PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II / SHOOTING REPORT

キヤノンから、いわゆる“手の届く”フルサイズ一眼、EOS 6Dの二代目EOS 6D Mark IIが登場しました。フルサイズ一眼といえば我々趣味人にとっては、プロか、もしくはハイアマチュア専用のカメラで高嶺の花のような気がしていたのですが、このEOS 6Dシリーズは比較的リーズナブルにフルサイズ機を楽しめるカメラとして愛されてきました。およそ5年ぶりのモデルチェンジということで、どれほど進化したのか大変気になる方も多いことでしょう。今回、キヤノンのフルサイズ機としては初のバリアングル液晶にタッチパネルが採用されました。画素数も前機種より600万画素もアップし約2620万画素。映像エンジンは最新のDIGIC 7を採用しています。つまり5年前の上位機種だったEOS 5D Mark IIIよりもスペックは上ということになりますね。さらにオートフォーカスの面でも、キヤノン独自開発のデュアルピクセルAFを採用することでライブビュー撮影時や動画撮影時のAFの速度も、精度も格段に上がっています。SNSなどに写真をアップする際もBluetoothでスマートフォンとカメラをつなげることができるようになったため、結果として消費電力も抑えられ、バッテリーの長持ちにもつながっています。6Dシリーズの代名詞ともいえる「フルサイズで軽量コンパクト」という点は踏襲しながらも、こんなに進化して前モデルより約5g増に抑えている点はただただ驚きです。今回のレビューでは、撮影担当のA.Indenには格段に上がった画質を実感できる写真、EOS 6Dを所有しているRicaにはそのAF性能やバリアングルになったことで得られるメリットなどを含めたレポートをお願いしました。スペックを見ただけでもワクワクするこのEOS 6D Mark II。作例をご覧になっていただき、高まる期待を確信に変えられれば幸いです。


Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

コントラストの魅力

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

カメラに撮らされる幸せ

ファーストショットで感じたトーンは、昔こよなく愛用したコダクローム64(KR)に似ているなと感じました。KRは価格も高く現像にも時間がかかったのですが、画に厚みを感じさせる描写と大伸ばしに耐える粒状性に一時期のめり込んだものです。露出をアンダーに撮ると更に色乗りと立体感が強調され、独特の雰囲気に仕上がるのがたまらなく好みでした。EOS 6D Mark IIのJPEG撮って出しの画は、約2620万画素の新開発のCMOSセンサーと映像エンジンDIGIC 7のマッチングの妙か、立体感が出にくい正面から光が当たっている被写体でもキリッと写り、KRの描写を思い出させてくれました。写真を長く撮っていると「弘法筆を選ばず」とかっこよく言ってみたいところですが、カメラから受ける印象で、狙う被写体は変わり、画作りも変わってきます。普段は逆光気味で写真を撮ることがほとんどですが、EOS 6D Mark IIの撮って出しJPEGの画の影響か、気がつくとKRを使っていた当時と同じように80%ぐらいは順光気味の条件を追っていました。Mark IIになって歓迎すべき大きな改良点がふたつあります。ひとつは、EOSフルサイズ機初のタッチ操作対応のバリアングル液晶モニターを搭載したことです。一眼レフの大きなメリットはファインダーを覗くことによって撮影姿勢が安定してブレにくくなることですが、ブレ補正が進化した今、ある程度不自然で安定しない姿勢での撮影もカメラがカバーしてくれます。それであれば、自由にカメラを構えられ、正確なフレーミングができるバリアングル液晶モニターは最高の武器になります。実際に使ってみると、今までフルサイズに搭載されていなかったことが「なぜ?」と思うぐらい、その自由さに惹かれてしまいました。ふたつ目は、オールクロスAFセンサーが11点(中央のみクロスセンサー)から45点に増加したことです。フルサイズのセンサーはピントの合う面が薄いため、ピント位置のわずかな違いで画の印象が大きく変わります。密になったAFのポイントのおかげで、液晶モニターでピント位置をわずかに動かし、画の変化を確認しながらギリギリのピントで勝負することができました。撮影を終え、画像をゆっくりと見てみると、アイレベルでの撮影がほとんどないことやアンダーな画がやたらと多いことに気がづきました。「撮らされたな」と思いながらも、普段とは違う上がりを確認しながら「だから新しいカメラが欲しくなるのか」と妙に納得してしまいました。(A.Inden)


Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

愉快に歩けば。

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

Canon EOS 6D Mark II, EF24-70mm F4L IS USM

カジュアルだけどハードに使える、頼れるフルサイズ機。

前モデルのEOS 6Dを愛用してきた筆者にとって、待望の新モデルの登場に心を躍らせながら撮影をして参りました。フルサイズセンサー搭載の一眼レフカメラとして世界最軽量の本モデルは、先代のEOS 6Dよりも5g増(本体のみ)ではありますが、正直その程度の差はまったく気にならないほど機能面の性能が上がっており、心地よく使える一台でありました。フルサイズセンサー好きの筆者にとって、センサーがフルサイズであることはカメラ選びの最重要項目。でも、フルサイズセンサー機は一眼レフタイプだとずっしりと重いのがセオリーです。しかし、EOS 6D、EOS 6D Mark IIは、感覚的にはEOS Kissシリーズ程度のサイジングでフルサイズセンサーを堪能することが可能ですから、これに飛びつかないわけがありません。そんなわけでEOS 6Dを愛用してきたのですが、Wi-Fiも搭載されていましたし、画質もなんら問題なく不満な点はほとんどありませんでした。しかし、今回のレビューで新モデルを実際に使ってみると、グリップの形状が変わり非常にホールドしやすく、AFもこれまで以上にキビキビと動き、またJPEGの画がとてもよくなっていることに驚きました。2020万画素から2620万画素にアップし、DIGIC 7にアップデートされた映像エンジンのおかげか、先代よりも緻密で濃厚になった、そんな印象です。今回、筆者が担当した作例はすべてJPEG撮って出しとなっています(水平垂直すら直していませんがご容赦ください…)。また、EOSのフルサイズ機としては初のバリアングル液晶はタッチパネルを採用しており、これが思いの外便利でした。今回、この軽快さを生かすため、息子(小3)と一緒に撮影に出かけました。子どもと一緒だと荷物も増えますし、できるだけカメラは軽い方がいい。コンパクトカメラしか携行しないことも多いのですが、そのコンパクトカメラを息子に貸し出し、一緒に写真を撮りました。世界最軽量のEOS 6D Mark IIですから、海や山、息子の大好きな公園を歩きまわり、息子が音を上げるほど朝から晩まで撮影し続けるのも苦になりませんでした。しまいには、息子が「それで撮ってみたい!」と言い出し、ほんの少し触らせてみたのですが、意外なほど軽々とカメラを構え、AFの速さが快適だったのか、あちらこちらをバシバシと撮っていました。そして、いまどきのデジタルネイティブはタッチパネルになんのためらいもありませんから、何も教えずともタッチシャッターを使いこなし、撮った画を拡大縮小して、悦に入っておりました。世界最軽量という最大のメリットはそのままに、カメラの基本性能をきっちりとブラッシュアップ。さらにバリアングル液晶、タッチパネル採用でよりユーザーフレンドリーになったEOS 6D Mark II。これは先代を持っている人にもそうでない人にもおすすめしたくなる、そんなカメラでした。(Rica)


  • PHOTO YODOBASHIオープンテラスのガラスの柵越しにビルの夜景を撮影。夜景撮影のベストのタイミングは太陽が沈んでまだ空に明るさが残っている時間。クリスマスの飾り付けがされた広いテラスの雰囲気をガラスに写りこませて、賑やかな都会の雰囲気を狙ってみました。低いアングルの撮影でしたが、可変式の液晶で確認しながら背景のビルと写り込みのいいバランスを探せました。(A.Inden)
  • PHOTO YODOBASHI一つ一つ丁寧に編まれたレースのイヤリング。ボケの量の多さはフルサイズのメリットですが、使ってみてやっぱり違うなと感じさせてくれるのは階調の豊かさ。少しオーバーな露出ですが、細いレースの糸一本一本の立体感がしっかりと描写されていて、手作りの雰囲気が伝わってきます。(A.Inden)
  • PHOTO YODOBASHI公園で、息子が全力で走らせるラジコンを追いかけてみました。ストレートを一気に加速して、突然ターンしたので車体は大きくブレていますが、右側の後輪にしっかりとAFが食いついてくれました。連写はしていませんが、AFの速度、そして正確性は先代のEOS 6Dから大きくその性能をアップしてきた印象を受けました。積極的に動きものにもチャレンジしたくなります。(Rica)
  • PHOTO YODOBASHI陽が沈むころ、ガラス越しに撮影した一枚です。ガラスには展望台の蛍光灯などさまざまな写り込みがありましたが、AFが迷うことはありませんでした。また、映像エンジンDIGIC 7の恩恵か、吐き出すJPEGの色味やディテールの緻密な描き方は先代のEOS 6D以上。JPEG撮って出しで何ら問題を感じることのない写りに感激しました。(Rica)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

