PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF35mmF2 R WR

FUJIFILM X-E3 / SHOOTING REPORT

はい、富士フイルムのX-E3です。今年の9月に発売され、現在でも大変な人気を博しているカメラですから、もうみなさんもよくご存知だと思います。今さらここで多くを語るよりも、早いところ作例をご覧になっていただくべきでしょう。

今回のレビューのポイントは二つ。一つは、小型軽量で操作簡単、そして写りが良い「旅カメラ」としてのX-E3。PYの英訳担当、海外暮らしも長いTAKは京都在住。国内旅行の総元締めみたいなところですが、今回は外国人的な、シニカルな視点で京都を切り取りました。そしてもう一つ。X-E3の特徴的な機能の一つが豊富なフィルターやフィルムシミュレーションですが、ここって、話題には上るものの、しっかりと掘り下げて語られることが案外少ない気がしていました。なので、後半はこの機能にだけ焦点を当てたレビューになっています。実際にフィルムでバンバン撮っていた「元祖フィルム女子」Rica入魂の一作。


FUJIFILM X-E3, FUJINON XF35mmF2 R WR

Englishman in Kyoto (設定)少し醒めた外国人トラベラーの目線で

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF90mmF2 R LM WR

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF35mmF2 R WR

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF35mmF2 R WR

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18mmF2 R

最高の旅カメラ

2017年秋、京都。初めてのアジアだ。色んなことがあり人生をリセットしてみたいと旅に出た。フジのカメラを持っていたからというだけで、国は日本にした。京都を選んだのは、エキゾチックさを最も強く感じられそうな気がしたからだ。

現地は絶好の旅日和。X-E3を片手に観光地を歩いてみたのだが、どこに行っても人の山。「伝統的日本文化」を味わう環境には程遠い。神社や寺、重要人物の記念碑の類は、時を超えた歴史の使者だ。「彼」とは一対一で語り合いたいのだが、同じ方向に歩き、同じ土産を求め、同じ建物の前でカメラを構える群衆の中ではそれも叶わないらしい。

とはいえ、そういう旅の仕方を否定する気は無い。旅行者一人一人にも人生がある。山あり、谷あり、それぞれに色々あった人々の姿が、今目の前にある。皆楽しそうで真剣でもあり滑稽でもあるが、そんな彼らをファインダー越しに観察しているうちに愛おしく思えてきた。同じ観光客なのに「Enjoy Japan!」と小さく呟いた時、心の靄がひとつ消えた気がした。

数あるカメラの中で、X-E3ほど撮り手にカメラの存在を意識させないものも珍しい。写真を決定づける要素を直感的に操れる考え抜かれた操作性。人間に向かって「こうしろ」と言うのではなく、人間の「こうしたい」を黙って受け止め、心に響く描写力でもって反映させてくれる。最高の旅カメラとは、こういうカメラのことを言うのだろう。

*日本に一人旅でやってきた外国人になりきって撮影、執筆しました。(TAK)


FUJIFILM X-E3, FUJINON XF50mmF2 R WR

どのフィルムシミュレーションに設定したかひと目で分かる。それが「Velvia」です。鮮やかな発色は、このフィルムならではのもので、筆者自身もISO 50を好んでよく使っていました。クリアでビビッドな色は気持ちもハッピーにさせてくれるような気がします。普段よく目にしている鉄塔がメンテナンスのためか、グリーンのカバーを纏っていたんです。秋晴れという言葉がぴったりの真っ青な空とグリーンのカバー、そして倉庫のグレーやマンションの淡いピンクなど、さまざまな色を切り取りました。

イロトリドリ。

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

アドバンストフィルター「ハイキー」で撮影しました。ご近所さんが大切に育てているサボテンは、いつも前を通る筆者を元気にしてくれる存在です。そのかわいらしい感じを「ハイキー」で撮ってみたいと思い、歩いてサボテンに会いに行きました。全体を明るくした上でコントラストが抑え気味になっているので、カラーネガで撮ったような雰囲気になりました。

