PHOTO YODOBASHI
ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン
3群5枚目 レンズに込められた設計者の想い
続・やっぱり単焦点が好き
NIKKOR Z DX 24mm f/1.7は、「あのレンズ」と設計思想が同じ?
Z 50mm f /1.2はそこそこいいお値段のするレンズです。もちろん内容を考えたら決して高くはない、いやそれどころかバーゲンプライスですらあると自負していますが、そうは言っても「みんな買ってね!」と無邪気にお願いできるような感じではありません。 |
ちょっと原田さん、Z 24mm f /1.7の話をして欲しいのに、なんでZ 50mm f /1.2なんですか? |
これこれ、お若いの。話を最後まで聞きなされ。 |
オレの方が年上やけどな・・・ |
ところがこちらのZ 24mm f /1.7は2023年11月現在、ヨドバシカメラでなんと! 税込40,700円となっております! |
「ところが」って、その2本のレンズにどんな関係があるんですか? |
実は・・・こちらのZ 24mm f /1.7、Z 50mm f /1.2と同じ思想で設計しております。 |
それはマコトでござるか! |
設計した本人が言うのですからマコトでござる。もちろん価格が大きく違いますし、焦点距離だって違いますから「同じ写りをします」なんてウソは言いません。でも設計で重視したポイントは同じなんです。 |
そのポイントとは? |
大きな美しいボケと立体感。そして硬くなりすぎない、柔らかな写りです。お求めやすい価格と取り回しのよいサイズを維持しつつそれらを実現するため、明るくできる限界ギリギリのF1.7を採用しました。 |
ボケと柔らかい写りについて、実際に使った方は、みなさん実感されているようですね。そういう感想をよく見聞きします。 |
カチッとした写りが好きな方も多くいらっしゃるので、そこは好みの分かれるところだと思いますが、このレンズの写りは「甘い」のではなく、「柔らかい」んです。その違いは実際に使ってみればお分かりいただけると思います。 |
開放F値に関しても、F2を1/3段明るくしたのがF1.8だけど、F1.7ではそれが1/2段になるんですよね。数字だけ見ればたった0.1だけど、そう考えると違いは大きいよね。 |
これは、いろんな人に使ってもらいたいレンズですよね。初心者からベテランまで、もちろんプロの方にだって。 |
その通りです。写りは抜群ですけど、ぜひ気軽に使ってもらいたいレンズです。そのための価格とサイズですから。 |
じゃあ、ここにしれっと購入ページへのリンクを貼っておきますね。読者の方がわざわざ探す手間を省けるように。 |
読者思いですねぇ(笑) |
- 1群1枚目 設立趣意書
- 2群1枚目 凸に始まり、凸に終わるのであります。- レンズとは、なんじゃらほい
- 2群2枚目 だから「収差」というのです。- とっても収まらない話
- コラム:原田研究員からのメール - 「例のレンズタイプの件」
- 2群3枚目 焦点距離のナゾ- それはいったいどこからどこまでじゃ
- 2群4枚目 エフチの「チ」 - あの数字の並びはいったいどこから来たのか
- 2群5枚目 ガラス作りとコーティング - レンズの要を忘れるべからず
- 2群6枚目 謎の写真用語・説をめぐるアレコレ - あなたは「でっこまひっこま」を知っているか
- 2群7枚目 続・エフチの「チ」 - レンズの開放F値ってどうやって決まるの?
- 3群1枚目 レンズ設計ことはじめ - 設計者の描く理想とは
- 3群2枚目 シミュレータと設計者 - 完成レンズを見通す、見極める
- 3群3枚目 ズーム再考(最高) - そもそもは航空用語だったらしいです
- 3群4枚目 やっぱり単焦点が好き - 「単」とは言え複雑で奥深い
- 3群5枚目 続・やっぱり単焦点が好き - レンズに込められた設計者の想い
- 3群6枚目 「商品企画」というお仕事 - 商品が生まれいづるところ
- 3群7枚目 試作のプロフェッショナルたち (前編) - 設計図と完成品のはざまで
- コラム:原田研究員からのメール - 「交換レンズは3本まで」という法律について
- 3群8枚目 試作のプロフェッショナルたち (後編) - ものづくりの最終工程で行われる試作とは
- 4群1枚目 Zマウントはこうして生まれた - 100年間変えられないことを、考えて、決める
- 4群2枚目 フード首脳会談 - レンズ設計のその果てに
- コラム:原田研究員からのメール - レンズの楽しみ方案内