PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/25, F22, ISO 200, Photo by K

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark Ⅱ / SHOOTING REPORT

OM-D E-M5が「MarkⅡ」と二代目になりました。初代がリリースされた数年前のCP+(だったと記憶)で、タッチアンドトライに長蛇の列ができたのが、ついこの間のようです。実は初代の実写レビューを担当したのも筆者でした。したがって二代目のOM-D E-M5 MarkⅡがどのように進化したのか、テストを大変楽しみにしていました。ざっと相違点を見渡すと一見旧モデルの小変更かと感じるのですが、実際撮影に持ち出してみると随分進化したなあという印象です。まずEVFがOM-D E-M1譲りになって、抜群に見えがよくなりました。何より倍率が高くなったのはかなりありがたいアップデートですね。5軸VCM手ブレ補正がさらに進化しました。上の写真はシャッタースピード1/25で、ワイド側に近い焦点距離での撮影となりますが、この程度は朝飯前。下の方の作例で紹介しますが、1秒近くが何カットか止まったのには本当に驚きました。センサー式手ブレ補正はレンズ内式に比べて、少々弱いかなあという個人的な印象だったのですが、見事に覆されました。もちろん35mmフルサイズのセンサーに比べれば小さなセンサーなので有利かもしれません。これもパッケージングがもたらす一つのメリットですよね。このセンサーシフト式の手ブレ補正機構を活用して、0.5ピクセルずつセンサーを8回動かして撮像し、40Mピクセル相当の画像を叩き出す、ハイレゾショット機能を搭載してきました。いわゆるステッチング撮影に近いものだと思いますが、プロの世界では大きな画像が欲しい時によく使われる手法でもあります。もちろん極めてアナログ的な撮影方法ですが、こちらは2秒でカメラが自動で行ってくれます。少し試してみましたが、これが失礼な話かも知れませんが「なんちゃって」な機能では全くありません。極めて高精細な大きな画像が得られます。三脚に据えて動かないものを撮影するのであれば、これは有用な機能でしょう。画像サイズが大きいほどトリミングの自由度があがります。その他各部のアップデートや、その印象について、作例を交えながらご紹介したいと思います。

( Photography & Text : K )

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/60, F8, ISO 1600, Photo by K

私事ですが、日頃の撮影は殆どがストリートスナップです。カメラはできる限り小さく、レンズも小さいことが望ましく、撮影の殆どはレンジファインダーカメラとなります。そうなると、必然的に単焦点レンズで50mmあたりまでとなります。人間の目は極めて優秀なズームレンズ?みたいなもので、感覚的には12mm程度から咄嗟の際には500mm程度をカバーするのではないかと個人的に思います。「ああここで長玉があれば…」と思うことは日頃頻繁にあったりするのですが、それを叶えようと思うと、重くて大きく、勇ましい音のするカメラを手にするしかありません。35mmフルサイズのような画質を望まなければ、高倍率ズームを搭載したコンパクトデジタルという選択肢もありますが、できれば「より高画質で」「1台でまとめたい」とまあ、わがままかつ横着なことを考えてしまうのです。そんなときにOM-D E-M5 MarkⅡと、今回同時にテストした二台目となるM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150 F4.0-5.6 Ⅱの組み合わせは驚くほどコンパクト。テレ端がF5.6でこのサイズは素晴らしいと感じます。そして高倍率なのにも関わらず「よく写るなあ」と感心する1本です。AFもキビキビ動いて、街中でのテレ端スナップが面白い! 上の写真は屋外広告をバックに撮影しています。像が甘く感じるのは、長大サイズのプリントにピントを置いているためです。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/1000, F5.6, ISO 200, Photo by K

先代を使ってきた印象と比べれば、画に潤いが出てきたなあと感じます。先代だと、もう少しハイビジョンTVを見ているかのような雰囲気があったのですが、このあたりは映像エンジンの関係からでしょうか。階調再現が巧みになった印象です。傘の質感、載る水滴の雰囲気がよく再現されています。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/320, F5.6, ISO 200, Photo by K

