PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/40, F6.3, ISO 100, Photo by TAK

Canon EOS R7 / SHOOTING REPORT

EOS R7はAPS-C型センサーを搭載したレンズ交換式ミラーレスカメラです。EOS R3ゆずりの高性能AFとRシリーズ最速となる秒間15コマ(メカシャッター/電子先幕)の高速連続撮影を、たった612g(バッテリー、カードを含む)のボディで実現しています。フルサイズセンサー搭載機のサブとしてももちろんですが、1.6倍の高いクロップ係数で望遠動体撮影にも最適と、守備範囲の広いカメラに仕上がっています。その他、深度合成や自動水平補正などの役立つ機能を満載し、同カテゴリーのEOS史上最高となる3250万画素が織りなす高画質が手に入るとあっては、メインカメラとしての素質も十分以上に備えているのは明白です。いざ手にしてみると、一瞬大丈夫かな?と思えるほど小ぶりなのですが、コンパクトに勝る喜びなし。気分上々でロケに出て参りました。ご覧ください。

( Photography & Text : TAK )

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/160, F6.3, ISO 100, Photo by TAK

赤の再現は簡単ではないという通説を、軽々と一蹴してくれました。被写体は「赤」ではなく「マルーン」に近かったのですが、まさに見たままが再現されています。質感表現も然りで、エージングが進んで深みが出ているペイントやガラスの反射具合など、「そうそう、こう写って欲しかったんだよ!」と素直に思える仕上がりです。

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/1600, F6.3, ISO 100, Photo by TAK

カラフルなマテリアルですが色飽和を起こすこともなく、あくまで品格のある彩りとコントラストです。柔らかさの中にも硬さがある質感が、触れなくとも手に取るようにわかります。

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/400, F3.5, ISO 100, Photo by TAK

透過光に照らされた新緑の爽やかな雰囲気も、そのまま気持ちよく再現しています。枝葉末節に至るまで解像しているあたりにも、高画素の恩恵が見てとれますね。

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/160, F3.5, ISO 100, Photo by TAK

「白の中の白」だってこの通りですよ。どこからか「APS-Cで高画素だと階調が」って声が聞こえた気がしましたが、完全に幻聴だったようです。

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/1600, F8, ISO 6400, Photo by TAK

「APS-Cで高画素だと高感度が」、、、凝り固まったステレオタイプも書き換えた方が良さそうです。DIGIC Xエンジン恐るべし。階調のつながりもスムーズで、いや、もう本当に十分ですよ。


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運動性能を見てみましょう。秒間15コマで、セキレイがエサ(カゲロウ?)を捉えてから飲み込むまでのシーンを連続撮影しました。そのうちの連続8枚です。この小鳥、蝶のようにヒラヒラと舞いながら飛ぶ習性があり、ファインダー内に補足し続けることも容易ではありません。にもかかわらず、EOS R7のおかげでモノにすることができました。狙いをつけてから一旦減速し、パクりと嘴で挟んで、飲み込んだ後のプハーッ!の表情まで、「こんなふうに狩りをやってるのか」と良い勉強になりました。それもこれもAF認識や連写性能あってのことです。動き物に関しても定評があるキヤノンですが、信頼は一層揺るぎないものになりました。

Canon EOS R7, RF100-400mm F5.6-8 IS USM, 1/20, F22, ISO 100. Photo by TAK

AFの認識性能がとにかく高く、ファインダーに収めたらそのまま動きを追うだけで、私のような鉄道撮影ド初心者でも何とか流し撮りすることができました。手練れの方なら、あっけないほどにメモリーカードが「採用カット」で満たされるでしょう。

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 0.5s, F13, ISO 100, Photo by TAK

光学式補正との協調制御に対応した手ブレ補正は、最高で約8段を実現。1/2秒で試してみましたが、なるほど実によく止まります。三脚がなくても撮れるシーンが増えますね。流石と言いますか、可愛げがないほどに隙のないカメラです。

