PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

OLYMPUS PEN E-P7 / SHOOTING REPORT

お待たせしました、今回レビューをお届けするのは「OLYMPUS PEN E-P7」です。オリンパスが初めて世に放ったPEN E-P1(2009年)はミラーレス一眼カメラの草分け的存在。先代モデルとなるPEN E-P5(2013年)の登場から実に8年ぶりのリニューアルとなります。“E-PL”や“F”など、PENシリーズのバリエーションモデルのリリースもあった為か、そんなに久しぶりのこと?と驚いたのが正直なところ。オリンパスブランド内ではエントリーユーザー向けに位置付けられていますが、歴代モデルを見渡しても“写り”に妥協は感じず。それでいて非常にコンパクトなシステムということとも相まって、写真歴が長い人たちからの支持も厚く、本機の登場は注目度が高いことでしょう。今回は単焦点レンズの「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」と、キットレンズとしても用意されている「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を使い撮影してきました。機能・性能がどのように進化したのか確認しつつ、実際の作例でその成果の程をご覧頂きたいと思います。

( Photography : TAK / Text : KIMURAX )


LOOK & FEEL

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ぱっと見のデザインはクラシカルなPEN-Fの雰囲気に近しくもありなら、ファインダーレスとすることでPENシリーズ直近のモデルであるE-PL10の流れを汲んでいるように感じます。軍艦部分のダイヤルはアルミ削り出しで、モードダイヤルの他に2つのダイヤルを備え、絞りやシャッタースピードそして露出補正など直感的な操作が可能。向かってレンズの左下には「プロファイルコントロールスイッチ」を配置。カラープロファイルコントロール、モノクロプロファイルコントロールをダイレクトに呼び出すことができます。

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背面にはサムグリップが設けられており、フロントグリップと併せてしっかりっとホールドすることができます。また、ポップアップ式の内蔵ストロボも備えています。

  • PHOTO YODOBASHIタッチ操作にも対応する3.0型のチルト可動式液晶モニター(約104万ドット)は上方向80度、下方向には180度のチルトが可能。180度開くと自動的に自分撮りモードに切り替わる機能もあります。
  • PHOTO YODOBASHISDカードスロットは、高速でのデータ書き込みが可能なUHS-IIに対応。バッテリーは「BLS-50」で、E-PL10などと共通です。USB Micro-B端子とHDMIマイクロ端子(Type D)を搭載し、USB充電にも対応しています。

SPEC OVERVIEW

製品名 PEN E-P7
発売時期 2021年6月
センサー 2030万画素 4/3型 Live MOS
画像処理エンジン TruePic VIII
液晶モニター 3.0型チルト可動式(静電容量方式タッチパネル)、約104万ドット
ISO感度 常用:200~25600、拡張:約100相当
手ぶれ補正 撮像センサーシフト式5軸、最大4.5段分
連写機能 連写H:約8.7コマ/秒、静音連写H:約15コマ/秒
測距点 コントラストAF:121点
顔認証 顔優先AF/瞳優先AF
動画機能 4K(3840×2160)~30p、フルHD(1920×1080)~ 60p、HD(1280×720)~ 60p、ハイスピード動画(1280×720 / MOV)120fps
その他 内蔵フラッシュ、Bluetooth4.2、USB充電対応
幅 × 高さ × 奥行き 約 118.3mm×68.5mm×38.1mm
本体重量 289g

PHOTO GALLERY

OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

まずは画作りの全体的な素性を見てみましょう。やはり、2030万画素Live MOSセンサーと画像処理エンジン「TruePic VIII」の組み合わせが効いています。外装のサビや風化の具合がきめ細かく捉えられていて、少し湿度のある現場の空気さえ感じさせてくれます。レトロなガラスが反射する風景の揺らぎもリアルに再現されていますし、落ち着いた発色で被写体を忠実に描いています。右上のハイライトを少し飛ばすつもりで撮っていますが、ハイからハイエストまでのグラデーションにも厚みがあります。

 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

解像力もこの通り。まさに目が痛くなるほどにシャープですが、センサーのサイズと画素数から想像する水準の上を行く高画質です。とはいえ、マイクロフォーサーズはフォーサーズの頃からレンズ性能の高さが際立っていました。キットの標準ズームレンズですらこのレベルですから、納得がいきます。