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

長い歴史を持つ建造物を「CLASSIC CHROME」で。このCLASSIC CHROMEが殊の外気に入った筆者は、かなりのカットをこのCLASSIC CHROMEで撮影しました。モノクロには苦手意識があるのですが、モノクロに似合うなと感じるシーンをCLASSIC CHROMEで撮影すると、シリアスで渋い色味が写真をワンランクアップさせてくれたような気になります。

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

もちろん「Velvia」で撮りました。色とりどりのイルミネーション、川面に反射する光をより印象的にしてくれます。出かけた先で偶然見たこの景色をVelviaで撮りたくて、車を停めてから引き返して撮影しました。ピンと張り詰めた冷たい空気も一緒に写してくれたような気がします。

FUJIFILM X-E3, FUJINON XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

ACROSで撮影したカット。フィルムで撮影していたころは、本当にこんな写真ばかり撮っていましたね…。電車移動中、つり革にレンズを通しシャッターを切っただけ。トンネル効果のように見えるのはレンズを通しているつり革です。ここでも、持ち手の質感、そしてシャドーからハイライトへのなだらかなグラデーションがハっとするほどきれいで、もっと真面目に撮ればよかったと反省させられます。


雰囲気イケメン?!

カメラを手にして四半世紀以上。そのうち、フィルムで撮影してきた時間の方がまだ長いはずなのに、すっかりデジタルに慣れつつある今日このごろ。皆さまいかがお過ごしでしょうか。いまでこそ、カメラといえばデジタルカメラのことを指すのが当たり前になりましたが、皆さまもご存知の通り、このデジタルカメラがメインストリームとなる以前、写真を撮るためには「フィルム」が必要でした。フィルムごとに感度も違いますし、ホワイトバランスも変更できません。色味や粒状性にも違いがあり、撮り手は必要に応じてフィルムを選び、撮影していたわけです。つまりフィルムカメラでは、選択したフィルムによって8割がた写りが決まってしまいます。

さて、フジフイルムは言わずと知れたフィルムメーカー。そのフィルムメーカーから登場したデジタルカメラには、X-Pro1から「フィルムシミュレーション」という機能が搭載されてきました。フィルムシミュレーションには実在のフィルムの名称がそのまま採用されており、「PROVIA」や「ASTIA」、「Velvia」をはじめ、現在ではモノクロに「ACROS」が追加されています。各フィルムの色味や特徴をデジタルカメラで再現できるのが、このフィルムシミュレーションです。(余談ですが、私が愛用していたFUJICOLOR PRO400のフィルムシミュレーションをぜひお願いしたいところです…)

また、フィルター効果を加えた個性的な画作りを楽しめる「アドバンストフィルター」機能でも遊んでみました。背面の液晶モニターでフィルターの効果を確認しつつ撮影ができるのがデジタルの素晴らしいところ。今回手にしたのは、2017年9月に発売となった最新モデルのX-E3。フィルムシミュレーションを中心に、アドバンストフィルターも使って、さまざまな色と戯れてみました。実はX-E1を使っていた筆者としましては、個人的に三代目となるX-Eシリーズの最新モデルがどのくらいブラッシュアップされているのかも気になるところです。

撮影をしながら感じたのは、フィルムシミュレーションはもちろん、アドバンストフィルターもどちらかというと“遊び”感覚でカジュアルに使いたいものだなということ。ただ、何気なく撮った写真がなんとなく“いい感じ”になるのは事実です。なんと言いますか、人の第一印象って8割くらいヘアスタイルだと思いませんか? そんな感じです。パっと見たときに第一印象が比較的よくなる。雰囲気イケメンとでも申しましょうか…。いえ、ネガティブな意味で言っているわけではないのですよ。これらのフィルターを使用することによって、ほんの少し自分の感情のようなものも写真に加えられます。あとはさじ加減でしょうか。あまりやりすぎるとスパイシーになりすぎて、毎日は食べられない…といった様相になってしまいますから。

