Canon RF14-35mm F4 L IS USM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

EOS RFレンズの「小三元」、F4固定の広角ズームレンズです。といっても「RF10-20mm F4 L IS STM」という超広角に特化したF4固定ではなく、14mmの超広角から一般的な35mmまでをカバーする広角ズームをご紹介します。このカテゴリーの主旨はF値を抑えたことによる携帯性と描写力の両立です。先代に当たるものは一眼レフ用のEFレンズでしたが、そこから2mmもの広角化を果たしたことで、より広範囲を捉え強烈なパースペクティブを存分に活用できる一本に仕上がっています。またLレンズということで、描写性能も信頼性も最高レベル。「大三元」の「RF15-35mm F2.8 L IS USM」と比較すると、ワイド端が1mm広く、重量は540gと300gも軽く、最短撮影距離も20cmと8cm短くなっております。更に細かいところを申し上げれば、手ブレ補正効果も5.5段と、0.5段分高くなっております。ご存知の通り、超広角の1mmの違いは大きいものです。しかも取り回しも良いので、ズーム、単焦点を問わず初めての超広角としても魅力的なチョイスですよね。ちなみにこちらのカットは14mm端で、シャッター速度は0.5秒です。広角はそもそもブレが目立ちにくいのですが、これほどの低速でピタッと止まったのは強力な手ブレ補正のおかげと言わざるを得ません。

( Photography & Text : TAK )

こちらも14mm端です。ワイドであることはもちろんですが、煽ったり見下ろしたりすることでパースペクティブが大きく強調されるのが超広角レンズの面白さのひとつです。左右が完全に対象に見えないのは2つの鉄橋が製造年代も高さも違うからで、水平は取って撮影しています。注目すべきは歪みの無さ。直線が直線のまま写ってくれるので、建築や構造物にも好適です。構図にもよりますが、現場は意外に引きが取れなかったので14mmの広さに救われました。

グッと寄ると距離感の違いにより車体の特徴が強調されます。「デフォルメ」も毎度やると飽きるものの、特徴を引き立たせたい時に使いたくなる効果のひとつです。ツヤの表現も絶妙ですね。

こちらも14mmです。正対して構えるとデフォルメ感が弱まり、広いながらもより自然な構図になります。F4でも寄れば背景は大きくボケてくれますし、立体感もあります。ちょっと意地悪な逆光の入れ方をしたにもかかわらず、流石はLレンズですね。危うさなど微塵も感じさせない、安定した描写です。割とサッと構えて取りましたが、AFも何の問題もなく狙ったところに決まりました。

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最短付近、20mmでの撮影です。ボケも硬さがなくふわっとしていますね。この距離でもフォーカシングは一瞬で終了。使っていて何の不安も引っかかりも感じることがなく、確実に仕事をこなしてくれるレンズですね。こういうものを、「プロの道具」と言うのでしょう。

テレ端35mmまでズームインすると、レンズ自体の存在を感じさせない、自然な視界が得られます。スナップやルポルタージュなどに使い出がある画角ですね。

そこにいたと言うか、置いてあるかのようにおりこうさんに佇んでいまして、かなり寄らせていただきました。感謝申し上げます。30mmです。

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眼前の世界を非日常的にも日常的にも料理できる。ズーム比からは想像もつかないほどの対応力です。

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万全を期した、ワイドな仕事人。

ご覧の通り全長は22.5mmあたりで最短になるようですが、いっぱいに伸ばしてもコンパクトであることに変わりはありません。バッグの少し空いたスペースにポンと忍ばせることができる、まさに頼れる小刀的存在。開放F4で得られるメリットを最大限に活かしたことで、カテゴリーに求められる要件を満たすどころか完全に超越した、積極的に選びたくなる一本と言えるでしょう。こういう頼れる存在が明日につながる手応えを確約してくれるのです。建築物や風景はもちろん、ノールックでストリートに切り込んでいくのも面白そうですね。ダイナミックな14mmからナチュラルな35mmまで色んな広さを表現したい方も、既に大三元をお使いの方も。よろしくご検討ください。

( 2024.04.19 )