 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

全体のキレもさることながら、ツヤの描き方にも色気があります。晴天、ほぼ真上からの遠慮のない太陽光ですが、ハイライトが下品に飛んでしまうなんてことは皆無です。それでいて、強い光で金属のようにも見えるハスの硬い質感はしっかりと伝わってきます。色再現も秀逸で、リアルそのものです。岸辺から両手を伸ばして真俯瞰で撮っていますが、チルト式液晶モニターのおかげで、画を確認しながら池にダイブインすることなく撮影することができました。

 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

感度をISO 6400まで上げています。ノイズは載るのですが、ノイジーではありません。「TruePic VIII」になって、処理が一層巧みになったようです。中望遠域で絞っても速いシャッターが使えるわけで、これは色々と使い道がありそうですね。

 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK


 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

E-P7の看板機能である、プロファイルコントロール。画質の微調整ができるカメラは他にもありますが、そのための専用レバーを備え、好みの仕上がりをダイレクトに呼び出せるカメラはPEN-Fだけでした。同じことが、本機でもできるのです。プロファイルコントロールにはカラーとモノクロがあり、それぞれ4つのプリセットが搭載されています。そして更に、「彩度」(カラー用)、「カラーフィルター」(モノクロ用)、「シェーディング」(周辺の露出)、「ハイライト&シャドウ」を細かくコントロールすることで、より自分好みに仕上げることができます。こちらのカットでは、2つ目のプリセットで濃厚さと渋さが特徴の「COLOR2:クラシックフィルム リッチカラー」を起点として、そこからブルー系の彩度を上げ、シェーディングを「-3」にし、ハイライトを「+4」、シャドウを「-4」に調整しています。

 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK

こちらのカットではモノクロのプロファイルコントロールの2つめのプリセット、「MONO2:クラシックフィルム モノクロ」を選んでいます。ざらっとした粒状性が特徴ですが、最低感度とは思えぬ「荒れ」がちょっとカッコいいです。これだけで1日中撮ってみたくなるような味わいがレバー操作一つで得られるのですから、楽しくないはずがありません。申し遅れましたが、AFも瞬時にピタッと合ってくれますし、高い連写能力と相まって小気味良くシャッターが切れます。タッチAFと相性も抜群なので、スナップ撮影も思いのままですね。

 OLYMPUS PEN E-P7, M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ, Photo by TAK


PHOTO YODOBASHI

先代を持っている人にも、そうでない人にもすすめたくなる。

いかがでしたかこの写り。期待通りというか、階調がリッチになり精細さも増したなというのが第一印象です。先代のE-P5 から画素数を積み増し2030万画素となり、最新の画像処理エンジンを載せた効果がてきめんに表れているのでしょう。もちろんAFは目に見えて速くなり、合焦率も上がっているなと感じられる。そんな撮影時のストレスフリーが、PENシリーズの持ち味である“軽快さ”にいっそう拍車を掛けたように思います。スマートフォン撮影からのステップアップ層を視野に入れたであろうファインダーレス化、自撮り撮影への対応、色調や粒状表現ができるプロファイルコントロールの充実など、ユーザー本位の機能の取捨選択も進みました。ざっくり言ってしまうと、PENシリーズのバリエーションモデルである“PEN E-PL”や“PEN-F”の良い所を吸収しつつ、E-P5からの正常進化を遂げたのが今回の「PEN E-P7」だと思うのです。シリーズ内でそれぞれに個性・特長をもちながらも、撮り手にとって有用な機能・性能はシェアしつつ、それぞれに磨き上げていくという好循環が生まれていると。もし、そろそろミラーレス一眼でも、と興味を持ち始めた方でしたら本機を選んでおけばよろしいかと。もちろん、PENシリーズの熱心なファンの方もしっかり満足できる一台に仕上がっています。ただ、ファインダー(EVF)が無いことを気にされる方もいらっしゃるでしょうが、そこはもう慣れです(笑)。とにかく機能、画質、サイズのバランスが絶妙で、これだけ小さくて軽いのですから。どんなに良いカメラを所有していても持ち出さなかったら、写真は撮れませんからね。宝の持ち腐れなんて言葉とは無縁の本機で、写真生活をさらに充実させてください。きっと“お宝”になりますから。

( 2021.06.30 )

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精悍なブラックボディ。

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せっかくなら、お買い得なレンズキットがおすすめです。

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洗練のホワイトボディ。

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ホワイトボディにピッタリなシルバーレンズのキットです。

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カメラのON/OFFで自動開閉する、キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」専用のキャップです。開閉する4枚羽はアルミ製。

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単焦点レンズ「M.ZUIKO DIGITAL 17mm F1.8」専用の金属製レンズフードです。コンパクトでスタイリッシュなのでレンズ保護にもぜひ。

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