  • PHOTO YODOBASHIF40に絞った通常のシングルショット
  • PHOTO YODOBASHI100ショットによる深度合成

深度合成機能を使ってミニカーを撮影し、通常撮影と比べてみました。一般的に物撮りなどでは隅々までピントを行き渡らせるために、アングルを工夫し絞り込んだり、シフトレンズを使ったりもします。ただ近距離になるほど被写界深度が稼ぎにくくなりますし、シフトレンズが無い場合は導入コストもかかります。このジレンマを解消してくれるのが、ピント位置を変えたカットを合成する「深度合成」という技術です。EOS R7はこれをカメラ内で完結し、カット数、つまりピントのステップ数も自在に決めることができます。また、ピント位置に応じて変化する明るさや画角も加味して合成してくれるので、ご覧のようなカットも簡単に撮影できます。今回は100カットで作成してみましたが、合成版では奥の方までピントが来ているのがお分かりかと思います。一部輪郭がホワンとボケているように見える箇所があります。さして気にはならない程度ですが、気になる方はカット数や絞りなど設定を変えてみると良いかもしれません。

芸達者なR7ですが、まだあります。こちらは「自動水平補正」が機能する様を動画で記録したものです(音声なし)。ご覧の通り、傾きを補正して水平にしてくれます。ある程度以上傾けると補正範囲外となりますが、4度くらいの傾き(数字的に小さく見えても、相当傾いています)なら大丈夫そうです。動画でも重宝する機能ですが、何とボディ内手ブレ補正を活用しているとのこと。即ちセンサー自体が4度くらい動くということであり、クロップも無いということです。ご存知の通り、カメラメーカー以外のところからジンバルが次々と出ています。そしてカメラメーカーが作り始めたのは、ジンバルを必要としないカメラ。なるほど(笑)。じゃんじゃん競争していただければ、今後も面白くなるでしょうね。


Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/15, F6.3, ISO 400, Photo by TAK

Canon EOS R7, RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM, 1/25, F6.3, ISO 400, Photo by TAK


PHOTO YODOBASHI

痛快なるザ・仕事人

「これ一台でいいんじゃないの?」

私のストレートな感想です。野球で言えば走攻守三拍子揃った、2番あたりの打順で1発もあるプレイヤーです。小型軽量ぶりからは想像もつきませんが、秒間15コマの連写(電子シャッター時は最高約30コマ)、そこに上級機譲りの高性能AFが加わり認識も賢いとあってはスタメン確定でしょう。もちろん根幹である画質にも一切の妥協は認められません。解像性能はもちろんのこと、細やかな階調表現で作品作りにも即活用できます。そんな万能カメラが、バッグにするりと入ってしまうのです。操作感やシャッター音など、感覚的要素は上位機種に譲るところはありますが、それがどうしたと言わんばかりのパフォーマンスです。ロマンよりも、まずはお値段も含めた「実」を優先したのかもしれません。それがよいのです。むしろ感謝したいくらいです。多様な任務を忠実にこなす仕事人、EOS R7。いかがでしょうか。

  • PHOTO YODOBASHI接眼部右側にはサブ電子ダイヤルとマルチコントローラーを一体配置。最小限の親指移動で測距点と露出設定が可能です。
  • PHOTO YODOBASHI可愛い顔して、デュアルカードスロット仕様です。隅々まで手を抜かないのが「観音様」なのですよね。

( 2023.05.18 )

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レンズはまだという方は、ぜひこちらのレンズキットをお求めください。このレンズがまたよく写って、便利なことこの上なし。買った日からボディ性能をフルに発揮することができますよ。

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レンズは持っているよという方は、こちらをどうぞ。

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ミラーレスの利便性は燃費とのトレードオフです。予備をお忘れなく。

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自分だけは大丈夫と思っても、買ったその日に傷が付くことも。開封して下ろした時に装着しておきましょう。

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深度合成で撮影したミニカーの色違いモデルです。

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途中で降りるはずが終点梅田まで寝過ごし、そのまま梅田で降りて遊んだあの頃。今はそこにヨドバシカメラが建っています。

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