PHOTO YODOBASHI

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SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/2000, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

SONY SEL20F18G FE 20mm F1.8 G

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

マウントアダプターを介さずに使えるレンズの選択肢が豊富であることはシステムを構築する上で重要なファクターです。今や目的や用途によって様々なレンズが選べるEマウントは、システムを構築していく上で真っ先に候補に上がってくる一つではないでしょうか。そのEマウントに、新たに大口径超広角単焦点レンズ FE 20mm F1.8 G が加わりました。レンズ名にある「G」はGレンズの証。高い描写性能と集光力、円形絞りによるなめらかで美しいボケ味、そして使い勝手やサイズ感といったものにも注力したレンズに与えられた称号です。そのGレンズシリーズの単焦点レンズとして2本目となる本レンズは、SONY製フルサイズEマウント単焦点レンズとしては最も広角となる20mmを実現したレンズ。開放F値1.8の明るさを誇りつつ、高い近接撮影能力(0.19m /AF時)に、精巧で静粛なAF駆動と、至れり尽くせりの性能を全長約85mm、質量約373gといったコンパクトなサイズにまとめてきました。フィールドワークや夜景・星空撮影にはもちろんのこと、使い勝手も良さそうなレンズですよね。また、APS-Cボディーにマウントさせるとフルサイズ換算30mm相当の画角となり、APS-Cユーザーにとっても待望のレンズと言えるかもしれません。今回は、フルサイズボディーとAPS-Cボディーにそれぞれマウントさせて撮影してきました。使い勝手を含め、その写りをじっくりご覧ください。

( Photography : KIMURAX / Text : TA )


PHOTO GALLERY with α7 III

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SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/1250, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

眼前に広がる風景を余すことなく写し込めるのはもちろんですが、あえて禁欲的に狭い空間で構えてみるのも一興です。実際の印象よりもカメラの露出は明るめだったので、ズバッとアンダーに振っての撮影。それなりに輝度差があったものの、シャドー部にもたっぷりと階調が感じられます。よく粘ってくれるものだなと、初っ端から感心しきり。気取ったシーンではありませんが、シャドーからハイライトへの流麗なつながりがいい雰囲気をもたらしています。

SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/5000, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

もろに逆光、しかも枝だらけ。通常はある程度絞って撮影したくなるシチュエーションですが、Gレンズの底力を見てみようと当然のごとく開放で。しかもフードなし(本レビュー全カット)。はい、ご覧の通りの有様で・・・突っ込みどころが見当たりません。満を持して、これだけの厳しい条件を揃えた挙句です。念のためRAWデータで幹のシャドー部の辺りを持ち上げてみましたが、樹皮の表情が克明に浮かび上がってくるではありませんか。徹底的な収差対策はもちろんのこと、センサーに届けている光の情報量が凄いことになっているのでしょう。

SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/800, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX


SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/160, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

AFは静かで、速く、正確。純正の安心感というか、そこはやはりGレンズ品質の一部でもあるでしょう。最短撮影距離はMF時に18cmまで寄れますが、AF利用時は19cmまでしかAFが効きませんので、近接撮影ではその点を頭の片隅に入れておけばよろしいかと。絞り開放、近接撮影、不安なし。ボケ味、発色、透明感、いいです。

SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/250, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

手前の水面の諧調表現も見事ですが、絞り開放でこの立体感にはPCで確認したとき驚きました。F1.8と欲張っていないせいか、開放からこれだけの切れ味で切り取ってくれるのですから実に頼もしいものです。

SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/500, F2.2, ISO100, Photo by KIMURAX


SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/500, F1.8, ISO400, Photo by KIMURAX

隙の無い描写を見せてくれるレンズですが、特に驚いたのがこちらのカット。開放F1.8での撮影です。とはいえ、超広角の大口径レンズですからどこかに破綻がみられてもおかしくはありません。しかしながらこの描写です。開放でこれだけ写るものですから、「高い点像再現性で、風景や夜景、星景撮影に威力を発揮」とメーカーが謳っているのも頷けます。有無を言わさぬ解像力を見ても納得です。絞り開放を積極的に使っていけるレンズなので、ISO感度の上昇もなだらかです。

SONY α7III, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/40, F2.2, ISO400, Photo by KIMURAX


PHOTO GALLERY with α6600

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SONY α6600, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/4000, F3.2, ISO100, Photo by KIMURAX

ここからはAPS-Cボディα6600にマウントしての試写です。画角は30mm相当となり、スナップ撮影にも重宝しそうですね。ソニーのAPS-C用レンズでは30mm相当の上級レンズは選択肢が限られるため、APS-Cボディユーザーにとって本レンズの登場は朗報ではないでしょうか。α6000シリーズの進化がめざましいこともあり、システムを小さくしたいなと考えている人にも納得の画質。現ユーザーであれば待っていましたの声が聞こえてきそうです。

