PHOTO YODOBASHI

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FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムのXマウントにいよいよSIGMAレンズが登場しました。本レンズは、高い光学性能とコンパクトネスを両立させるContemporaryラインのコンセプトそのままに、F1.4の明るさを持つ56mm。Xマウントではフルサイズ換算84mm相当となり、中望遠域らしい使い心地とボケが期待できる一本です。カメラ内補正を前提にされており、APS-C用F1.4の中望遠レンズとしてはクラス最小サイズを実現。Xマウントシステムの魅力を損なうことのないサイズにリーズナブルなプライスも相まって、Xマウントユーザーには嬉しい選択肢になるでしょう。さまざまなマウントで好評を博しているその実力を確かめるべく、今回はX-T4との組み合わせで街を撮り歩いてまいります。

( Photography & Text : Serow )

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

何はともあれボケが見たい!と絞りを開き、近めにピントを置いてのワンカット。ピント面のシャープな描写が背景のボケによって際立ち、思わずうれしくなります。APS-CサイズのXマウントでもこの焦点距離、この明るさであれば、積極的にボケを表現として狙えるわけです。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

被写体に寄るほどにピント面は薄くなり、ボケを利用して被写体へ視線を誘導できます。最短撮影距離は50cmなので、もう少し近づいてマクロ的に切り取ることもできますが、ボケ量が多くても伝わらなくなってしまうのが写真の面白いところ。レンズを手にしたら実際に近寄って確かめてみてください。前後ともにボケはナチュラルで好印象です。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

視点を遠くに持っていくなら絞ってスッキリと。目に痛いほどのシャープな描写が、実にシグマらしくて気持ちいいですね。フジの色の良さもあるでしょう、さわやかな空を背景にみずみずしく新緑を描いてくれました。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

開放からよく写るレンズですが、少し絞ると使いやすく、描写もまとめやすくなると感じます。花びらの質感、立体感がすばらしいですよね。中望遠の画角で、被写体をどのように切り抜くかが問われます。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow


FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

マウント部にはゴムシーリングがあり、簡易的ながら防塵防滴構造となっているのも頼もしいポイント。雨の日でも夜のスナップでも、積極的に使いたいレンズです。何気ないワンカットなのですが、ビニール傘の材質の違いまでよくわかります。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

ピントピークの緻密な描写。半世紀を経たレンガの表面、温度や手触りまでもが感じられるようです。しっとりと濡れることで被写体にも潤いが生まれますから、雨というのは写真日和と言えなくもありませんね。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow


FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

色収差もよく補正されており、濁りのないクリアな写りが気持ちいい。何を写しても優秀です。こうしたレンズで都市光景をクールに切り取っていくというのは楽しいでしょう。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow

少し離れた距離、被写体を浮き立たせるような描写は大口径レンズならではです。街にもようやく人が戻ってきました。

FUJIFILM X-T4, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary, Photo by Serow


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写真表現の幅を広げてくれる中望遠レンズ

大口径単焦点レンズらしい写りを味わえる楽しい1本。標準ズームレンズから写真生活をスタートした方にとって、とりわけ「もう少しボケが欲しい」というような欲求をお持ちの方にとって、実に魅力的な選択肢です。F1.4という明るさはもちろんですが重要なのはこの焦点距離。少し長めゆえに被写界深度は浅くなり、絞りによる表現の変化も顕著になります。このレンズを使っているだけで、被写体との距離や絞りによって描写がどのように変化するのか、自然と身に付いていくことでしょう。いつも広角域をお使いであれば中望遠レンズは少しファインダーの中が窮屈に思えるかもしれませんが、これこそが写真撮影の次のステップ。目の前の光景からどのように被写体を切り抜くのか、1カットごとに画面構成の選択を迫られるような緊張感と面白みを感じてください。

すでにXシステムをお楽しみの方には、純正レンズとは少し異なるサードパーティレンズの味わい、とりわけシグマらしいキレ味を手にしてみるという意味で気になる存在になるでしょう。コンパクトな中望遠レンズというだけでも価値がありますよね。ビギナーにとってもベテランにとっても躊躇する理由が見つけにくい、Xマウントユーザーに嬉しいレンズの登場です。

( 2022.05.19 )

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このサイズ、このクオリティ。そしてこの価格。すごく・・・ちょうどいいのです。みなさんそう思っていますから、決断はお早めが吉です。

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プロテクターも併せてどうぞ。安全対策をしたら、どんどんフィールドに連れ出しましょう。

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