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フルサイズ機は、これでいい。

いや、想像以上の出来に、つい言ってしまいたくなる言葉があります。「もうこれでいいじゃん!」と。ご存知の通りキヤノンには、さらにフルサイズ上位機種のEOS 5D Mark IV や高画素機のEOS 5Ds R、フラッグシップ機のEOS-1D Xシリーズがあります。これらはこれらでもちろんすごくいいのですよ。何が?と言うと、やはりプロフェッショナルユースに求められる耐久性はもちろん、操作性や高画素機特有の複雑なチューニングが施されていて、上位機種である理由がやはりあります。しかしEOS 6Dが Mark IIになったことで基本性能のほとんどが向上し、小さな不満も解消されているはずです。フルサイズでしか到達できない豊かな階調の写真をスマートフォンにつなげてすぐにSNSにあげることだってできます。時代はどんどん高画素機になってきていますが、行くところまで行くと実はそんなに高画素である必要のないことに気づきます。もちろんプロの方やポスターサイズに引き伸ばしプリントしたいという方には少々物足りないのかもしれません。でもどうでしょう、いつか試してみたかったフルサイズの入門機がこんなに性能を上げてくれば、実際に使って“物足りない”という人の方が少ないのではないでしょうか。ほんの少し他の趣味を我慢すれば手に入ると思うと…というか買ってしまってから我慢するという方法も私はアリだと思っています(経験済み)。どうかたくさん悩んでください、そしてカメラのことをたくさん知ってください。そうすることで自分にあった機材が見えてきます。じわじわと高まる衝動はありませんか? そう、それはきっとサインです。

( 2017.11.28 )

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新開発の有効画素数約2620万画素フルサイズCMOSセンサー、最新の映像エンジンDIGIC 7を搭載したEOS 6Dシリーズの最新モデルEOS 6D Mark IIが登場。常用感度は最高ISO 40000を実現。キヤノンEOSシリーズのフルサイズモデルでは初のバリアングル液晶も搭載した、期待の一台です。

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広角24mmから中望遠70mmと幅広い焦点距離域をカバー。ズーム全域でF4という開放値で常用レンズに向く、EF24-70mm F4L IS USMがセットになったレンズキットです。初めてのフルサイズ機という方は、ぜひズームのLレンズがついたこちらをどうぞ。後悔はさせません。

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広角24mmから、望遠105mmまでと標準ズームでももう一歩望遠側が欲しいという方にピッタリのEF24-105mm F3.5-5.6 IS STMが同梱されたレンズキットです。光学4倍ズームながら、軽量ですから、小型軽量なEOS 6D Mark IIとのマッチングも最高です。

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EOS 6D Mark IIはバッテリーの持ちがよく、1日撮影してもまだまだ使えるほどの余裕がありますが、バッテリーの予備はあればあるほど安心です。こちらは前モデルLP-E6から容量が約3.6%アップしたバッテリーパック。LP-E6を電源とする従来機種にも使用できます。

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EOS 6D Mark II専用のバッテリーグリップです。バッテリーを最大2個まで入れられるため、撮影可能枚数や動画撮影可能時間を大幅に増やすことができます。また、縦位置撮影用のシャッターボタン、メイン電子ダイヤル、AFフレーム選択ボタン、AEロック/FEロックボタン、AFスタートボタンに加え、測距エリア選択ボタンも搭載しています。

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タッチパネルを採用しているEOS 6D Mark IIですから、液晶モニターは大切に使いたいもの。こちらはフッ素の力で防指紋性、撥水性がアップした液晶保護フィルム。サラサラ、つやつやしたフィルムはさらに操作感を快適にしてくれますし、何より液晶モニターに傷もつかず安心です。

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