PHOTO YODOBASHI

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じゃんけん ジャケ買い ムール貝

ジャケットをもう少し観察してみます。

まず目立つのが、後ろの壁にかかる大きな二つの額のようなもの。これはどうやら文部省主催の「芸術祭」(現在でも「文化庁芸術祭」として年一回開催)の、優秀賞の記念盾のようです。2つあるということは2回受賞されているのでしょうか。何か書かれたものが額の中にあるのですが小さ過ぎて読めません。

見切れていますが、両脇に本棚があります。他人の本棚ってホントに興味深い。音楽関係の本が多いのはまぁ当然として、新約聖書やキリスト教関係の書籍があるのでカンノさんはキリスト教の信者だと思われます。遠藤周作の著作がいくつかあるのも、それとの関連でしょうか。「マリー・アントワネット」は、遠藤周作のそれだとしたら上下巻の筈ですが、なぜか3冊見えます。間違えて買っちゃったんでしょうか(私はよくやります)。それに対して「収容所群島」は全6巻あるところ、第1巻しか見えません。まあ、長くて、重くて、暗い内容ですから、1巻だけ読んでいやんなっちゃったのかもしれません。そんな感じでノンフィクションもの、歴史ものがお好きなようですが、ガルブレイスの「不確実性の時代」や城山三郎さんの「毎日が日曜日」があるあたり、経済方面の読み物にも興味がおありのご様子。

カンノさんの背後にある大きな家具のようなもの。これはステレオセットで、ビクターのDF-11というモデルです。1972年発売で当時の価格が169,500円。この年の大卒初任給平均が52,700円だったそうですから、とても高価なものです。現在の価値に換算すると50万円オーバー! 隠れて見えませんが、真ん中の部分にレコードプレーヤー、アンプ、チューナーがビルトインされていて、両脇に見えているのがメインのスピーカーです。その上にもう1セット、左右に小さめのスピーカーが載っていますが、これら4つのスピーカーで4ch再生ができるというシステムです。のちの「サラウンド」の元祖のようなものですが、4ch再生のための「CD-4」という、ビクター独自の規格に基づいた音楽ソフトを制作していました。つまり音の入力部であるカートリッジからして4ch仕様だったわけで(もちろん普通の2chも再生可)、結構高度なことをやってたんですね。このステレオセットの上にもたくさんの受賞盾やブロンズ像があります。

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同じAV機器としては、右下に無造作に置いてあるものの方がPY的には面白いかもしれません。これもまたビクターの(カンノさんはビクターがお好き?)HR-2200というビデオデッキです。ビクターですから当然VHS方式ですが、これのウリは「ポータブル」だという点。持ち運べる上、充電式バッテリーで屋外でも使えるんです。屋外でこれをどう使うのかって? このデッキにカメラとマイクをケーブルで接続して動画を撮影するんですよ。カメラ部と録画メカ部がセパレートでケーブルで接続されているなんて今じゃありえませんが、これを今やったらちょっとプロっぽくてカッコいいかも。かなり偏ったプロ像ではありますがね。少しでも小型軽量化するためでしょう、据え置き型には当たり前に入っているチューナー部は別に必要になります。その結果、カメラと組み合わせた重さは7.75kg。これの前モデルにあたるHR-4100は13.5kgもありましたから、これでも大幅な軽量化に成功しているんです。1980年発売。しかしこの当時にこれを持っているって、カンノさん、かなりのAVマニアだったに違いありません。

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あ、肝心の音楽について書くのを忘れていました。しっとりとミッドレンジが膨らんだギターの音色に(中出阪蔵作のギターを意識して聴いたのはこれが初めてかも)時折ストリングスが絡むアレンジで、遥けき昭和の、落ち着いた大人の音楽です。「ああ、この曲ってあの映画のテーマ曲だったんだ」みたいな発見もありつつ、サントリー・オールドでも舐めながら真夜中に静かに聴きたくなります。2022年はカンノ・トオルさんの生誕100周年。その年にカンノさんに出会えたのも何かの縁でしょう。そんな感じで今回は終わり。じゃあ、またね。

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「おうち時間」で新たな趣味をお探しの方も多いでしょう。ギターなんてどうですか? どこにでも持ち歩けて、電源を必要とせず、一人でもグループでも楽しめるのがアコースティックギターです。あえてクラシックギターをチョイスするのがシブいですよ。ショートスケールなら女性やお子さんでも弾きやすいですね。

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ビクターDF-11の現代版・・・というわけではないですが、オールインワンオーディオとしての進化形であることは間違いないですね。ウッディな外装と落ち着いたフロントパネルはDF-11に似た雰囲気もあり、どんな部屋にも馴染みます。

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どうしてここでこの商品を紹介したか、わかりますか? 答えはジャケット写真の中にあります。

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白雪友禅のてぬぐいですが、絵柄がニッパー君なんです。「His master's vioce」で蓄音機に耳を傾けている、あのわんちゃんですよ。

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