PHOTO YODOBASHI

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SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

SONY SEL2070G FE 20-70mm F4 G

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ソニーから絞り開放F4通しの標準ズームレンズの登場です。一般的に標準ズームと呼ばれるレンズの守備範囲は24-70mmというのが近頃の相場でしたが、今回のレンズは20-70mmとワイド端を超広角ゾーンへと踏み込んでいます。最もニーズの高いであろう焦点距離をカバーする標準ズームが、超広角の画角まで手に入れたわけですから引き合いが多くなりそうな予感のする一本。わずか4mmとはいえ、広角側の数ミリの違いは表現の幅にかなり効いてきます。光学系には特殊硝材の高度非球面AAレンズをはじめ、非球面レンズ、EDガラス、ED非球面レンズをビルトイン。美しい描写をもたらすGレンズですから力の入った贅沢な仕様は当然でしょう。サイズ感は全長99mm、重量は488g。開放値をF4と抑えたためか、20mm始まりの標準ズームとは思えない小型・軽量にまとめられていることに驚きます。ダイナミックな風景を眼前にした時はもちろん、ポートレートやスナップ、はたまた引きの無い室内にと、さまざまなシーンで活躍してくれるであろう「SONY FE 20-70mm F4 G」の写りをご覧いただきましょう。

( Photography & Text : KIMURAX )

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

ではワイド端の写りから見ていきましょう。絞り開放からこの解像感です。絞り込む必要をまったく感じさせない、精緻な描き込みではありませんか。ビルのタイル一枚一枚まで見えてきそうです。ご覧のように曇天とはいえそこそこ輝度差のあるシーンですが、ハイライトからシャドーへのトーンの連なりも至って自然です。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

路面のパターン以外の周辺を整理するためにワイド端から若干ズームしましたが、まだまだ気持ちいのいい伸びやかさが得られていますね。AFはほぼ無音、瞬時にそして確実に被写体を捉えてくれる優れもの。収まる範囲が広いのでフレーミングに多少もたついても、決まってしまえば即シャッターが切れる。そんなさりげないアシストのお陰で、シャッターチャンスをものにすることができます。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

それではワイド側で寄りの画はどうでしょうか。絞り開放値はF4と控えめではありますが、ボケ味は滑らか。どことなく品を感じさせる自然な馴染み方に好感が持てます。こういうところにGレンズのクオリティを感じずにはいられません。繊維まできめ細やかにトレースしているあたりは言わずもがなですね。


SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

絞り開放からよく解像するレンズですから、光芒を入れたいという場面は別として極度に絞り込む必要はほとんどないように感じます。こちらはテレ端70mmでのカット。被写界深度を稼ぐために開放から一段絞ったので、深度内にいい塩梅に収まってくれました。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

前後のボケにはクセがなくフォーカスエリアを際立たせてくれます。消火栓のぬめっとした質感や艶感まで丁寧に再現されていますね。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

こちらもテレ端になります。最短撮影距離(0.25m)での撮影。ひょっこり顔を出した太陽の強い日差しを受けていますが、色収差も大変よく抑えられています。


SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

もしやどぎつい発色を見せてくれるかも、と赤系を多めにフレームしてみましたが、この通り。見た時の鮮やかさを大げさにすることなく冷静にとでも言いましょうか、あるがままのいろどりを忠実に再現しています。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

ゆらめく細かな波形と一羽一羽のフォルムをきっちりキャプチャしているのがわかります。それにしてもAFの挙動は非の打ちどころがありません。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

何でもないような被写体を印象的に描いてくれる。結果にコミットしてくれる道具の存在は頼もしいものです。


SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

なめされた革の柔らかさが伝わってくるような写り。開放F4なりのボケ量ではありますが、さりげなく上質な雰囲気を漂わせているように感じます。

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

硬いものは硬く。冷たいものは冷たく。五感に訴えかけてくるものが確かにあります。


SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX

SONY α7C, SEL2070G FE 20-70mm F4 G, Photo by KIMURAX


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守備範囲は広い方がいい。まず、描写性能が良ければ。

まったくもって隙の見当たらない描写をするレンズではありませんか。光学的には超広角/広角/標準/中望遠という性格が異なるものを一本にまとめ上げつつ、ズーム全域に渡って高い描写性能を安定して発揮させるのですから恐れ入ります。ソニーのGレンズなんだからそりゃ当たり前でしょ、という声も聞こえてきそうですが。いえいえ、そんな難しいズームレンジで “G”クオリティのレンズを誕生させたとはサスガです。超広角ゾーンをカバーしているので歪曲にはカメラ側の自動補正が入りますが、光学性能と電子補正それぞれに役割分担させたおかげで小型・軽量化という恩恵も得られています。また、手ブレ補正機構は非搭載ですが、ソニーの現行フルサイズミラーレスならボディ内手ブレ補正が活用できるので心配には及びません。このサイズ感ですから持ち運びは楽々、サクサクとスナップできる。旅行に連れ出せばこれ一本だけで優美な画が残せる。標準ズームのステップアップを考えている方はもちろん、超広角もカバーできる高性能な標準ズームというソニーからの新しい提案にビビッときた方は、とにかく手にしてみてください。きっと間違いありませんよ。

( 2023.02.24 )

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24mmからわずか4mm焦点域が広がっただけで撮れる世界が俄然広がりました。これからの標準ズームレンズのスタンダード・レンジを存分にお楽しみください。

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せっかくのGレンズですから、最高峰を謳う保護フィルターで。

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