PHOTO YODOBASHI

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SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by KIMURAX

Carl Zeiss Loxia 2.8/21

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

ソニー・Eマウント用、特にα7系のボディ専用に設計されたZEISS LOXIAシリーズはコンパクトなマニュアルフォーカスレンズとして、これまでも抜群のキレを見せてました。今回紹介のLoxia 2.8/21は、現時点でのLoxiaシリーズで最もワイドになりますので広角単焦点がお好きの方もLoxiaファンの方も注目していることでしょう。少しだけスペックに触れておきますと全長72mm、重量394gと大変コンパクト。レンズ構成はこのサイズながら9群11枚とぎっしり詰まっている印象。絞りリングのクリックをOFFにすることもできるので本格的なムービーの撮影にも質の高い映像が期待できます。よく写って当たり前のこのご時世にこの価格ですので本レンズの写りにも当然期待が高まります。今回のロケでは都会の風景と少し郊外の風景でコントラストをつけて見ました。広角単焦点マニュアルフォーカスでじっくりと撮ってきた作例をご覧ください。


SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by KIMURAX

URBAN WIDE 21

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by KIMURAX

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by KIMURAX

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by KIMURAX

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by KIMURAX

大胆かつ繊細に。胸のすくようなキレ味に魅せられる。

久々に手にしたMF単焦点レンズ。あっ、あれを撮ろうと思い立ってからファインダーを覗き、フォーカスしたいところを部分拡大、ピントを確認しながらフォーカスリングを操る。重すぎず、そして軽すぎることもない、適度にして上質なトルク感が指先から伝わってきます。被写体の細部にまで気を配りながら、じっくりとそして丁寧にシャッターを切っている自分がいることにふと気付きました。AF?そりゃ便利ですよ。そこは否定しがたい事実ではありますが、このMFレンズでシャッターを切るまでのひとつひとつの動作に、不思議と緊張感が走るのです。それは決して嫌なものではなく、むしろ心地よい緊張感とでも申しましょうか。ピントを外したら全て自分の責任、というワンカットへの集中力の高まりなのかもしれません。ここまで作例カットをご覧頂きもうお気づきでしょうが、とにかくシャープな像を結ぶレンズです。胸のすくようなキレ味そして歪まない。直線はどこまでもまっすぐに。大胆な画角にしてこの繊細な描写こそが、「Loxia 2.8/21」らしさといってしまっていいような気がします。そして広角系ながらスリムに仕立てられた精緻な鏡胴。コンパクトながらズッシリとしたその手応えに、いい素材がギュッと凝縮されているのだなと感じ取れるわけです。青地に白文字のZEISSマークのバイアスではありません。いい写真が撮れる予感がするレンズ。こういう確かな道具は常に身近に置いておきたいものです。(KIMURAX)


SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

まいにち。

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

SONY α7R, ZEISS Loxia 2.8/21, Photo by Rica

スマホ時代の広角レンズ、実はオールラウンダーかもしれません。

SONY Eマウントの広角レンズはミラーレス機のショートフランジバックというメリットも手伝って、各社10mm台からラインナップが豊富に揃う最も層の厚いゾーンです。「ZEISS Loxia 2.8/21」は、マニュアルフォーカスのフルサイズEマウント用レンズシリーズLoxiaにラインナップされている広角21mm。MFということもあり、スリムかつコンパクトなレンズとなっています。手にしてみると金属製の鏡胴はひんやりと心地よく、ほどよい重量感があってボディとのバランスもよいと感じました。撮影の際にはレンズにある絞り環で絞りを設定し、ピントを自身で合わせて撮影するのですが、この一連の動作が、AFに頼りきり、またはスマートフォンに慣れている日常において、撮影者の背筋を伸ばしてくれ、写真の基本に立ち返らせてくれます。ピントをMFでしっかりと追い込みシャッターを切ると、自分がピントを合わせたいところ、撮りたいと思ったところにきちんとピントが合った写真が撮れます。これはごく普通のことなのですが、AFやスマホに頼る日々の撮影のなかで、ビシっとピントの合った写真というのは意外と撮れていないのかもしれない。なんとなくどこかにピントが合っていて、なんとなくいい感じに撮れている。そういうことに慣れてしまっているんじゃないかとあらためて考え直してしまいました。実はMFレンズを使うたびにそう思うのですが……。じっくりと被写体を見つめ、ピントを合わせるという行為は撮影に対するスピード感こそありませんが、その瞬間に集中でき、何か浄化されていく感覚を味わうことができると思います。そこには絶妙なトルク感のフォーカスリングが私たちを支えてくれており、ピント合わせのしやすい大きめの回転角も、違和感なく、というよりとても自然に操作できる角度が設定されています。もちろん絞りと距離をあらかじめ合わせておき、撮りたいと思った瞬間にシャッターを切ればスピーディかつスマートに撮影することも可能です(海外の某有名写真家がこれを“私の最速のAFだ”と言っていました!)。

