PHOTO YODOBASHI

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Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

Canon RF16mm F2.8 STM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キヤノンからEOS Rシステムでは初となる超広角単焦点レンズ「RF16mm F2.8 STM」のレビューをお届けします。本レンズの特長は、F2.8の大口径超広角レンズでありながら驚くほど小型・軽量に仕上がっているところです。そのサイズは全長40.2mm(収納時)、重量は約165gと、同社から既に発売され高いコストパフォーマンスにより”撒き餌レンズ”ともいわれる「RF50mm F1.8 STM」と全く同じサイズ。さらに最短撮影距離は0.13mとレンズのすぐ先まで被写体に迫ることができますから、迫力のある表現や大きなボケ味が楽しめます。レンズ構成は7群9枚、撮像面の近くに非球面レンズを配置することで画面全域で歪みを抑えた高い画質を維持しているとのこと。今回の作例撮影では、EOS R5と組み合わせてみましたが、軽やかなシステムで気持ちも足取りも軽く相性も抜群。春めいた景色を少しだけ先取りしてきましたので、どうぞご覧ください。

( Photography & Text : Z II )

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

レンズの先端から約20cmほど先の花弁にピントを合わせました。見事な色のりと高いコントラストで、描写にキレを感じます。かなり寄ってみましたが、超広角といえども被写界深度は浅くなりますね。また、超広角レンズですので周辺は多少引っ張られたような描写に見えますが、これも見せたいところが際立って個人的にはよいと感じました。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

アングルの変化を楽しむ。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z IIまさに「超広角レンズの出番」と言わんばかりのシチュエーション。三段構えの下段から上段の大根の葉までピントを合わせるため、ほぼパンフォーカスとなるF8まで絞っています。大根の表面の凹凸や、乾きかけた葉の様子まで緻密な描写です。

超広角レンズの面白さは、アングルが変わるとガラリと世界が変わるのもそのひとつ。上の写真では近接から見上げることで、ダイナミックで迫力ある光景を演出しましたが、サムネイルの写真のように水平垂直を出すと、超広角ということを忘れてしまうような自然な雰囲気にも写すことができます。撮り方ひとつでこんなにも見え方が変わるのは、超広角レンズだからこそ。ここを積極的に活かせると、俄然撮影が楽しくなるのです。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

逆光でハイキーという厳しい撮影条件でしたが、ゴーストやフレアはほとんど感じません。空のトーンの再現も良好で、見たままの春の眩い雰囲気を再現できています。前ボケとなった花は最短撮影距離付近にあり、そこにピントを置いたカットも撮りましたが、前ボケが思いのほかきれいだったため、こちらを採用。元々被写界深度の深い焦点距離ではありますが、ピントの合った部分と外れた部分がとてもわかりやすく、撮影意図を反映させやすく感じました。

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Vlog撮影にも活きる超広角。

本レンズは、Vlogのような自撮り動画の撮影にも最適です。16mmの対角画角(センサー面を起点として画面の四隅の対角を結んだ写せる範囲の角度)は108度10分と、カメラと被写体との距離が近くてもかなり広く写し撮れるので、自撮りを行った際に画面内で人物が占めるバランスがよいのです。また、AF駆動は従来の全群繰り出し式ではなく、内部のフォーカスユニットだけを動かすインナーフォーカス式を採用。これにより、随時AFを駆動させる動画撮影においても、AF駆動による画角の変化(ブリージング現象)を効果的に抑えられます。


Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

すぐ目の前にそびえる崖も、16mmの画角があれば被写体として飲み込んでしまえます。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II


Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

16mmで切り取る世界は大きくデフォルメされ、目で見た印象と大きく異なります。使い込んでいないと、ファインダーを覗くまで、どういう風に写るのかが想像し難くもありますが、予想を超えた光景に撮れてしまうのも本レンズの楽しみのひとつ。ちょっと思いを巡らせてみると、試してみたい場所が浮かんできませんか?

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

本レンズは、カメラ側による歪曲補正を前提に設計されています。超広角ながら補正後の撮影画像はしっかりと歪曲が補正され、直線が歪むことなく直線に描かれています。壁の木材に塗られたニスが反射する様や金属の質感再現も申し分ありませんね。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

超広角で人物をスナップする際に被写体までの距離があると、ご覧の通り豆粒のように小さく写ります。3m程の距離でしたが、思った以上に小さく写る感じがしました。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II

水平と中心部の垂直に気をつけて撮影してみたところ、気持ちよい直線を描いてくれました。このようなカットでは水平が少しズレただけでも大きく傾いて写ってしまうため、撮影時には少々気を使います。垂直方向も本来なら少し下に傾けて撮りたいところでしたが、建物と空との境界を画面に入れたくて、パースが強くついてしまわないレベルでカメラを少しだけ上に向けています。このあたりも超広角レンズの難しさであり、面白さでもないでしょうか。

Canon EOS R5, RF16mm F2.8 STM, Photo by Z II


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軽快に片手で撮れる超広角

広角レンズが難しいといわれるのは、水平垂直がきっちり出ていないと大きくパースがついてしまうことや、意図せずに画面に余計なものが入り込んでしまうところなどが考えられます。確かに広角レンズでの撮影で緻密にフレーミングを追い込むのは神経を使うものですが、一方で、本レンズは広角の中でも超広角な上に、小型軽量ということもあり、気負わずに撮れるという楽しさがありました。鞄からサッと片手で取り出し、冒頭の羊のカットのようにレンズ先端が触れるほど寄ってみたり、意図して傾けたダイナミックに感じる構図も面白いと感じました。要は楽しむことが何よりなのです。ほんの少し前までは、大口径広角レンズといえば、巨大な前玉がずっしりと重く、脇を締めて両手で構えて…と、おそらく気負って撮っていたものです。時代が変わり、ミラーレスシステムの自由度を活かしたショートフランジバックの恩恵により、写りのよさを犠牲にしなくとも、ここまで小さく軽いレンズが作れるのですね。これほどの描写性能と小型・軽量を実現しながら、リーズナブルな価格設定は本当に嬉しい限りです。 本レンズはまさに “撒き餌レンズ”の超広角版といってもいいでしょう。ただし、超広角という特殊な性質上、メインで活躍するというよりは飛び道具的な使い方が有効のように思います。例えば、旅行に標準域のレンズを持っていくとするならば、本レンズを一本加えることで表現の幅は大きく広がってきます。標準ズームのワイド端と比べても写せる世界は明らかに異なり、撮影の幅を広げてくれるアクセントとして大活躍してくれることでしょう。その上リーズナブルですから持っていて損はないはず。「超広角レンズは初めて」という方にもおすすめしたい本レンズ、手にしてみると想像以上に満足感が得られると思いますよ。

( 2022.02.28 )

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スッペックや写りを見ても、間違いなくコスパのいいレンズですので、お早めに。もしも入荷待ちになっていても、とりあえず注文して再入荷を待ちましょう。

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レンズフードは別売りになっています。レンズの保護にもなりますので、是非とも一緒に購入をお勧めします。

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新開発のデジタルマルチコートIIIにより超低反射を実現。レンズの性能を最大限に発揮できます。

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EOS Rからサイズはほんの少し大きくなりましたが、十分コンパクトサイズ。しかし描写は格段に向上しています。ボディ内手ブレ補正も頼もしい。

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