PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

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じぶん史上最高の写真集
#7 永遠のソール・ライター / Saul Leiter

Text by Z II

私が撮る写真の被写体は人物が多く、風景を撮るにしても、どこか人の気配を感じる写真が好きです。これまでいろんな写真集を見ては少なからず影響を受けてきましたが、今回の企画であるじぶん史上最高の一つを挙げるとするならば、ここ数年に脚光を浴び始めたニューヨークが生んだ伝説のカメラマン、ソール・ライターの写真集「永遠のソール・ライター」です。以前からソール・ライター氏の名前は知っていたものの、なかなか見るチャンスがなく、ようやく見ることができたのが2020年1月に都内で開かれた写真展でした。見た瞬間に衝撃的にカッコいいなぁと感じました。写真はニューヨークの街をフィルムで撮ったもので、斬新な構図の中に物語を感じさせるように人を配置していて、いつもの日常なのにどこかドラマを感じさせるものでした。特に作品に何度も出てくる雪のニューヨークはとても美しく街の音さえも聴こえてくるようで、行ったことがないこともあり猛烈に憧れました。まさに自分もこういうふうに撮りたいと思う理想系ともいえるほどで、当然その場で写真集を購入し、ことあるごとに眺めています。

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写真に添えられている言葉も共感できるものが多く「私の好きな写真は何も写ってないように見えて片隅で謎が起きている写真だ」というフレーズは特に心に染み入りました。ぼんやり何気なく見つつ、おや?と片隅を見入る感じでしょうか。それを狙って撮るわけでもなく、ふと瞬きするように撮ってしまう彼の技術はカメラが彼の身体の一部になって撮ったかのような気さえします。そうでなきゃ撮れないという写真がたくさん載っています。ソール・ライターは2013年に89歳で亡くなられているのですが、亡くなってからその存在が世に知れ渡るという、そういうところもカッコよくて悔しいほどです。街撮りスナップがお好きな方やニューヨークに行ったことがある方もない方もぜひとも見てほしい写真集です。

D780の実写レビュー、トップの写真は写真展を見た後に渋谷で撮ったものです。例に漏れず調子に乗ってソール氏に影響を受けて挑戦したカットですがどうでしょう?

( 2020.06.11 )

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簡単に見えて実は深い写真の数々、とくとご覧あれ。

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こちらはソール・ライターのドキュメンタリー映画となっています。写真に向き合うとはどういうことなのか?知りたい方はどうぞ。

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