雨が続くと、テスト撮影がつらい(笑)ひと雨ごとに春が一足ずつ近づいてくるのでしょうね。光が十分に回っていれば、よい画を作るカメラはたくさんあります。と、申しますか、最近のカメラはどれもそうですね。しかし、光量に乏しいフラットなシーンは、カメラの地力が出るのです。なかなかよい画を結ぶ印象です。こんなシーンでの画作りというのは、性能云々というよりも、どんな画を作りたいか、各メーカーの考え方と姿勢がよく伺えると思います。某社のスマートフォンに搭載されたカメラの写りが「いい!」というのは、このあたりが関係するのかもしれませんね。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/400, F5.6, ISO 200, Photo by K

雨の中撮り歩いていると、透明ビニール傘の圧倒的なシェアに驚かされます(笑)傘のビニールの柔らかさや雨滴の質感の再現も素晴らしいですが、実に繊細に像を結んだ上でとにかくシャープですね。このあたりはローパスレスなことも大きく影響していると感じます。レンズもこの倍率を考えれば、本当によく写ります。話は変わりますが、ボディやレンズが防塵防滴なのは本当にありがたいですね。先日、雪の降る地域で撮影をしていたのですが、バッテリーは頻繁にドロップするわ、とにかく濡れて壊れないように気を遣うため、撮影に専念できませんでした。高倍率&防塵防滴&全体でコンパクトなこのカメラがあれば、本当にストレスフリーだろうなあと雨の撮影の中、余計に感じました。傘もささずにフードをつっかぶって、散々濡れながら撮影しましたが、全く問題ありませんでした。つくづくカメラは「撮れること」が一番大事だなあと感じる次第です。


OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/3200, F4, ISO 200, Photo by K

さて、締め切り1日前にようやく晴れました(苦笑)ほぼワイド端での撮影です。ワイド端・テレ端で若干お約束の歪曲が感じられるのですが、このレンズはよく抑えられていると感じます。しかしシャープです。ボディ&レンズ双方の力でしょう。先代に比べて、ハイライトの描写が柔らかくなりました。先代であれば、もっとアンダーに振るか、逆にド・オーバーに振るか考えるシーンです。カメラの露出計がかなり優秀で、出た目はもう1段明るく、そのまま適正と言える露出でした。足場の影が伸びるのが面白くて、1段アンダーで撮影。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/1250, F5.6, ISO 200, Photo by K日差しを浴びると、前日までの憂鬱な気分も吹っ飛びます。2月も終盤にさしかかると、日差しさえあれば春を感じさせますね。EVFの倍率アップは大変ありがたく、ピントの確認が大変楽になりました。AFはかなり優秀で、レンズの被写界深度が深いということもありますが、殆どMFを必要としません。合ってるか合っていないのか、確認のためのピーキングも必要無いほどに見えがよくなりました。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/1250, F4.3, ISO 200, Photo by K少し懐かしめなコンパクトデジタルで撮影する男性。髪の毛1本がきちんと見えますね。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/250, F5.6, ISO 200, Photo by Kこの季節特有の、頬をあっためてくれる日差しの雰囲気をよく再現してくれています。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/125, F4.3, ISO 400, Photo by K


OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/2500, F4.5, ISO 200, Photo by K

さて、海に持ち出してみましょう。OM-D E-M1で「本当によくなったなあ」と感じたものですが、こちらOM-D E-M5 MarkⅡで同じ印象を受けます。色乗りもよいのですが、妙な誇張感は無く、見た目に忠実な写りですね。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/1250, F5.6, ISO 200, Photo by K

さすがにコンパクトデジタルほどの深度の深さは無く、ピントを電柱に置くと背景はボケます。30m近くの距離だったと思いますが、この距離で電柱の質感が感じられるのは大したものです。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/3200, F4.2, ISO 200, Photo by K

いかがでしょう、この網の描写。繊細かつ1本1本を見事に解像し、しかもナチュラルなシャープさを感じます。奥の小屋に網を引き込み、なにやら補修作業を感じさせるのですが、毎度毎度思いますが次回このようになった網はちゃんと使えるのでしょうか(笑)

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/2000, F6.3, ISO 200, Photo by K

スポット的に光が差し込んでいたので、背景を真っ黒に落として撮影。淀みの無いクリアな描写です。ボディ&レンズのシャープさが、このクリアさを作ることができるのだと思います。

OLYMPUS OM-D E-M5, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4-5.6 II, 1/4000, F5.6, ISO 200, Photo by K

