Canon EOS RP / SHOOTING REPORT

Canonのフルサイズミラーレス「EOS R」が登場し、フルサイズミラーレス市場が色めき立ったのはつい先日のこと。そして今、「EOS RP」が新しく登場しラインアップに加わりました。RPの「P」は、プロフェッショナル仕様の「P」かと思いきや、1959年に発売されたレンジファインダー機のP型「ポピュレール」に由来しているとのこと。この「P」には、数多のユーザーに実際に手にとって欲しい、いつも携行してもらいたいというような想いが込められているのかもしれません。サイズはCanon EOS史上、最小で最軽量ながら、約2620万画素35mmフルサイズCMOSセンサーと、先進の映像エンジンDIGIC 8を搭載しています。これは最新で最高の画がコンパクトなシステムで得られてしまうということ。エントリー機のような一面を持ち合わせながらハイエンドユーザーまで。皆が欲しくなるカメラではないでしょうか。現に私もとても気になっています。その実力を知るのが怖いような、けれども知りたいような。早速、EOS RPとオールラウンダーなRF35mm F1.8 MACRO IS STMで撮影したインプレッションをお届けしたいと思います。

( Photography : Z II / Text : Z II & TA )

こちらはSCN（スペシャルシーンモード）の「キッズ」で撮影。動きに予測がつかない子どもを撮影するときのモードです。シャッタースピードは1/500秒に固定され、なおかつSEAVO AFに自動で設定されます。この時、顔＋追尾優先AFに設定していれば、動き回る子どもの顔にピントを合わせ続けます。感度は少し高めになってしまいますが、ブレや、ピントずれは確実に減るでしょう。

旅カメラとしても最適なEOS RP。旅といえば駅弁ですよね。仲間の弁当があまりに可愛く、美味しそうだったので、箸をつける前にSCNを「料理」に合わせパチリ。ついつい絞り開放で撮ってしまいがちですが、実は料理を撮るときはF4くらいがちょうど良いということを、カメラはちゃんとわかっていますね。

雪の照り返しで、逆光のシュチェーションです。滲みなどの収差を全く感じませんね。さすが最新のRFレンズ。手の肌の質感描写や、前ボケも申し分ない描写です。

バリアングル液晶を使って自撮りをお願いしてみました。SCNは「ポートレート」。絞りはF2.8に固定されますので、手前の子はボケてしまいましたが、これはこれで面白いですね。雪がレフ板になり女の子が綺麗に写ります。まさに雪山マジック。

ハーフマクロレンズですので、マクロ撮影もお手のもの。SCNの「マクロ」を選択し、被写体にぐっと寄っての一枚。スキー板のソールに着いた水滴を狙ってみました。春になったら花や虫などマクロで狙いたくなる被写体も増えてきますね。開放F値はF1.8と明るく、絞り羽根は9枚の円形絞り。美しく量感のあるボケが、撮る楽しさを、よりいっそう増幅させてくれるでしょう。

SCNの「風景」を選択。全域をくっきりと写してくれます。3月の雪山は少し春めいてきています。35mmは被写体にぐっと寄っての撮影から、風景まで撮れる。割と付けっぱなしで良い万能なレンズだなと、改めて感じました。

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強烈な西陽を画面に入れてみましたが、主な被写体にはなんら影響ありませんね。それがどうした？と言わんばかりに自然なハレーションです。しかしよく写ります。しかもSERVO AFのスピードが素晴らしく速いのが驚きです。動きながらのスナップでは最強のAFですね。

桜の季節にも是非ともEOS RPをお供にしたいですね。お弁当、お茶、敷物そしてカメラですからなるべく荷物は減らしたい。それでいてスマートフォンを圧倒する写りも欲しい。そんなわがままを叶えてくれるカメラです。

ISO 6400で撮影してみました。被写体のおじいさんとお孫さんが18時ちょうどのからくり時計を眺めています。陽も長くなり暖かくなった証ですね。

いつも鞄にしのばせておきたいフルサイズミラーレス「EOS RP」

2日間のロケでしたが楽しくてたくさん撮ってしまいました。なにせ軽いので、持ち歩くのが苦にならないというのは大きなポイント。それでいてこの写りを見てください。フルサイズのメリットである画の奥行きと言いますか、色の情報の凝縮感が素晴らしく、空のグラデーションもとてもいい塩梅なのではないでしょうか。雪山での撮影は、主にスペシャルシーンモードというカメラにお任せで撮っていますが、こちらも大変よくできています。SCNの「料理」では絞りはF4に設定され、ボケ過ぎないような工夫も見えました。またボケの量や質はレンズにもよるところもあるのですが、新しいRFレンズの美しいボケを見事に受け止めて十分すぎる写りとなっています。フルサイズ機がこのサイズでこの価格で買える時代になりました。本当にいい時代に生まれましたね。

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いつでも持ち歩ける「EOS RP」は、フルサイズEOS史上、最小・最軽量ボディー。バッテリーやカードを含めても、約485gという軽さに驚きです。グリップは深めで、しっかり安定したホールドが可能です。

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• EOS RPのキットレンズ、RF35mm F1.8 MACRO IS STM は最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影が可能。EOS RPでの使用で手ブレ補正効果は5段分。ボディーに装着しても総重量は約790gとEOS 5D Mark IVのボディー単体よりも軽量なフルサイズミラーレスシステムにびっくり。
• バリアングルの液晶モニタと近接可能なAFレンズの組み合わせですから、手持ちでの自撮りも可能。中学生の娘にお願いして実践してもらいました。気をつけなければならないのは、モニタが横に出るので、レンズを見てシャッター切ってね！と言わなければならないところです。

手のひらにフルサイズを

バッテリーやカードを含めても約485gという軽量でコンパクトなボディーとレンズにして、紡ぎだす画は紛れもなく最新のフルサイズミラーレスシステムの描写であることを目の当たりにしました。まず手にしてその軽さや手のひらに収まってしまうサイズに驚きます。そしてEVFを覗くと、そこには大きなフォーマットシステムが紡ぐ世界が広がっている。AFも素早くスッスッと合う。目の前にいる人にレンズを向けると素早く顔や瞳を認識し始める。このコンパクトなボディーに、この機能や性能を、よくまとめあげたなと関心してしまいます。EOS RPの登場当時、これは数多の人が欲しくなるだろうと漠然と感じていました。こうやって実際に使って、EOS RPシステムの画力を目の当たりにすると、それは確信へと変わりました。初めてカメラを手にした人から、長くカメラを使ってきた人まで、数多の人が欲しくなるカメラであることを。 SCNスペシャルシーンや、シーンインテリジェントオートといった、かんたん撮影モードで撮影すれば、シーンに応じて良い塩梅にチューニングされた設定で撮影が行えます。使ったその日からフォトグラファーです。また、簡単撮影モードで撮影することで、なるほどとカメラからヒントををもらえることもあるかもしれません。長くカメラを扱ってきたユーザーにとっても、このコンパクトで軽量なフルサイズミラーレスは魅力です。機動性をいかしたスナップや旅の撮影にはもってこいですし、何より最新で最高の画が得られるのですから。

皆が納得して使える。数多の人を笑顔にするカメラ。それがEOS RPです。

( 2019.03.15 )