PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

OLYMPUS STYLUS 1 / SHOOTING REPORT

ミラーレス一眼のOM-Dを彷彿とさせるルックス。オリンパスのフラッグシップ機の流れを受け継ぐデザインや操作性を凝縮しているとあって、メーカーの意気込みを感じせるハイエンド・コンパクトです。その象徴的なペンタ部には視野率約100%の電子ビューファインダーを備え、ストロボも内蔵しています。ズームレンズは扱いやすい28mm相当(35mm判換算)からスタートし、望遠は300mm相当の画角までカバー。光学10.7倍ながら、開放F値は全域でF2.8となる大口径レンズ。もちろん3段相当の減光ができるNDフィルターも備えており、ついつい開放して撮影したくなるというものです。これだけコンパクトなボディながら、お散歩スナップから風景撮影やスポーツシーンなどにと使い出は十分。ということで早速実機を試してまいりましたので、そのクオリティと実力の程を作例カットにてお確かめください。

( Photography : M.Ito / Text : KIMURAX )

開放の画も楽しみですが、少し絞り込んだ画をまず。いかがでしょう、被写体のエッジをしっかりと描ききるこのシャープさ。コントラスト、キレ、共に申し分なく、クリアな描写です。有効画素数約1200万画素の1/1.7型CMOSセンサーですから、ハイエンドモデルとしては一般的なセンサーサイズ。レンズの素性がよいことが窺い知れます。

コンパクトデジカメとは言えども、ハイエンドクラスになると高感度に振ってもノイズの粗が目立ちにくいのです。目を皿のようにしてよくよく見れば有るには有るのですが、潰し方がかなり巧くなっているのですよね。上の作例カットはISO400での撮影ですが、まったくと言っていいほど問題はなく、ISO 800あたりまでゲインアップしても十分常用できるなという印象。ワインボトルの艶感も失われること無くその流麗なシルエットを、程よい立体感を伴いながら描き出しています。なにせ、F2.8通しのズームレンズですから、高感度に頼るということも頻繁にはないでしょうが、いざという時にはしっかり頼れるというのは心強いですね。

通常の最短撮影距離は、ワイド端10cm~テレ端80cmとなっておりますが、マクロモードなら5cm~60cmとさらに寄れます。いかがでしょうかこの解像感。プルンと隆起した雫のフォルムも臨場感たっぷりに描き込まれています。絞り開放でも十分にキレが感じられる一方で、ボケは至ってなだらか。広角から望遠という守備範囲の広さに加えてクローズアップまでこなすというのですから、呆れるほどの頼もしさです。身近な被写体を大きく写すというだけでも実に楽しいもので、しかも仕上がりがよいとなれば益々のめり込んでしまうこと必至。。。ご注意くださいませ(笑)。

世界遺産の頂を、300mm相当(35mm判換算)となる画角にて撮影。高倍率ズームとなるとテレ端の描写に、届かないよりはマシだよねという多少の妥協もでてくるものですが、Stylus 1ならそんな心配どこ吹く風。画面の隅までしっかりしていて、空、富士、林のレイヤーがきっちりと表現されています。センサーサイズのことも勘案すれば、十二分の描き込みです。こういった望遠撮影に限らず、近接撮影でも感じたのは手ぶれ補正の威力。レンズの明るさもあるものの、手持ちでも安心して撮影できました。電子ビューファインダーを覗きながらの安定した姿勢ももちろん効いているのでしょう。また本機には、Wi-Fi機能が備えられており、通信可能な範囲内でスマートフォンからの遠隔撮影が可能。画像転送機能もあるので、スマートフォンへ撮影画像を送ってシェアするなんて使い方もできます。こんなズームアップは、スマートフォンには真似できませんからぜひ活用したいところです。

こちらもテレ端でのカットです。こういったシーンで必須となるのが露出補正。補正したカットも押さえましたが、出た目で明暗バランスよく描ききっていた補正無しを掲載しました。反射光が飽和することなく、しっかりと抑えられています。トーンの繋がりもセンサーサイズの割にはいいですよね。ひとつ前のカットでも触れましたが、不安のないテレ端の描写です。AFも迷わずビシッと合焦するあたり感心させられました。さて、こういった場所では高めの柵があったりして、思い通りのアングルに構えづらい事もしばしば。本機のタッチパネル液晶はカメラ背面に対して上に約80°、下には約50度のチルトができます。こちらのカットは腕を高く伸ばして撮影しました。液晶画面をきちんと確認しながら、自由度のあるアングルで狙えるのはありがたいことです。

夕暮れ間近の優しい光。その雰囲気がたっぷりと伝わってきます。十分にシャープネスが感じられ、像のマットな質感から形状までもよく再現されており、見た目に忠実な写りをみせてくれました。大型センサーを積み込んだモデルやミラーレス一眼などから比べると、やや控えめなセンサーサイズですが、その限られた面積を余すことなく活用し、丁寧に磨き上げた画作りをしているなという印象で、好感が持てます。


守備範囲の広さに、画のクオリティに、これ一台で充分だと思わせる説得力。

広角から望遠まで、ハイエンドモデルらしい安定した描写を見せてくれました。撮れないものは水中ぐらいなもので(笑)、あらゆる被写体の撮りたいと思った瞬間を、さっと持ち帰ることができる。常に持ち歩きたいと感じさせられた1台です。しっかりとしたホールド感、機能を割り当てられるコントロールリングやサブダイヤルの操作感、電子ビューファインダーを覗きこんだときの没入感、素早く合焦するAFのスピード感…。そのひとつひとつの感覚が、撮るという行為自体をより心地よくしてくれているのだと実感することができました。コンパクトながらもボケを楽しんだり、表現力豊かな写真を撮ることができるカメラですから、これから写真を始めてみたいなと思い出した方が手にしたら、きっとよき相棒となるはず。「アートフィルター」でオリジナリティあふれる作品作りに挑戦するのも楽しそうですしね。もちろんサブカメラとしてお考えになっている方には打ってつけの選択肢。ずっしりとした大きな望遠レンズを連れ出す必要もなくなります。しかも大口径レンズとなれば申し分ないでしょう。使い込むうちにこれ1台で充分だ、と思わせてくれるような実力派のハイエンド・コンパクトですから。まずはぜひ一度、実際に手にしてみてください。常に持ち歩けることで「これは!」というシーンとの出会いも、しっかりものにできますよ。

( 2013.11.30 )

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F2.8通しのズームレンズ、精悍なルックス、使いやすいダイヤルやボタン類、ホールディングの良いグリップ。一眼顔負けのコンパクトカメラです。

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普段使いにも、ちょっと気分を変えたいときにも、うってつけのアイテムです。

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テレコンを使うと35mm判フルサイズ換算で1020mm相当までズームできます。しかもF2.8のまま!
※ご使用の際には別売りのアダプターCLA-13が必要となります。

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ということで、テレコンのご利用にはこちらを。

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