能書きはこのあたりにして、各作例とともにフィルムシミュレーションやアドバンストフィルターの効果や面白さをご覧ください。今回は、フィルムシミュレーション、アドバンストフィルターを使用していることもあり、すべての画像について現像もせず、トリミングや傾きの修正すらしていない完全な“撮って出し”の画像です。そして、ごくごく稀にある“会心作”ではなく、筆者自身が日常的にフィルムで撮影を楽しんでいた初心に帰り、気負わず気軽に撮ったものをセレクトしてみました。(Rica)


  • PHOTO YODOBASHI人と建物の群れを標準域でギュッと凝縮しました。本当にものすごい人で、歩くだけでも多くのカロリーを消費します。(TAK)
  • PHOTO YODOBASHI右端の男の子は修学旅行生でしょうか。京都は修学旅行のメッカですからねえ…なんてワザとらしく書いてみましたが、そんなこたぁもうどうでもいいんですよ。見た瞬間からこの三人娘に目が釘付けですわ。サングラス、アジアでは流行っているのでしょうか。カップルも含め、グループ全員でかけていることが多いのです。スタイルのトレンドもお国によって違うようで、街中の光景とのミスマッチが、京都に新しい風を吹き込んでくれています。AFフレームをワイドにしてのノーファインダー撮影ですが、AFの速度、食らいつきは抜群!ミラーレスのアドバンテージは測距エリアの広さ。「ミラーレスなのに」ではなく「ミラーレスだから」キマるのです。(TAK)
  • PHOTO YODOBASHI「ACROS」に「グレインエフェクト・強」をかけ、フィルムのような粒状感を加えました。この粒状感がフィルムのような雰囲気をさらにリアルにしてくれるような気がします。デジタルとは違い、このザラっとした感じが作り出す立体感や奥行きは、いまや懐かしさを覚えるものです。ヌケが悪いがゆえの立体感、デジタルならではのクリアな感じから逆行していますが、こういったフィルムならではの雰囲気をデジタルでも楽しめるという趣味性の高さはフジフイルムならでは。(Rica)
  • PHOTO YODOBASHIピンボケの写真、フィルムで撮影していたころには量産していましたよね…。最近はAFも素速く正確ですから、ピンボケ写真を撮る方が難しいのですが、これはうまくいきました。いや、失敗したのか…。車のブレーキランプや街の灯り、そして強いオレンジ色の夕焼けの空。ピントが合っていなくても、「Velvia」の鮮やかな色彩がその場の雰囲気をしっかりと写してくれている気がします。(Rica)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

あら、ご趣味がよろしいですわね。

写りに関してはご覧いただいた通りです。しかしこのカメラ、かっこいい。気品があり、ノスタルジーをくすぐるデザインと、それを台無しにしない仕上げは、もはやフジのお家芸。所有欲をきっちり満たし、持ってるだけで嬉しくなるカメラです。スマホのカメラだってもちろん結構ですよ。あれは本当に性能が良くなりましたからね。でも「電話についてる機能の一つ」ではなく、「あくまでも写真を撮るための道具」を持つこと。それって、逆にとてもスマートなことだと思うのです。「履けりゃなんでもいい」と靴に無頓着な人や、「ものが入ればそれでいい」で鞄を選ぶ人には、この意味は伝わりづらいかも知れません。奇をてらわず、シックではあるけれど趣味が良く、質の高いものを、ちゃんと手入れしながら身につける。そういう「オトナ」の肩から下がっているのが似合うカメラ。X-E3はそういうカメラだと思います。

( 2017.11.28 )

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より精悍なイメージのブラックもいいけど...

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クラシカルなイメージを醸し出したいならシルバーだよなあ…

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18-55mmとのセットかあ、うーん、悩む。

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すごく悩む。

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うわ、23mm F2とのセットも出るのか。ああ、決められない。

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ポチ。

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