを得たらそこから先のロケハンは自分自身で。今回このコラムをきっかけに実際にロケハンへ出てみることにしました。目的地は関東北部にあり、日本で二番目に大きな湖沼となる霞ヶ浦。サイクリングロードとして1周可能な道路が整備され、そこを自動車でも通行することが可能です。1周は約130kmありますから、時間はかかりますが、回ってみれば様々な撮影ポイントを見つけられそうです。

PHOTO YODOBASHI画像は、ロケハン中にスマートフォンに表示している画面の様子。湖畔のような場所を走るときは、地図の画面よりも衛星写真の方が実際の状況を掴みやすいですね。たとえば画像には幾つかの小さな漁港が写っていますが、地図ではそれが描かれていなかったりと省略されていたりするのです。運転中の画面の注視は法令違反にもなりますから、細かく確認したい場合は、車を停めるか同乗者にお願いしましょう。

ロケハンで便利な機材は何といっても撮影画像に位置情報を保存できるカメラ。レンズは高倍率ズームレンズのような画角の自由度が高いものが便利です。それからメモ代わりに気軽に使えるコンパクトカメラも。今ならスマートフォンでも代用できますが、ロケハンでも撮影は楽しみたいですよね。

今回のロケハンでは、早朝から4時間ほどかけて、1周。7箇所のお気に入りの撮影ポイントを見つけられました。

PHOTO YODOBASHI

最後にロケハンでの収穫から1枚を。

( 2020.08.04 )

Loading..
Loading..

ニコンのミラーレスカメラの高画素機。風景写真を撮るなら画素数はリッチに行きたいですよね。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

ロケハンで大活躍の高倍率ズームレンズ。ズーム倍率が高いほど、様々なフレーミングを試すことができます。Zマウントのズームレンズはどれも優秀な性能ですが、こちらもなかなか、「使える1本」です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

ロケハンならメモ撮り用にコンパクトカメラ1台というのも気軽でいいと思います。それでも画質に妥協したくないなら、この1台がおすすめです。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

あまり大袈裟な装備になってしまうと、ロケハン自体が面倒になってしまいます。こちらのミニ三脚は脚が伸びないので高さは稼げませんが、カメラをちょっと固定したい時などに役立ちます。ミニ三脚界のハイエンド、いきなり上がれます。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

「まずは地元」ということで関東版は何度も買い直しています。電子書籍版もありますが、地図と辞書は紙版がおすすめです。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

今年、私が買い足したのは九州・沖縄版のツーリングマップル。まだしばらく遠くへは行けそうもありませんが、この地図を見ながら次の旅プランを練るのです。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..