PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM XF16mmF2.8 R WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

今回お届けするレビューは、フジフイルムの広角単焦点レンズ「XF16mmF2.8 R WR」になります。リリースされたのが2019年3月ですから、Xマウントユーザーの方々には大変長らくお待たせしてしまい恐縮です。フルサイズ換算で24mm相当の画角となり、全長45.4mm、重さ155gの小型軽量ですから、スナップ撮影から風景撮影にと既に楽しまれている方もいらっしゃることと思います。こんなにコンパクトでありながらAF、8群10枚のレンズ構成(非球面レンズ2枚を含む)を採用し、防じん・防滴・耐低温構造(-10度)ですから頼もしい限りです。先細り型で金属製パーツを用いた鏡胴や絞りリングを持つクラシカルなデザインで、所有欲を掻き立てる一本。では早速その肝心な写りの方を見ていきましょう。

( Photography & Text : KIMURAX )

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

広角らしいダイナミックな画作りが楽しめるアングルの画から。超広角と広角の境目の画角ながら、意外と持て余すことなく伸びやかさをしっかり表現できる。24mm相当の画角は何かと便利ですね。スマホで使い慣れているということもあり、誰もが扱いやすい現代の標準域とも言えるでしょう。

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

解像感、前後のボケの傾向、軸上色収差の抑え込み等といった方面から評価しやすいカットとなりましたが、いずれも上々の仕上がりといっていいのでは?

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

もう少し寄ってみた画も確認しようと陶器製の雛人形を。主役と周辺の状況までも入れ込むことができるのも広角レンズのメリットでしょう。それなりに近づいていっても、周囲の様子はちゃんとわかる。もっと寄っても大丈夫です。


FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

レンズを向ける角度によって画面内が大きく変化します。そんな動きを感じながら絞っての撮影。派手な光芒とはなりませんでしたが、ゴーストは随分と控えめです。

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

ラウンドした空間を収めるにはもってこいです。

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

直線は直線としてすっきりと表現されています。広角ですので念のためRAWデータを覗いてみたら焦点距離16mmなりの歪曲収差(樽型)が出ていました。とはいえ結果良ければすべてよし。フジフイルムのユーザーの多くがフィルムシミュレーションの活用が前提でしょうから、JPEGの画がすべてと考えても差し支えないのではと。ちなみに全カットJPEG、フィルムシミュレーションはPROVIA/スタンダードでの撮影です。


FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

本レンズの最短撮影距離は17cm。ほぼ最短での撮影になります。ピント面はキリッとシャープに結像していますし、連なるボケゾーンも自然です。

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

こちらもそこそこの近接ですが、ひんやりとした金属の質感が伝わってくようです。


FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

なんて神々しいカゴでしょうか(笑)。スクーターのステップボードに鎮座している、という状況がこれまたシュールでして。ゆえに主役とその周りの関係が一枚に収っていることが大事。24mm相当の画角が功を奏していたことは言うまでもありません。それにしても傑出の色再現ですね。

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

周辺を絡めた構図ということであれば、ポートレートもいいでしょう。ハイライトやシャドーの粘り具合も上々で、今回マウントしたカメラボディX-T5との相性もバッチリ。

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

いつでも連れて歩きやすいコンパクトな機材はシャッターチャンスに強いということでもあります。気軽にスナップできるというだけで出番がふえること必至です。


FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-T5, XF16mmF2.8 R WR, Photo by KIMURAX


PHOTO YODOBASHI

居心地のいいレンズって

軽量コンパクトなレンズながらしっかりとした解像力をコンスタントに発揮し、それをより印象的なものにする自然なボケ味をもたらすではありませんか。撮影のテンポを左右するAFも素早くピタッと決まる。気軽にスイスイ振り回せるだけに、撮影者はフレーミングに集中できる。クラシカルなフォルムの可愛らしいレンズ、これがなかなか頼もしい存在なのです。一日中持ち歩いて、ファインダーを覗いて、なんの苦も無く楽しめてしまうのですから。ところで16mmF2.8というスペックだけを聞くと、いわゆる目新しさみたいなものは無いというのが正直なところ。しかし実際に使ってみると不思議なもので居心地がいいのです。一緒にいる、撮り歩いている時間が何だか心地よかったというのが個人的な感想。撮り歩いているうちにレビューのための試写ということを忘れ、気の向くままに無心にレンズを向けている時間が随分ありました。使ってみないとわからないものですね。もしかして本レンズの表層的なスペックだけで、なんとなくスルーしていたという方もいるのではないでしょうか。それは勿体ないことかもしれません。

( 2023.03.22 )

Loading..
Loading..

軽量コンパクトでクラシカルなデザイン。写りは現代のレンズそのもの。持ち歩きにうれしい。撮って楽しい。まだお持ちでないという方は今すぐどうぞ。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

もちろんブラックもございます。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..