PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by Z II

FUJIFILM XF8-16mmF2.8 R LM WR vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

F2.8通しの広角ズームレンズ「FUJIFILM XF8-16mm F2.8 R LM WR」のレビューをお届けします。35mm判換算12-24mm相当の画角を持つ本レンズは、4枚の非球面レンズでディストーション、球面収差を抑制。スーパーEDレンズ3枚を含む6枚ものEDレンズを採用し、倍率色収差を抑制しているとのこと。13群20枚というゴージャスなレンズ構成で、F2.8という開放値、高い解像感をもたらすというのですから期待が膨らみます。超広角12mmを擁する本レンズは、スケール感あふれるランドスケープ撮影のみならず、25cmという最短撮影距離を生かした迫力ある撮影も堪能できますからね。本レンズは、豪華なレンズ構成もさることながら、防塵防滴、さらに-10度の耐低温構造で真冬のアウトドア撮影にも重宝します。超広角と聞いて気になるディストーションの出具合はどの程度なのでしょうか? それではさっそく作例をご覧になっていただき、その描写性能を確かめていただければと思います。


FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by Z II

澄み切った冬空

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by Z II

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by Z II

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by Z II

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by Z II

一目惚れしそうなほどのレンズ

35mm換算で12-24mmという超ワイドレンズしかもF2.8通し。レンズ名を見ただけでも只者ではないですが、その風貌もなかなかの迫力で、使用ボディのX-E3の小ささが際立つようなセットになりました。実写レビューの1枚目、まずは小手調べにと真冬でも青々と葉を茂らせるクスノキの巨木をワイド端で撮影(こちらをクリックで原寸画像を表示します)。葉のディテール、立体感、幹の陰影の描写もさすがの写り。またほとんど歪みを感じさせない気持ちのよい線を描きますので、建物などを撮るのにも完璧な仕事をしてくれるレンズです。冬といえば、この時期いたるところで見ることができる色鮮やかなイルミネーションを狙ってみました。ホワイトバランスを「晴れ」にしてフィルムシミュレーションは「ベルビア」にすることで、フジ独特の発色と弩級のワイドの効果もあってその場の雰囲気がより鮮明に描かれています。世間ではフルサイズで賑わっていますが、フルサイズが本当に必要な人はさほど多くはないはずです。センサーサイズがAPS-Cサイズでこれほどの描写を実現できるならコンパクトであるのに越したことはありませんよね。フジユーザーはもちろんのこと、これからカメラのシステムを作り上げていく人にもこの「FUJIFILM XF8-16mm F2.8 R LM WR」からスタートだってきっとありでしょう。一目惚れで買ってしまうということはよくあることです。いきなり最高級レンズ! かっこいいと思います!(Z II)


FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by KIMURAX

浜風を感じながら

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-E3, XF8-16mmF2.8 R LM WR, Photo by KIMURAX

