PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Rica

Canon EOS Kiss M / SHOOTING REPORT

EOS Kissがついに「M」になりました。2410万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを搭載。EF-Mマウントの「EOS Kiss M」は、サイズ的にはレンズフィックスモデルPowerShot G1 X Mark III程度。APS-Cセンサー搭載機としては驚くほど小さく、軽いカメラとなっています。新モデルとしての大きなトピックはキヤノンのレンズ交換式カメラとしては初となるデュアルセンシングISが搭載されたこと。小さく軽いということはブレに対してネガティブな部分もあるわけで、そこをしっかりとフォロー。ジャイロセンサーによる光学ISユニットでの制御に、CMOSセンサーの画像の情報からブレの量を検出したふたつの情報をもとにしてより高精度に手ブレを抑えることが可能になっています。手や体の細かい震え、また呼吸での大きな揺れによる比較的速度の低い大きな揺れも制御してくれます。また、初心者にもわかりやすいよう、通常のメニュー画面の一階層上にビジュアルでのガイドがあり、一体このメニューの中には何の設定をする項目があるのだろうという疑問を“見れば分かる”よう写真・イラストなどでフォロー。直感的に操作が可能です。さらに、デュアルピクセルCMOS AFを搭載。約2410万画素すべてが位相差AFセンサーとしても機能するこの機能は、撮像面の広範囲で測距可能で、暗いシーンでも素速く、正確なピント合わせができます。EOS Kiss Mでは映像エンジンにDIGIC 8を搭載しており、デュアルピクセルCMOS AFも大きく進化。装着するレンズによっては横で88%、縦100%のエリアで最大143点の測距点を生かしたフォーカシングを実現しています。素速いAFに対し、期待がふくらむのは連続撮影の性能。もちろん本モデルでは動いている被写体にピントを合わせ続けたまま、サーボAFを利用して最高約7.4コマ/秒の連続撮影できます(ワンショットAF使用時、最高約10コマ/秒)。エントリークラスのモデルとはいえ、スペックを見る限り、エントリークラスらしさは感じられません。今回のレビューでは “予想できない動き”、“個体により素速い動き”をする身近なものを被写体に本モデルを試してまいりましたので、実際に作例をご覧になっていただき、そのポテンシャルの高さを感じていただけたらと思います。


Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Rica

9歳男児の、ある週末。

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Rica

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Rica

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Rica

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Rica

手にしてみれば、快適そのもの。

エントリークラスの一眼レフとして長きにわたりラインナップされている「EOS Kiss」シリーズが、ついにミラーレスになったわけですが、「EOS Kiss」と言われると、ちょっとその名のついたカメラを持つのって照れくさくないですか? キラキラした女性がとっても目の大きな愛らしいお子さんの写真を撮ったり、おいしそうな食事を撮ったりするプロモーションを見るとなおさら……。よく洗剤のCMなんかでもあると思うんですよ、「どんな汚れも真っ白!」みたいな。でも実際に使うと息子の汚した泥だらけの服はちっとも真っ白にならなくて、結局汚れの目立たない色の服を買うんです。正直言って、そういう部分に対してロマンチックなのはママ・女性よりもパパ・男性なんでしょうね。そんな天邪鬼な筆者が手にしたEOS Kiss Mは白いボディのそれはそれは小さくてかわいらしいカメラでした……。心底ネガティブな先入観を持ってそれを手にし、撮影に出かけました。まず、グズグズ言って本当にごめんなさいと申し上げたい。実際に使ってみると何ら文句なしなのです。小さくて軽くて、起動も速く、撮ろうと思ったときに撮れる。しかも、さまざまな機能が、どんなシチュエーションでもきれいな写真に仕上げてくれます。特に子どもを撮ろうとすると、「すばやさ」のパラメーターは低めの我が息子でも、大人の予想を裏切る方向に向かったり、突然振り返ったり、走り出したりするため、大きなカメラでは撮りたかったシーンを逃してしまうということがありますが、そんな心配も一切要りません。さらに、赤ちゃんでなくなったとはいえ、子どもと一緒に出かけるとなると、どうしても増えるのが母親の荷物。そこにさらにカメラを持っていくとなると、やっぱり軽くて小さいのは大きなアドバンテージとなります。EOS Kiss Mはあまりに小さくて軽いので、持っていることを一瞬忘れてしまい不安になるほどでした(実際に肩に提げているのに何度も鞄の中を探しました)。AFも速く快適。新しい映像エンジンDIGIC 8搭載でJPEG撮って出しでも、その画はとても豊かです。EVFは0.39型、約236万ドット。筆者にとってここは重要なのですが、基本的には液晶モニターよりもファインダーを覗いて撮りたいのです。カメラを手にしたとき、ファインダーが少し小さいかなと思いましたが、そんな不安も覗いてみれば杞憂に終わりました。クリアで、メガネをかけていてもすみずみまでしっかり見ることができるのはなかなかにポイントが高かったです。液晶モニターもタッチ式で、各種設定もイラストなどを交えてとてもわかりやすくなっていますから、初めてのカメラであっても戸惑うことなく操作できると思います。子どもができたのを機にカメラを買いたいという方、初めてのレンズ交換式カメラを選びたいという方に、自信を持っておすすめしたいモデルです。もちろん上級者にとっても、十分に撮り手の意思を汲んでくれるカメラだと思います。(Rica)