最後に、カメラの出た目から2.7段開けた画を。トーンの連なりは如何ですか? アンダー側に振ってポジ的に、オーバーに振ればネガ的に。画作りに懐の深さを感じたテスト撮影でした。


徹底的にシステムとしての完成度を磨き込む、オリンパスの哲学を感じるアップデート

フィルムOMの時代から、できる限りコンパクトで手に余らないカメラシステムを探求していたのがオリンパス。デジタル時代に入ってからは、センサーの物理サイズと画素数ウォーズから少し離れた場所で、システムトータルで見た時の画質・ハンドリングなどを総合的に勘案し、レンズのイメージサークルとセンサーサイズを決め、現在のマイクロフォーサーズというシステムを作り上げています。より写真をたくさんの人々にとって身近とし、「できない」を「できる」に変えるためのシステムのグランドデザイン、できる限り高画質を提供するための妥協の無い(オーバークオリティな)レンズ作り。Penシリーズやアートフィルタなど、一見すると、オリンパスの骨太な哲学もほわんと霞んでしまいそうですが(笑)実に実直というよりは愚直にカメラを作っている印象です。Penシリーズやアートフィルタなども、要は写真・カメラファンの裾野を広げるものですよね。実際写りは素晴らしいですから。

小さなボディに、レンズ内式では難しい回転ブレにさえ対応する5軸手ブレ補正を入れ、センサーサイズからすれば大きな像を実現するEVFを搭載し、フラッグシップと肩を並べる画を結ぶ映像エンジンを搭載。防塵防滴で全天候に対応し、低温対応までも実現。オリンパスのカメラは、システムチャートで何処に位置するカメラでも金太郎飴のように、このシステムが持つ魅力を享受することができます。それは先にも記した通り、システムサイズそのものと画質の兼ね合いより、写真を身近なものにし、システムのトータルデザインで、できる限り高画質を実現するというものです。常に帯同するカメラ、その出会ったシーンで確実に画を残す、そんな手元に常に置く1台として、さらによくなった、そんな印象です。


  • さて、注目のハイレゾショットです。こちらは通常撮影カット。※クリックで原寸画像が表示されます。

  • こちらはハイレゾにて撮影しました。長辺7000px超えの40Mです。なるほど、左側マンションのエアコン室外機の描写などをご覧ください。「加工しました!」なんて雰囲気のものではありません。素晴らしい描写です。撮影も三脚に据えてシャッターを1度押すのみ。あとは2秒程度待たされますが、あっけなくこのサイズの画像がカメラ内で作られ記録されます。

  • 少し寄った画も。質感再現、背面のトーンなどいかがでしょうか。

  • ISO400での撮影。ほぼ最短です。

  • ほぼ1秒手持ち。止まりませんよね、普通。。。

( 2015.02.20 )

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これほど完成度が高く、コンパクトなシステムはありません。信頼性の高い防塵防滴ボディはあらゆるフィールドで確実によい結果をもたらしてくれます。OM-D E-M5の第二章の幕開けです。

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世界最高レベルを誇る5軸手ブレ補正を内蔵しながらも、このボディサイズ。高い基本性能で、本格的撮影から日常の1枚までどんな時でも撮影者に寄り添ってくれる1台です。

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フルサイズ換算28-300mm相当となる10倍超ズームレンズをボディに組み合わせました。高倍率ズームと侮れない、オリンパスの高い技術力を感じていただけるキットです。

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多くの機材を選べない厳しい条件の時でも、この組み合わせなら不満は感じません。もちろんレンズも防塵防滴です。

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コンパクトなボディにはコンパクトなレンズを組み合わせたいですよね。日常で扱いやすい広角〜中望遠を幅広くカバーしたキットです。

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初めてのミラーレス一眼としておすすめしたい、バランスよくまとまったボディ・レンズのキットです。スタイルもいいですよね。

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専用のグリップにパワーバッテリーホルダーをセットにしました。長時間の撮影に加え、縦位置撮影や大きなレンズとの相性は抜群です。

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たいへんコンパクトなカメラですから、手の大きな方にはグリップの装着をおすすめします。驚くほどホールディングがしやすくなります。

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本体に付属するものと同じバッテリー。ひとつスペアを持っているだけで、安心感は大きく違います。

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バッテリーを2個以上お持ちの方は充電器ももうひとつ。自宅と仕事場のようにそれぞれに置いておくのもいいですよね。

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