ヌケのよいダイナミックな画は、撮り手をいっそう大胆にさせる。

使用したカメラはスリムなX-E3。最大径が88mmに及ぶ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」の存在感はかなりのものです。バッテリー&メモリーカード込みでX-E3は約337gなのに対し、本レンズは805g。こう列挙されるとバランスが・・・と心配になってしまいますよね。それは、右手でカメラボディをしっかりグリップしてから左手をレンズの下に添えるという、撮影フォームに入るまでの一連の動作で考えると致し方ないでしょう。しかし、本レンズの場合はちょっとしたお作法があります。左手でレンズを握って持ち上げてから右手をカメラのグリップに添える。構える際は左手でレンズを下から握りつつ、手のひら手前ギリギリにカメラも載せてしまうのです。右手は軽く添えるがごとくシャッターボタンに指を据えるだけ。重量負荷は左手9割越えで臨めば安定感バッチリ!心配ご無用です(笑)。さて、超が付くほどの広角系ですから、やはり逆光耐性は気になるところ。日中の屋外では太陽が入り込む場面もしばしば。実際のところ、開放付近ではぽつんぽつんと小さなゴーストが現れます。個人的にはあまり気になりませんでしたが、もし気になるようであれば角度を変えたり、いっそのこと太陽をど真ん中に据えるとか、フレーミングを工夫してあげればいいでしょう。一方、フレアは良好に抑えられているという印象で、コントラストもしっかりキープするあたりは流石だなと感心しました。感心したといえばヌケのよさですね。この写り、短焦点レンズに迫るクリアな描写は実に気持ちがいいものです。しかも開放からきりっとシャープな像を結び、水平垂直がわかりやすい被写体でなければ広角特有の癖もあまり気にならず。2倍ズームと幅は狭いとはいえズームレンズですからね、かなりいい仕上がりだと思います。硬質な構造物から柔らかな植物にと、様々なシーンを呑み込むにはうってつけの信頼できる道具です。(KIMURAX)


  • PHOTO YODOBASHI超ワイドは見上げて撮ると非現実的ではありますが、とても印象的な表現になります。ほんの数ミリ画面が傾いただけで被写体がかなり歪んでしまうので細心の注意が必要です。しかしはまれば大迫力。
  • PHOTO YODOBASHIベルビアモードで撮った時の青は確かに少し彩度が高いですが、フィルム時代を彷彿させるこの色彩と、超ワイドがとても相性がいいように感じます。
  • PHOTO YODOBASHI明るい大口径レンズは室内での撮影にもその威力を発揮してくれるので、実に頼もしいものです。シャドーの表現も自然でいいですね。中間12mmでの撮影。
  • PHOTO YODOBASHIテレ端でぐいっと寄ってみるのもいいでしょう。揚げたての衣、そのザクザク感までもが伝わってくるような克明な描き込みです。

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しっかり写る。フジフイルムらしく写る。

作例はいかがでしたでしょうか。色乗りもよく、繊細な描写がフジフイルムらしさを感じさせる「FUJIFILM XF8-16mm F2.8 R LM WR」。F2.8通しですから、夕暮れどきから夜の撮影にも強く、フジフイルムXシリーズのカメラとの組み合わせでフィルムシミュレーションを使用すれば、多彩な色の表現が可能になります。8mm(35mm判換算12mm)という超広角撮影では若干四隅の流れは見られるものの、概ね良好な描写です。コントラストも高すぎず、しっかりと色と明暗のグラデーションで画を作ってくれるフジフイルム、さすが! と言わざるを得ません。実はRAWデータでは周辺減光、および歪曲がJPEGよりもやや強めに出ているのですが、ボディ側の設定で“周辺光量補正”や“歪曲収差補正”を任意に補正が可能です。デジタル時代のレンズですから、これらの設定ありきのレンズ設計になっていると考えるのがスマートかもしれませんね。また、ゴージャスなレンズ構成により805gという重みになってしまうものの、これならやってくれそうだという期待が高まることも事実です。実際にシャッターを落としてみれば、きっとその描写に魅せられてしまうでしょう。ランドスケープ撮影を主にされている撮り手にとって、ここぞという場面できっと頼れる相棒になってくれる心強い一本です。

( 2018.12.25 )

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35mm判換算12-24mm相当の画角をカバーし、開放F値は通しでF2.8の明るい広角ズームレンズです。非球面レンズ4枚、EDレンズ3枚、スーパ−EDレンズ3枚を含む13群20枚構成、像面湾曲補正レンズを採用した贅沢な光学設計で、積極的に開放からの撮影を堪能できます。

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2430万画素のAPS-Cサイズ「X-TransTM CMOS III」センサーと高速画像処理エンジン「X-Processor Pro」を採用。コンパクトかつフジフイルムならではの“写真画質”を実現した一台。もちろん独自の色再現技術による「フィルムシミュレーション」も搭載されています。

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