PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

今回レビューをお届けするのは、ソニーのフルサイズ対応Eマウント用レンズ「FE 40mm F2.5 G」です。なんと重さはたったの173gという身軽さですが、その名に刻まれた文字からもお判りのように“Gレンズ”。小粒だけどピリリと刺激的な写りが期待できそうですね。実は本レンズと同時に、広角の「FE 24mm F2.8 G」と標準の「FE 50mm F2.5 G」が同時リリースされ、しかもフィルター径どころか、外径寸法までもがお揃いだというのですから興味津々。全長45mmというサイズにまとめながら外装にはアルミを使うことで、軽量化とカチッとした高品質感がプラスされています。加えて、フォーカスホールドボタン、AF/MF切り換スイッチ、クリック/デクリックが切り替えできる絞り環まで備えているというのですから、さすがはGレンズ。よくもこんなにコンパクトなサイズに全部乗せしてきたなと。さあ後は、肝心な写りと使い勝手がどうなのか大いに気になるところ。百聞は一見に如かずということで、本レンズで試写してきた作例カットをたっぷりとご覧いただきましょう。

( Photography : TA / Text : KIMURAX )

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

コンパクトでありながら、光学的に歪曲収差や球面収差といった収差は高い次元で抑制されています。電子補正を利用するタイプのレンズではありますが、本レンズはそれに頼りすぎていない印象です。ボケは距離によっては煩く感じることもあるかもしれませんが、おおよそのシーンでスムースで抜けが良く好感が持てます。

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA画面の均一性が高く、中心から周辺までしっかりとした像を結びます。都市光景での光遊びには40mmの画角が絶妙で、またAFもサクサク決まるので終始快適でした。

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA色再現性やトーンの連なりも良く、コンパクトなレンズとは思えないほどの描写力に唸らされます。


SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

どのように切り取っても画がまとまりやすい画角。そして高い機動性がありますから、振り回すのが楽しくなるレンズです。

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

大きなボケを期待するようなレンズではありませんが、抜けとコントラストのバランスが良く、丸みを帯びたボケに好感が持てます。絞り開放での撮影は、被写体のディティールをしっかりと伝えながらも、画が硬くなりすぎないバランス。この辺りは、さすがはGレンズといった趣で、洗練されていると感じました。スナップ撮影はもちろんのこと、いろんな物にレンズを向けたくなります。

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

現代のレンズらしく良く写りますが、絞り開放では輝度差のあるところに色収差が時折見られることがあります。とはいえ僅かなものですし、ソフトで簡単に除去できるレベルのものです。


SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

同じく絞り開放でのカットです。開放からよく写るレンズではありますが、バキバキに解像するというよりは、絞りの変化を楽しめるレンズと思います。少し絞り込むと目を見張るような解像力が見てとれます。40mmですから、パンフォーカスでスナップ撮影することも多いでしょう。実に理にかなったレンズであると感じます。

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

ボディ側の周辺減光補正をOFFにして撮影してみました。絞り開放でこれくらい周辺が落ちますが、個人的にはウェルカムです。ボディ側のレンズ補正を利用すれば、周辺落ちはほとんど気にならなくなりますのでシーンに応じて使い分けてみてください。


SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

左手で絞り環を回しながらの撮影が楽しくもありました。絞り環はデクリックにもなり、A(オート)の設定もあるので、ボディ側で操作するのも良し。コンパクト設計ながら、こういった機能が搭載されているのは有り難いですね。外装にアルミを採用したしっかりとした造りにも好感が持てます。それにしても少し絞り込んだ時のこの解像力たるや。気持ちの良い写りです。

SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

フレームの収まりが良い40mmは、こういったシーンでも真価を発揮します。フレームのちょうど中間あたりにピントを置いていますが、個人的にはこれくらいの距離で使う時が一番美味しいような気がしました。モダンな写りに終始するのかと思いきや、ノスタルジックな写りもこなす。表現力に富み、スナップ撮影には万能のレンズと思われます。これは一本持っていると楽しいですよ。


SONY α7 III, SONY SEL40F25G FE 40mm F2.5 G, Photo by TA

やっぱりGレンズだ。

PHOTO YODOBASHI紛れもなく、隙の見当たらないGレンズの写りではないでしょうか。厳しい条件下においても、色収差が適宜コントロールされており、画が破綻するようなことはありませんでした。標準画角からちょっぴり広い40mmは撮り手の見たままの光景を素直にフレームすることができます。標準画角と言われる50mmレンズでファインダーを覗いた時に、ちょっと窮屈だなと感じた経験がある方ならおわかりいただけるのではないかと。スナップ撮影なら広めの35mmがチョイスされることが多いでしょうが、“素直”に捉えるならぜひ40mmをお手持ちのレンズに加えてみてください。画面内の整理もしやすいですし、何せこの描写力ですからね。前後のボケ味も至って柔らか。硬質な印象の都会的なシーンはもちろん、ノスタルジックな雰囲気プンプンのシーンも、それぞれの空気感までもがきちんと伝わるようなアウトプットが得られるのですから、頼もしいの一言です。身軽にいい写真がものにできるなんて、この上ありませんね。付属のフジツボフードのデザインもマル。本レンズを初めて手にしたときに感じたカチッとしたビルドクオリティは、画の仕上がりの良さを予感させるものでしたが、期待を裏切らないその仕上がりは痛快そのもの。ぜひあなたも、今すぐにでも本レンズを手にしてみてください。そして存分にお楽しみください、心ゆくまで。

( 2021.04.27 )

Loading..
Loading..

標準よりちょっぴり広めの40mmだから、より伸びやかにスナップできる。小さくてよく写る、純正単焦点レンズは必携の一本です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

フードを使わない日は、キャップの着け外しが面倒ですよね。保護フィルターを装着しておけばさらに安心。純正ですし。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..