PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

FUJIFILM XF18mmF1.4 R LM WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムXマウントに新たな大口径単焦点レンズ、XF18mmF1.4 R WRが登場しました。EDレンズ1枚、非球面レンズ3枚を含む9群15枚という贅沢なレンズ構成で、目指すものは明確に「性能」。同じ焦点距離の XF18mmF2 R はパンケーキタイプでコンセプトの違うレンズと言えますし、スペック的に近い XF16mmF1.4 R WR からも6年分の進化があり、一皮も二皮も剥けた世界を見せてくれるはずです。リニアモーター搭載でAFの高性能化が図られ、防塵防滴構造も備えるなど、昼夜天気問わずフィールドでガンガン使える(&使ってほしい)1本ということでしょう。さあこの新しいレンズがどのような世界を描くのか、スナップに連れ出して実写で確認していきましょう。

( Photography : A.Inden / Text : Serow )

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

1カット撮るだけでわかるのですが、開放から凄まじいシャープネスです。シャープといってもカリカリした感じではなく、細い線で緻密に描いてくれるイメージ。少し引いた距離で撮影してみましたが、画面全面がクリアに描かれました。噴水の水しぶきも草木のディテールも、緻密です。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

近づけばさすがにF1.4の被写界深度。アウトフォーカスを美しくボカし、被写体を立体的・印象的に紡いでくれました。花びらの淡いグラデーション、質感も見事ですよね。最短撮影距離も20cmということで、接写も大いに楽しめると思います。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

画面の隅々まで破綻のない写り。これで開放だというのだから舌を巻きます。幹にピントを置いていますが、このぐらいの距離であればピント面は薄く、前景と背景がゆるやかにボケていきます。といってもボケは自然で、被写体の形をしっかりと認識できるのが見事。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

開放でここまで写るのだから、絞りの役割は被写界深度のコントロールということでしょう。少し絞ることで曖昧さがなくなり、さらに繊細で情報量の多い写真が生まれます。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden


FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

リニアモーター駆動によりAFが静粛でハイスピードです。スッとフォーカスが定まり、気持ちよくスナップができる。光をいい具合に捉えてくれるから嬉しいですね。線の細いクリアな描写が、このリアリティを生み出します。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

最短撮影付近ともなると被写界深度はかなり薄くなるのですが、ピントピークの描写は強烈。原寸で見ると花の中にいる虫の脚までも確認できるのです。いやはや。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

いわゆる古典的な広角28mmに比べて少しだけ広い画角。極端な画になることはないので、素直にシャッターを切っていくのが楽しいですね。心動いた光景を情報量豊かに画面に落とし込んでくれて、後から眺めていても楽しい一枚になります。広く撮るのも寄って撮るのも撮影者次第ということで、使いこなし甲斐があると思います。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden


FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

直線が直線として写るのも気持ちがいい。広角はこうでなくてはいけません。塗装のヌメッとした雰囲気もよく出ていますね。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

F1.4のアドバンテージは光の少ないシーンで活きてきます。超広角ではありませんが、ちょっとした屋内撮影もお手の物。様々な材質の入り混じった光景を質感豊かに収めてくれました。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

それにしてもキレのよいレンズです。解像力の高さはもちろんながら、トーンもコントラストもいい具合にバランスが取れていることで高いクオリティが生まれるのでしょう。あまり難しいことは考えず「よく写るレンズだなあ」と楽しんでいればいいのかもしれませんが。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

だからこそ、日が落ちた時間帯でもシャッターを切るのが楽しいわけです。この暗さでこれだけ緻密に、立体感のある写りをしてくれるのだから、撮りたくもなりますよ。

FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR, Photo by A.Inden

黒の締りがよく点光源の描写もクリア。収差らしい収差がほとんど感じられず、開放で周辺までキッチリ描写してくれています。気持ちのいい描写ですよね。


FUJIFILM X-T4, XF18mmF1.4 R LM WR by PHOTO YODOBASHI

撮る喜びを思い出す、オールマイティな1本。

「いや〜、いいレンズだった」
これが本記事撮影者の最初のひと言です。写真の光景を肉眼で見ているのは撮った人だけですから、ほんとうの意味でレンズを感じることができるのは撮影者だけ。いち撮影者の感想とはいえ、本レンズのクオリティを素直に示していると思いました。開放から驚くほどの解像力で、目に映るものすべてを精密に描いてくれる。余すことなく光を捉え、クリアに被写体を浮かびあげる。目に痛いようなシャープネスではなく、あくまで繊細・端正・ナチュラルな描写で、ここにメーカーの哲学を感じてしまいますね。写真を写すこととは、一体なんなのか。私たちは何を楽しみたいのか。

スパスパと決まる静粛なAFはスチル撮影はもちろんムービー撮影にも最適ですし、どんなフィールドにも連れ出せる安心感があります。Xシリーズの使い手ならば良いレンズを後生大事に防湿庫にしまうのではなく、どんどん持ち出して写真を撮るのが正解でしょう。高いクオリティで、Xシリーズならではのコンパクトさで、慣れ親しんだ広角を楽しんでください。よく写るレンズは写真撮影の喜びを高めてくれます。

( 2021.05.27 )

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Xマウントのレンズラインナップに魅力的な1本が加わりました。大きさもお値段も絶妙なところに収まって、あとはお家のスペースだけ。

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