ツァイスレンズに感じる魅力は、良好なコントラスト、そして太すぎることはないけれど、しっかりとした線の描写、色のりのよさや、絶妙なゆらぎ感。開放絞り時、逆光での撮影では若干フリンジが出ますが、限られた条件下でのことですから回避は可能。ゆがみも良好に補正されており、遠景での撮影時にものびやかな線を描いてくれます。さらに、開放F2.8で被写体にグっと迫れば滑らかで自然なボケを堪能でき、このボケのボリューム感は広角レンズとは思えぬほど豊かです。ピントピークのキレはカミソリ級とはいきませんが、ナチュラルなデフォーカスがピントの合ったところへ視線を自然と誘導してくれるバランスのよい画が得られます。また、質感の描き分けが見事で、特に金属系の質感描写はその硬さまで伝わってくるようです。

LoxiaシリーズのレンズはMFのシンプルな作りとなっており、長く愛用していけるレンズだと思います。しかも、近年スマートフォンでの撮影に慣れている方にとって、広角レンズはとても身近な画角。引いてよし、寄ってよし。さまざまな被写体に挑んでいくことができ、実はこの時代において日常的な撮影にはオールラウンダーとも呼べるのではないかと思います。(Rica)


  • PHOTO YODOBASHI都内では有名すぎる撮影スポットの東京国際フォーラムですが、本レンズの凄さをお見せするのは“ここだ”と真っ先に思い浮かびました。被写体そのもののダイナミックさと繊細さが余すところなく再現されていると思います。(KIMURAX)
  • PHOTO YODOBASHI広角系だからって風景ばかりが能ではありません。本レンズの緻密な描写は接近戦でも遺憾なく発揮され、被写体の細部までをも容赦なく描き出します。ガラス越しですが、生地の質感なんてレベルじゃないですね。リアルそのものです。(KIMURAX)
  • PHOTO YODOBASHI駄菓子屋さんで発見した昔懐かしいパチンコ台。少しやれた質感がリアルに描き出されています。最短撮影距離は0.25mと短いので、広角レンズに苦手意識のある方は被写体にグっと近づいて撮影してみると親しみやすいかもしれません。(Rica)
  • PHOTO YODOBASHI逆光での撮影では若干フリンジが出ますが画が破綻してしまうほどではありません。むしろ、こんな風に高周波な被写体を撮影した際の解像感の方に感動を覚えてしまいます。開放での撮影では少し前後がボケて奥行感が出ます。(Rica)

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)


PHOTO YODOBASHI

じっくりと今を写す。

きっと写りはいいはずというハードルが上がっている状態で見ても、悔しいくらいにやっぱりよく写るな。という印象を受けました。コンパクトでありつつ写りがシャープでしっかり奥行き感もありLoxiaらしい色のり、そしてボディとのベストなマッチング。賢くてイケメンで、細マッチョみたいなレンズですね。確かにいい値段はしますが、最高という称号をお金で買えると思えば安いものです。何も一括で支払わなくてもいいのです。間違いなく長く使うレンズですし、何と言っても今が大事なのですから。

( 2018.11.01 )

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ソニーEマウント専用のフルサイズ広角単焦点レンズ21mm。α7シリーズまたはα9の所有者であれば気になる一本。高次元な写りを実現したLoxiaシリーズの最広角レンズです。

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良いレンズには良いフィルターをつけましょう。純正品で揃えることをお勧めします。

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