  • PHOTO YODOBASHI晴れた休日はサーキットに遊びに行くことも多いのですが、ピットの内側と外側ではかなり輝度差があり、バイクのフロント部分と、子どもの顔部分では明るさが大きく違います。でもオートライティングオプティマイザがあればこの通り。バイクのツルっとした質感も、子どもの少し赤らんだほっぺもしっかり再現してくれています。
  • PHOTO YODOBASHI突然振り返って反対に向かって歩き出しても、軽くて小さなEOS Kiss Mなら片手ですぐにカメラを構えシャッターを押すことができるうえ、デュアルセンシングISで手ブレも強力に補正してくれます。速い遅いはともかく、常に動いている子どもを捉えるには最高のカメラではないでしょうか。

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Z II

初登校の朝。

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Z II

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Z II

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Z II

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Z II

Canon EOS Kiss M, EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM, Photo by Z II

今しか撮れない表情をきれいに残したい。

赤ん坊の頃からPYに何度も登場している娘が、この春ついに小学一年生になりました。初めての入学式の朝というのは数十年前の私自身のときのことを、いまでも憶えているくらい、人生でも特別な朝。記念すべき良き日の写真は、きれいにそしていろんなシーンを残しておきたいものです。ランドセルをピカピカのときに撮っておくのもいいでしょう。昔と違って色の選択肢はたくさんあるのに黒を選択するあたりは少々クセが強いのかなと心配になりますが、これも個性ですよね。さて、そんな大切な日の撮影に使用したのはCanon EOS Kiss M。初代の発売当初から「ママのカメラ」として、操作は簡単で軽量コンパクトだったKissシリーズが、マウントをEF-Mに変えて、さらなる使いやすさと軽量化を実現したモデルです。筆者はカメラの初心者でもなければ、ママでもないのですが、ミラーレス一眼デビューのママになったつもりで入学式の1日を撮ってきました。まず評判通り軽くて、手のひらにすっぽり収まるほどコンパクトですので、(パパですけど)長い時間首から提げていても苦になりません。肩にかけていると何かの拍子に落としてしまいそうですし、斜めがけだと、すぐ撮りたいときに構えるのが遅くなってしまいます。カメラは首に提げるのがいちばんです。そして小さいお子さんを撮るときにしてしまいがちなのが、大人の高さから撮ってしまうことです。もちろん意図してママ目線から見下ろして撮るというのであればオッケーですが、上から撮ると頭でっかちに写ってしまいがちです。そんなとき便利なのがバリアングルです。カメラをお子さんの胸から腰のあたりの高さで構えて、液晶を上に向けて撮ってあげると無理な姿勢をとることなく、成長したお子さんをカッコよく撮れますし、液晶パネルを横に開いて反転させれば、お子さんと一緒に自撮りだって簡単です。この際タッチ操作でシャッターを切ると更に便利です。また、この時期の子どもは動きが激しくて立ち止まるか、風のように走るかのどちらかであることが予想されます。そんな時期を切り取るなら流し撮りモードです。自動的にシャッタースピードを遅くしてくれますので、走り去るお子さんをカメラを振りながら連写で撮るだけで背景をブラして躍動感のある写真が撮れます。もちろん慣れるまで難しいかもしれないですが、そこはデジタルなので失敗しても何度もチャレンジできますよね。きれいに決まると、お〜!ってなりますよ。

EOS Kiss Mはエントリーモデルでありながらも写りは上位機種と遜色はありませんから、スマートフォンでは撮れない高画質の写真が撮れます。しかもその場でスマートフォンに転送できますから、SNSなどにアップすると、きれいな写りをタイムリーに見たママ友などに撮影をせがまれるのは必至でしょう。でもそれは悪い気はしませんし、人に喜んでもらえるっていい気分ですよね。お子さんの新学期という節目にママも新しい挑戦をしてみてはどうでしょうか。(Z II)

  • PHOTO YODOBASHI真っ白な下ろしたての上履き。20センチのサイズがわかるように撮りました。いつか娘に子どもができたとき、この写真を見て「ママは1年生の時20センチだったんだ」と微笑み合う娘と孫を想像しながらシャッターを切りました。少し暗くても手ブレ補正が功を奏し、しっかり写っていますので質感描写も見事です。
  • PHOTO YODOBASHI入学式前日の不安げな表情もこの時期ならではです。保育園では無敵の年長さんも知らない子がほとんどだし、先生だって怖いかもしれない小学校は未知の世界で不安でしょうがない様子。背景に光るケヤキの新芽と新一年生の表情が対照的で面白い。笑顔だけじゃなくいろんな表情を撮っておいてあげると後で見たときにその時の心情までよみがえってきます。いやそれにしても肌の描写がきれいです。

