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Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

Meike 50mm F1.2 vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
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キヤノンRFマウント用「Meike 50mm F1.2 」のレビューをお届けします。Meikeは香港にあるレンズブランドです。これまでMeikeのRFマウントのレンズは4本。そのうち2本はシネマレンズですのでスチル用のレンズは2本目となります。近頃、中国をはじめとする海外のレンズメーカーのクオリティには目を見張るものがあり、Meikeにも期待が高まります。今回の「Meike 50mm F1.2」は、フルサイズ用のマニュアルフォーカスレンズで、F1.2の大口径でありながら、大変リーズナブルな一本。重量は620g、長さは10cmほどとスペックから考えればかなり軽量コンパクトと言えます。F1.2はただ明るいだけでなく、F1.4のぼけとは明らかに違いますから、どんなぼけを見せてくれるのか気になるところです。F1.2の大口径といえば、純正レンズならばおいそれとは手が届かぬ高嶺の花ですが、この価格でいったいどれほどの写りを見せてくれるのでしょうか。それでは早速作例を見てみましょう。

( Photography & Text : Z II )

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

ピント面のシャープさを確認しようと階段の手すりを狙っていると、ダンディな紳士が颯爽とフレームイン。少し暗めな光の条件ですが、動く被写体に対してもF1.2の明るさがあればシャッタースピードには余裕があります。それにしても柔らかな上着や硬い手すりの質感がよく出ていますね。

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

最短60cmまで寄った写りです。画面隅の散った花びらに口径食が見られますが嫌な印象はありません。このようなフラットな光線条件でも雰囲気のある描写が得られるのは、やはりF1.2の大口径単焦点によるところでしょう。

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

絞って撮ると全域に渡ってシャープさが増す印象です。F8あたりまで絞り込むと周辺光量落ちも解消されます。

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

辺りが暗くなった頃こそF1.2の本領を発揮と言ってよいでしょう。暗く落ちた周囲をさらに周辺光量落ちの効果で被写体のみを浮き立たせてくれます。モノクロプリントの覆い焼きのような効果ですね。


Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

前後のボケを利用したF1.2特有の浮き立つような描写。前ぼけは少々ザワザワした印象ですが、中央付近のキレのよさが際立って、個人的にはそれほど気になりません。

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

本来なら太陽の芯を葉に隠すなどしてハレーションを抑えるべきですが、あえて強烈に画面に入れて見ました。多少の色収差が見られるものの、逆光に対してこれほどの耐性があるのは、フレアやゴーストを抑制する効果のあるナノテクノロジーマルチコーティングによるものと思われます。

  • Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II【JPEGデータ】本レンズは電子接点がなく、ボディ側の各種補正に対応していないので樽状に歪みます。
  • Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II【歪曲修正後】複雑な歪みではないので、画像処理ソフトで簡単に修正できます。

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II

日中でも絵になるシーンはすぐそばにあります。3歳ごろでしょうか、自分でなんでもやりたがる年頃のお子さんに手を焼くお父さんが微笑ましいシーンです。被写体から少し離れていてもピントの山は見やすくMFにあまり馴染みがない方でも、本レンズならすぐに慣れると思います。

Canon EOS R5, Meike 50mm F1.2, Photo by Z II


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楽しいことが一番、代打の切り札になる一本。

結果からいいますと、F1.2特有のぼけやピント面のキレ、逆光耐性の良さやコッテリした色のりなど想像以上の描写を体感できました。その一方で、開放時には歪曲や周辺減光も見受けられますが、対応可能であることはお伝えした通りです。本レンズを野球選手に例えて言わせていただくと、代打の切り札。それも大事な時にセフティーバントを決めてくれるような、面白いことをやってくれる助っ人といったところでしょうか。明るい大口径ながら軽量コンパクトで機動性にも優れ、ピントリングは滑らかでピントの山も見やすいので使い勝手は良好。ただ、絞りリングにクリックが無いので、スチル撮影時に不意に絞りを動かしてしまう時があるので都度確認すると良いでしょう。50mmは人の見え方に近い画角で扱いやすく、同じマウントに何本も選択肢があります。その分それぞれの個性が立ち「50mmマニア」と呼ばれる蒐集家もいるほど味わい深い焦点距離です。つまり50mmは何本持っていても、全くおかしなことではないのです。いろいろ使ってみてこそ、その違いや味わいに気づけるというものでしょうから。50mmをすでに何本かお持ちの方はもちろん、キットレンズしか使ってこなかった方にも、本レンズは新たな「表現の引き出し」を増やしてくれることでしょう。

( 2022.06.28 )

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お手持ちのキットズームの50mmとは明らかに違う写りを実感してください。

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レンズの個性を引き出すにはボディも大事です。

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