PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

KamLan 8mm F3 FISH-EYE

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ミラーレスカメラの興隆によりこれまで以上に勢いを感じるアジアのレンズメーカー。サムヤンに中一光学、七工匠などその名をご存じな方も多いのではないでしょうか。今回ご紹介するのは「KamLan 8mm F3 FISH-EYE」。台湾の世大光電有限公司がカムランのブランドネームでリリースする、魚眼レンズの富士フイルムXマウント版となります。魚眼レンズには円周魚眼と対角魚眼があり、今回ご紹介するのは後者。フレーム内に蹴られの発生しない(イメージサークルがフレームよりも大きい)タイプとなります。簡単に言ってしまえば、歪曲収差を補正しない超広角レンズといったイメージです。焦点距離は8mmで対角180度の画角をカバーし、開放はF3.0となかなかの大口径。レンズ構成は9群11枚、そのうち4枚に高屈折ガラスを採用しているとのこと。高い質感と堅牢製を兼ね備えた金属製の鏡胴を採用し、約240gと軽量に、そして全長も62mmとコンパクトに仕上がっています。前置きはこのくらいにして、実写レビューをご覧いただきましょう。

( Photography & Text : Naz )

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

本レンズはマニュアルフォーカスレンズとなり、手動でのピント合わせが必要となりますが、非常に深い被写界深度を持っているため、近接かつ開放付近を使うのでなければ、拡大表示してピントを追い込む必要はありません。少し重みのあるピントリングを3mや無限遠(その移動量はわずか1mm!)にあらかじめセットして、パンフォーカスで被写体へ切り込んでいくのがよさそうです。

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

絞りリングには「3.0-4.0-5.6-8-11-22」と値が刻まれ、クリックのない無段階式となっていますが、被写界深度が深いこともあり、頻繁な操作は不要。またクリック音がないため、動画撮影中でも明度に合わせて絞りの操作が行えると思います。

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

周辺減光はほとんどなく、四隅にわずかに感じる程度と優秀です。こちらのカットは日の出前ということもあり、空の大半がまだ暗く周辺光量が落ちているように見えています。他のカットをご覧いただくとおわかりいただけると思います。

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

レンズを上へ向けると、カメラを構えた自身の前方だけでなく後方のものまで写り込んできます。レンズを斜め上へ向けることで、こういった広場では周囲の建物まで全てを写し込むことが可能です。


FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

魚眼レンズというと、被写体が大きく歪むのを想像しますが、フレームの中心を通る直線は歪まず直線のまま写り、周辺へ行くに従って歪みが大きくなっていきます。そのため、水平や垂直を意識しながら主要な被写体を中心に据えることで、ご覧のように遠近感を強調しながらも歪みをあまり感じさせないで撮影することも可能です。

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

逆光には強い印象です。とても広い画角を持っていますから、晴天なら太陽が不遠慮なまでにフレームへ入ってきますが、ゴーストが出てもほとんど気にならないレベルに抑えられていました。

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

開放F3と明るいことや短い焦点距離だということもあり、手ブレしにくいレンズです。また今回のロケではセンサーシフト式の手ブレ補正機能を持ったX-H1を使用したこともあり、多少感度を上げるだけで夜間の撮影も非常に楽しく行えました。

FUJIFILM X-H1, KamLan 8mm F3 FISH-EYE, Photo by Naz

レンズの向きを少しでも動かせば、写り込む被写体の大きさや形状が大きく変化していきますから、ファインダーを覗き、その変化を意識しながら狙いを定めていくと、魚眼レンズを大いに楽しめると思います。


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Xマウント、実は魚眼レンズが選び放題!

いかがでしたか? KamLan 8mm F3 FISH-EYEを使ってみて感じたのが、まず「とてもよく写る」ということ。柔らかさを残したシャープな描写で、四隅の像がわずかに崩れる以外、子細に見ても画面全体が緻密に描かれていました。写りに加えて金属鏡胴の造りのよさや、傷や手垢の目立ちにくいマットな塗装など質感を含め、満足度が高いレンズだと思いました。ロケ前は「このプライスでは…」と期待半分であったものの、いい意味で裏切られたといえます。魚眼レンズ1本で撮影のすべてをまかなえるわけではありませんが、画に変化が欲しい時など“飛び道具”として、楽しめ、使えるレンズではないかと思います。しかも価格も手頃ですから、カメラバッグに忍ばせておくと想像以上に活躍すること間違いなしです。

KamLan 8mm F3 FISH-EYEは、今回実写レビューで紹介しました富士フィルムXマウント版の他に、APS-Cフォーマットに対応したソニーEマウント版キヤノンEF-M版があります。また本レンズの他にも、LAOWA 4mm F2.8 Circular FisheyeMeike 6.5mm/F2.07Artisans 7.5mm F2.8 Fish-eye IISAMYANG 8mm F2.8 UMC Fish-eye IIMeike 8mm/F3.5SAMYANG 12mm F2.8 ED AS NCS FISH-EYEMeike 6-11mm/F3.5とXマウント向けの魚眼レンズがサードパーティーから多数出ていますので、本レンズに加えてこれらの存在も頭に入れておいて損はないと思います。

( 2020.08.28 )

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予想以上の上質な写りに物欲を刺激されてしまいました。気合いを入れずに買えるプライス。1本どうでしょうか。

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本レンズも含め魚眼レンズの作例を多数紹介。フォトヨドバシのムック本、まだの方はこちらもどうぞ!

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