Canon RF70-200mm F2.8 L IS USM vol.1 vol.2

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率  
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

2019年11月に発売されたキヤノンの看板レンズ「Canon RF70-200mm F2.8 L IS USM」の第2回目のレビューをお届けします。第1回のレビューでは、写りの別格さや、そのポテンシャルの高さ等をお伝えしてきました。今回のレビューでは、ここぞという時に活躍するのは勿論のこと、身近なシーンにおける静と動、しいては躍動感まで表現できないかとトライしてみました。究極の望遠ズームでありながら、小型かつ軽量で最短撮影距離も70cmと短い。またEOS R5との組み合わせで、ボディとの協調により7.5段分の手ブレ補正効果が得られ、機動力だけでなく取り回しが良いこと。スピードや確実性などにおいても再確認しながら、各焦点距離域の写りまでご覧ください。

( Photography & Text : TA )

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スピード良し、確度良し、写りも別格

シクロクロスの大会、近くの公園、街と撮り歩いてきました。スポーツや公園ではワイドからテレ側まで全ズーム域を利用し、街では主にワイド側を活用しました。写りは緻密でシャープ、そのうえ柔らかい。大三元の望遠ズームともなれば、やはり写りの次元そのものが違いました。確かな手応えがあり仕事も早い。勿論良いのだろうなという確信めいたものは撮影前からありましたが、本レンズにおいては、それ以上でした。シャッターを切るだけで良い感じの画に仕立ててくれますし、AFの確度・スピードともに全面的に機材に委ねることができる完成度の高さがあります。こちらはレンズの先を振ってシャッターボタンを押すだけ。それだけで一級のアウトプットが得られるのですから、頼もしさも別格です。本レンズをマウントさせて撮影していた時間は正味5時間くらいでしたが、これはどんな状況でも確実な結果に繋がるレンズであることの証でもあるかと。被写体に寄れないということもなく、手ブレ補正のサポートもバッチリ。試しに公園の小さな滝をシャッタースピード1/15で捉えてみたのですが、止まって欲しいところは完全に止まっており、動と静を、しいては動なる静、静なる動といった躍動感までをも手持ち撮影で描き分けることができてしまいます。しかも次元の違う写りで魅せてくれるのですから。もう少しこのレンズで撮影をしていたい、傍に置いておきたい、撮り込んでみたい、という思いに駆られました。このような思いに至ったのは、手持ちで快適に撮影できる重さやサイズであったこともやはり大きいでしょう。確実な結果に繋がっていくのは気持ちの良いもの。一度手にすると、手放せない相棒になること必至です。

( 2023.03.07 )