PHOTO YODOBASHI

  • PHOTO YODOBASHIタッチパネル式の液晶モニターがあるため、カメラそのもののダイヤルやボタン類は少なめ。とてもシンプルです。
  • PHOTO YODOBASHI液晶モニターはもちろんバリアングル。液晶モニターを自分の方に向け、タッチシャッターを使えばセルフィも簡単。

どんなときも傍にEOS Kiss Mを。

荷物が多くて、写真を撮るのはスマートフォンばかりというママさん、カメラを買いたいけど、家庭内財務大臣の許可が必要というパパさん。EOS Kiss Mなら、軽くて小さいからママのバッグにも無理なく入り、写りもよく、連写もバッチリだからパパも楽しく撮影できて夫婦ふたりでカメラを共有できますよ。APS-Cセンサーを搭載していますから、その描写力の高さはもちろん、高感度での撮影も問題なし。初めてのカメラでも「シーンモード」をセレクトすれば、撮りたいシーンに合わせ、カメラがさまざまな設定をしてくれます。EOS Kiss Mを持ったあなたはシャッターを押すだけ。スマートフォン感覚で、スマートフォンよりもきれいな写真が撮れるうえ、多彩な撮影が可能になります。

キヤノンのミラーレス機は「EOS M」シリーズとして7モデルをラインナップしてきました。そこに追加となったのが今回のEOS Kiss Mです。一眼レフのEOS Kissシリーズはフィルム時代から続くエントリーモデルとしてキヤノンの顔ともいえる製品。デジタル化されたのは2003年のことでした。このときも小さく軽く、簡単シンプルな操作というEOS Kissらしさはそのままに、価格もエントリーユーザーに優しく、大きな話題となりました。“小さくて軽くてよく写る”という明確なコンセプトはミラーレス機と非常に相性がよく、EOS Kissがミラーレス化されたのは当然の流れとも言えます。ボディの小型化、そしてミラーレス化にあたり、これまでのミラーレス機「EOS M」シリーズと同様にEF-Mマウントを採用。今後のレンズラインナップの拡充には大きく期待したいところです。エントリーモデルとはいえ、2410万画素のCMOSセンサー、最新の映像エンジンDIGIC 8を搭載し、上位機種にも採用されているデュアルピクセルCMOS AFを採用。速く、正確なAF、最高10コマ/秒の連写も可能で、スナップから動く被写体まで幅広いシーンで活躍できるポテンシャルを持っていますから、メインに一眼レフを持っているユーザーのサブカメラとしても十分に満足できるモデルに仕上がっています。ボディの軽さ同様に、動作も軽快。レスポンスがよくシャキシャキ動きますから、シャッターを押すのも心地よく、撮影が楽しくなります。まるでコンパクトカメラのように小さく、軽いEOS Kiss M。いつでもカバンにしのばせて、さまざまなシーンを写真に収めてください。

( 2018.04.12 )

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EOS Kissシリーズ初のミラーレス機。EOS Kiss M。ミラーレスならではの高精細なEVF、小さく軽いボディーが魅力。映像エンジンは最新のDIGIC 8。多彩な新機能で初心者の撮影をしっかり支え、高い描写力はハイアマチュアでも満足できる一台です。

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EOS Kiss Mはブラックとホワイト2色のボディカラーをラインナップ。老若男女問わずセレクトできるシンプルなモノトーンボディとなっています。

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広角約29mmから望遠288mm(35mm判換算)をカバーする高倍率ズームレンズをボディとセットにしたレンズキットです。手にしたその日から、この一台、一本でさまざまな撮影にトライできます。

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もちろんホワイトのボディにも同様のレンズキットがラインナップ。ボディのホワイトに合わせ、セットレンズの鏡胴はシルバーとなっています。

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こちらは標準ズームレンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」とコンパクトなパンケーキタイプの単焦点レンズ「EF-M22mm F2 STM」の2本がセットになったダブルレンズキットです。

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ダブルレンズキットはお出かけに嬉しいコンパクトなレンズ2本のセット。「EF-M22mm F2 STM」は薄くて軽いパンケーキレンズ。ボディにこのレンズを装着して鞄に入れてもかさばらず携行性も高いキットとなっています。

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35mm判換算で24-72mmをカバーする標準ズームレンズ、88-320mmと中望遠から望遠域をカバーする望遠ズームレンズの2本をボディとセットにしたダブルズームキットです。

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EOS Kiss M ダブルズームキット ホワイト [ボディ(ホワイト)+交換レンズ「EF-M15-45mm F3.5-6.3 IS STM」「EF-M55-200mm F4.5-6.3 IS STM」] こちらはホワイトのダブルズームキット。広角から望遠まで2本のレンズでカバーでき、買ったその日からすぐに多彩な撮影を楽しめる嬉しいキットです。春の運動会にぜひいかがですか?

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