Canon RF24-105mm F4 L IS USM

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

キヤノンRFマウント用のフルサイズ対応標準ズームレンズ「Canon RF24-105mm F4 L IS USM」を紹介します。高い描写力、堅牢性、優れた操作性を持つLシリーズにラインアップされる本レンズは、3枚の非球面レンズとUDレンズを組み込んだ14群18枚という贅沢なレンズ構成。高速AFや動画撮影時の滑らかなAFを可能にするナノUSM、5段分の光学式手ブレ補正機能など、最新技術を詰め込こんで高画質と扱いやすさを追求しています。一般的な標準ズームと比べテレ端を105mmと長めにカバーした4倍ズームですが、開放値をF4と抑え、小型・軽量（全長107.3mm 、質量700g）にまとめています。105mmは望遠レンズらしい圧縮効果がしっかりと感じられ、ポートレートなどで使い勝手の良い焦点距離。超広角から望遠まで、その写りと使い心地を試してきました。

( Photography & Text : A.Inden )

まずテレ端開放F4の描写をご覧いただきましょう。ピントピークはシャープでキレのいい描写。背景は被写体の雰囲気を残しながら柔らかく滑らかにボケています。色再現も鮮やかで気持ちのいい写りです。

次にワイド端開放です。会場に集まった人々、周りの木々が緻密に描かれ、画面周辺まで驚くほど解像感の高い描写です。露出を少しアンダーにすることでコッテリした色のりが得られました。

神輿を中心に構え、周りの屋台などを入れないようにフレーミング。焦点距離は40mmでした。人混みでスムーズに移動できない場所でしたが、ズーム域の広いレンズですから、立ち位置を変えることなく意図通りに撮影することができます。

交差点で神輿を左右に傾ける「暴れ神輿」。被写体の動きが速く動作が予想できない条件ながら、素早いAFのおかげで、ここぞと思う瞬間を捉えることができました。

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テレ端でほぼ最短撮影距離で撮影。背景の雰囲気を残した自然なボケ味に好印象を持ちました。最短撮影距離が全ズーム域で0.45mと統一されているので、寄れるまで寄ってからズーミングで撮影倍率を変えていくことができます。

ナチュラルな色再現で全ての色が忠実に描かれています。

透過した光で穂が美しく輝いています。逆光での撮影はフレアでトーンが柔らかくなることが多いと感じますが、ASCコーティングによりうまく抑制されているようです。

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単色の世界を表情豊かに描けるのは、豊かな階調があればこそ。開放撮影ですが、周辺まで曖昧な描写もなく精密に描き切っています。

遠景も開放からシャープな描写。少し絞ることで画面全体の解像感は更に上がったように感じます。

シャッタースピード1/8で撮影。手ブレ補正機構がしっかり効いているようで、ブレることなく周辺までクリアな描写が得られました。三脚が立てられない場所ではありがたい機能です。

開放での撮影。周辺まで収差がよく補正された気持ちのいい描写です。少し周辺に口径食が見られますが、使っていて気になるほどではないと思います。

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超広角から望遠までカバーし、クローズアップもこなす1本

かつて、テレ端側を少し伸ばした標準ズーム 24-105mm F4 がキヤノンEFマウントにラインアップされたのは2005年。テレ端を105mmまで伸ばしたことで望遠レンズの圧縮効果が得られるようになり、写真表現の幅が広がりました。また、全長107mm、質量670gとそのコンパクトさにも惹かれたことを思い出します。そして今回RFマウントで新たに生まれた本レンズも、大きさは初代とほぼ同じ。EFのII型では少し大きくなったのですが、なんとかこのサイズに収めてくれました。使ってみるとボディとの一体感もよく、手にぴたりと収まる感覚で使い心地は良好。ミラーレス専用設計になったことで描写も更に洗練されており、華やかな色再現はもとより、全てのズーム域で周辺まで高い解像感が得られます。もっとも描写力の向上を感じるのはボケ味で、背景の雰囲気を残しながら柔らかく滑らか、気持ちいい雰囲気を醸し出してくれました。倍率が高く便利なズームレンズが描写も良くなってくると、本当に「この1本で十分かも」という想いが膨らんできます。あらゆるシーンをレンズ1本で賄う、そんな理想を形にしてくれるレンズだと思います。

( 2023.06.29 )