SONY α6600, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/8, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

条件的にあまり好ましくはないシチュエーションでしたが、ご覧ください、この艶かしいホイール。条件が整っていないシーンでも、しっかりと仕事をしてくれる。だからこそ撮り手も安心して機材に委ねることが出来ます。さすがGレンズと言わざるをえません。

SONY α6600, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/1600, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

拡散した強めの入射光がある近接付近でのカットです。すごい解像力をみせてきたレンズが、拡散した強めの入射光での近接撮影という条件になると、あれれ?!となった経験はありませんか?本レンズではそのような心配はなさそうですね(笑)。被写体の起伏、艶感、色合いに至るまで忠実に再現しきっています。ピント面の薄さがよくわかりますが、ピークの切れも素晴らしいものです。

SONY α6600, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/4000, F2, ISO100, Photo by KIMURAX

高コントラストなシーンなんて屁の河童と言わんばかりの揺るぎのない描き込み。どうやら苦手なシーンがなさそうなレンズと言えそうです。

SONY α6600, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/1600, F1.8, ISO100, Photo by KIMURAX

高い解像力を有しながらも、ボケ味は至って柔らか。軽くナップするだけで、見慣れた光景をも印象的に描き込んでくれるレンズに、正直惚れます。

SONY α6600, SEL20F18G FE 20mm F1.8 G, 1/640, F9, ISO100, Photo by KIMURAX

ずば抜けた描写性能を誇る大口径超広角レンズ

いかがでしたか。2つのカメラボディーにマウントさせ様々なシーンで本レンズを使ってみましたが、まあ本当に良く写るレンズだなあと感心しきりでした。AFも爆速で静か。条件が整っていないシーンでも、しっかりと仕事をする。もちろん防塵防滴仕様と、撮り手が安心して機材に委ねることが出来るレンズです。超広角大口径ながら、開放から画面隅々まで安定した破綻のない写りは、間違いなくフィールドワークや夜景・星空撮影に大きなアドバンテージとなるでしょう。また、これだけの性能を持ち合わせながらレンズのサイズ感もよく練られており、おまけに近接から遠景の撮影まで、確かな描写性能がある。そしてなめらかで美しいボケ味と、様々なシーンでも活躍してくれそうです。操作性という点でも、カスタマイズ可能なフォーカスホールドボタン搭載はもちろんのこと、スイッチでクリック・デクリックの切り換えが可能な絞りリングの搭載と至れり尽せり。そしてご安心ください、超広角レンズながら67mmの各フィルターが装着可能です。もう本レンズを購入しない理由が見当たりません。


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  • タイムラグをほとんど感じさせない操作感

    Bluetooth対応の三脚機能付シューティンググリップの「GP-VPT2BT」。1月末の発売から人気を博しており、今回試写したFE 20mm F1.8G+APS-Cボディのコンパクトさを活かして組んでみました。サイズ感はご覧の通り。片手でしっかり握りやすい太さと長さのグリップ部。親指での操作もスムーズなボタンは左上から右回りに「シャッターボタン」「ムービーボタン」「ロックスイッチ」「C1ボタン」。そして中央縦長のが「ズームボタン」です。シャッターボタンの半押しでサックとAF、さらに押せばレリーズ。ワイヤレスということで心配されるタイムラグも体感レベルではまったく感じられず、操作感はサクサク。手持ちでの自撮りが簡単にできますし、グリップ部分は三脚にもなるので動画の自撮りにも重宝します。価格的にもリーズナブルですし、Bluetoothリモコンに対応するカメラをお持ちの方は要チェックな一品です。

( 2020.03.16 )

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焦点距離20mm開放F値1.8の明るいSONY純正レンズ。信頼の証でもあるGのマークが光ります。AFの信頼性はもとより、画面全域において解像力も抜群。広めの風景撮影や夜景撮影に欠かせないレンズです。APS-Cボディにマウントさせれば、使い勝手の良い換算30mm相当の画角となります。ヘビーユース間違い無しの一本です。

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高性能なカールツァイスMCプロテクター。大切なレンズをキズやホコリから守ってくれます。ケラレが発生しない薄型設計です。

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ソニーの最先端カメラ技術を凝縮したフルサイズミラーレスのベーシックモデル。センサーサイズと有効画素数のバランスがとても良い一台ではないでしょうか。発売当初から大人気のフルサイズミラーレス一眼カメラです。

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α6000シリーズのフラッグシップモデル。ボディ内手ブレ補正やタフなバッテリーライフ、最先端AF性能を小型ボディに凝縮させたAPS-Cセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ。個人的にオススメの一台です。

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発売当初から大人気のBluetooth対応・三脚機能付シューティンググリップです。ケーブル不要で自由度の高い撮影が可能です。

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