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Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

Canon PowerShot G5 X Mark II / SHOOTING REPORT

1型センサーを搭載し、内蔵EVF(電子ビューファインダー)を擁したPowerShot G5 Xの後継モデル「PowerShot G5 X Mark II」が登場しました。センサーサイズは同じとしながらも、有効画素数約2010万画素の積層型CMOSセンサーを新たに導入。この積層型、画素領域と回路領域それぞれのチップを上下に配置(積層)するので、小型化しやすいというメリットがあります。また、画像処理エンジンDIGIC 8を組み合わせることで、起動時間の短縮や連写性能がアップしました。加えて、先代では内蔵式だったEVFをポップアップ式としたことでフォルムも大胆に刷新。ボディの高さは76.4mmから60.9mmにと随分とコンパクトかつシンプルになり、本体重量は約10%もの減量に成功し316gにまとめ上げられました。スピードそしてコンパクトネスに拍車をかけたG5 X Mark II。高級コンパクトデジタルカメラに求められる軽快さがさらに磨かれたことはスペックからも推察できるでしょう。ズーム域もテレ側が20mm延ばされ、35mmフルサイズ換算で24〜120mm相当(F1.8〜2.8)をカバーするようになったことですし、本機でどのような写真を手に入れることができるのか大変気になるところ。使い心地なども併せてレポートしていきたいと思います。

( Photography : TA / Text : TA & KIMURAX )

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

まずはテレ端開放にて。先代モデルではバリアングル式だった背面液晶が今回チルト式になりましたので、早速ローアングルで背面液晶のタッチ&ドラッグを利用しての撮影です。狙った瞬間を意図通りに軽快に捉えてくれます。

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

テレ端120mm(フルサイズ換算)からほんの少しズームアウトして110mm近辺での撮影。こちらはマニュアルフォーカスでピントを追い込みました。フルタイムマニュアルフォーカスが可能で、拡大表示でスムーズにピークを追い込んでいくことができます。

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

指先ひとつでスイスイ寄ったり引いたりできるのは快適そのもの。早くも、ズーム賞賛モードに入ってしまいました(笑)。ここからは、レンズをククッと伸ばしてテレ端開放での作例が続きます。上記のカットは背面液晶ではフレーミングや露出などが確認し難いシチュエーションだったので、236万ドットのEVFでピントピークや露出を追い込んでいます。やはりEVFがあると撮影できるシーンが増えますね。

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

人物撮影もお手のものといった感じで申し分のない写りです。河川敷のコスモスのカットはF5まで絞っていますが、このような繊細な被写体を、しっかりと描きわける解像力と再現性の高さに驚かされます。キヤノン最新の積層型CMOSセンサーと画像処理エンジン、そして新たに開発された非球面レンズ4枚にUDレンズ1枚という贅沢な11群13枚構成というズームレンズの賜物でしょうか。


Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

AFは素早く精度も良いです。カメラの立ち上がりも早く、動体を含めたスナップ撮影でも活躍してくれそうです。ポップアップさせてからさらに引き出すという2アクションを要するEVFのセッティングに、はじめは少々煩わしさも感じましたが、使っているうちに慣れてしまいました。ポップアップ式になったからこそ、ここまでコンパクトになったのですよね。感謝、感謝。

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

フルサイズ換算で30mm付近での一枚です。やはりなんといってもズームレンズは便利です。どの焦点距離域でも隅々まで破綻のない描写が得られます。

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

個人的に特に気に入ったのが、NDフィルターをON/OFFできることです。晴れた日の屋外など明るい場所での撮影時でも、色再現性のパフォーマンスを損ねることなく、見たままの青い空をそのまま忠実に再現してくれます。

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左が広角端、右が望遠端でのマクロ撮影です。最短撮影距離はワイド側で5cmから、テレ端で20cmからとハーフマクロに迫る撮影倍率を有しています。広角端開放でのマクロ撮影時は少し絞って撮ると、より立体的で精彩な描写が得られます。さらには手ブレ補正機能も搭載されている保険付きなので、小さな被写体のマクロ撮影はもちろんのこと、テーブルフォトも積極的に行えますよ。


Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

Canon PowerShot G5 X Mark II, Photo by TA

一眼レフ用のレンズで、「この1本さえあれば」という類のレンズは、個人的にF4通しの標準5倍ズーム24-120mmだと思っているのですが、G5 X Mark IIには、さらにF値を明るくした開放F値1.8-2.8で、フルサイズ換算で24-120mmにあたるズームレンズを搭載しています。描写もご覧いただいた通り一眼レフカメラに引けをとらない写りで、正直もう1型センサーで十分では、なんて思ってしまいました。レンズ一体型システムだからこそ、レンズとボディ相互のメリットを最大限に引き出せるので、コンパクトにまとめながらもこの高画質と高機能を実現させているのでしょう。いやはや、最近の高級コンパクトデジタルカメラの進化は凄いですね。

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  • PHOTO YODOBASHIポップアップ式EVFの採用でG5 Xよりも軍艦部はスッキリとした印象に。
  • PHOTO YODOBASHI背面液晶はチルト式になりました(G5 Xはバリアングル方式)。

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大鉈を振るったフォルムの進化で、さらに持ち歩きやすく。

コンデジとはいえ“高級”と付くカメラの写りは圧巻ですね。1型センサーだからいいのか?いやいや開放値の明るいズームレンズがいいのか?もちろんその両方なわけですがね。画の厚みというか情報量の多さからすれば断然大きいセンサーが有利なことは百も承知。1型より大きいAPS-Cセンサーを擁したコンパクトデジタルカメラの存在も気になるところでしょうが、いかがでしたかG5 X Mark IIの写りは。果たして引けを取っているでしょうか? 同じシチュエーションで撮り比べたり、一緒に並べて見ているわけではありませんが、自然なボケ味、ピントピークでの切れ味、立体感、大変見事だと感じました。そりゃ大きく伸ばしていて行けば、その差は如実に現れてきますが、いわゆる鑑賞サイズであれば何ら不足なし。十分に肩を並べる表現力を発揮しているではありませんか。先代モデルから延長されたテレ端での撮像もばっちり。全然無理のない余裕の描写とでも申しましょうか。開放からしっかり使っていける頼もしさがあります。今回、ポップアップ式EVFの採用により、先代の特徴的だったEVFを内蔵するペンタ部を模した突起が無くなってしまったことは、G5 Xユーザーさんたちにどう評価されるかは正直わかりません。しかし、既定路線に縛られることなくMark IIは、コンパクトデジタルカメラという肩書に直球で応えてきた一台だということは確か。その触り心地、質感、操作感、そしてもちろんアウトプットまで何一つ妥協することなく練り込んできた印象です。常に持ち歩きしやすいカメラが頼もしいカメラであることは素晴らしいこと。持ち歩いてこそ本機の真価が発揮されます。まずはご自分の手に取ってみてください。

( 2019.08.28 )

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明るいズームレンズは24-120mmをカバー。キヤノンで初めての積層型CMOSセンサーを搭載し、ポップアップ式EVFとしたことで盤石のコンパクトネスを手に入れた一台は、いつも手元に置きたくなる頼もしさが凝縮されています。

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G5 X Mark IIを買ったらすぐに保護したいですね。同時購入お忘れなく。

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