FUJIFILM XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

単焦点の印象が強いXシリーズ向けのレンズ群。しかしながら、ズームにも優れたレンズが揃っていることは、Xユーザーならずとも周知の事実ではないでしょうか。今回レビューをお届けするFUJIFILM XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WRは、そんなXシリーズ向けのレンズの中でも幅広い焦点域をカバーする、いわゆる高倍率ズームレンズ。Xシリーズ用としては初の防塵防滴構造を採用し、5段の手ブレ補正機構を搭載するなど、高倍率ズームだからといって手を抜かない、FUJIFILMの気持ちが詰まった一本と言えるでしょう。また、X-T1などと組み合わせることで高速AFが体感でき、ストレスなく撮影に集中できる仕上がりになっています。その描写性能は、と語りたいところではありますが、XFシリーズにラインナップされるレンズです。多くを語らずとも作例をご覧いただければ納得していただけるものと信じてやみません。どうぞゆっくり吟味なさってください。

( Photography & Text : T.Nakanishi )

どこか遠くへドライブに出かける時にどれか一本つけていくとすれば、こんなレンズが良いのではないでしょうか。35mm判換算で27mm~206mm相当の画角をカバーしてくれるので、大抵のシーンはこなしてくれるはずです。いいな、と思った瞬間にスッとズームしてレリーズできるって、ほんとうに快適です。

とある酒蔵にある、古びたレンガ造りの建物。長年風雪に耐えてきたことが伺えるその質感を、余すところなく写し取ってくれています。色を強調しすぎない、ナチュラルな色表現も魅力的です。

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手ブレ補正5段分の威力は室内で発揮されます。店舗の照明のみという、かなり厳しめのシチュエーションでしたが、バッチリ止まっています。

テーブルに運ばれてきたカレーライス。今すぐにでも食べたい気持ちをぐっとこらえてワンショット。立ち上がる湯気を見ていると、香辛料の香りが漂ってきそうだと思いませんか？

40mmほどの焦点距離で1/25秒というシャッタースピードを選択しています。「焦点距離分の一」という鉄則から考えると手ブレを誘発しかねないシャッタースピードなわけですが、ミルはブラさずに操作する手をブラす、という表現のための選択です。これも5段手ブレ補正の恩恵といえるでしょう。

先ほど挽いたコーヒー豆をドリップでいただきます。珈琲好きにはたまらないのがこの豆の膨らむ瞬間なのですが、実はこの時って香りも一番立つのです。その香りが伝わりそうなほど、リアルな画ですね。

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氷点下25度。撮影者の動きの方がぎこちなくなるような寒さの中でしたが、レンズの動きそのものは極めてスムーズ。厳冬の凛とした空気感もしっかりと写し込んでくれました。

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休みの日にフラッとどこかへ出かけるのっていいものですよね。そんなショートトリップのお供には、やはりズームレンズが便利です。作例でご覧いただいたように、おおよそのシーンはこれ一本でこなせてしまう上にその画質は極めて高画質。「高画質」なんて書いてしまうと薄っぺらいレビューになってしまいそうで心配なのですが、文句無しに良い画なのです。昨今の高倍率ズームレンズの高画質化はみなさんご存知のことと思いますが、本レンズの画質は一歩抜きん出ているような印象です。システムが充実してきたXシリーズのお供にこの一本。きっと新しい世界に出会えますよ。

( 2016.02.24 )