PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III / SHOOTING REPORT

マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼「OM-D E-M5 Mark III」、満を持しての登場です。OM-Dシリーズのミドルクラスに位置する本機は、なんと4年と9ヶ月ぶりのモデルチェンジとなります。オリンパスファンの皆様、大変長らくお待たせいたしました。その性能の進化は、フラッグシップ機であるOM-D E-M1 Mark IIに肉薄した仕上がり。センサー(有効画素数2037万画素)、画像処理エンジン(TruePic VIII)、像面位相差AF(121点オールクロス)、新開発のボディ内5軸手ブレ補正(最大5.5段分)、有機ELファインダー、プロキャプチャーモードなどなど、数多くの要素を譲り受けています。その一方で、エントリークラスのE-M10にも使われている小型バッテリーを採用することで、先代モデルから約55gもの軽量化を図り、バッテリーやメモリーカードを含めた総重量はたったの414gというのですから正に驚きです。OM-Dシリーズの中核を担うモデルでありながら、もはやフラッグシップ機と変わらぬ性能・機能を有し、エントリー機のような軽快さまでもプラス。スペック的なところを見渡しただけでも、いいとこ取りの至れり尽くせり感ムンムンの仕上がり。さて、どんな画を紡ぎ出してくれるか大変気になるところ。使用感なども交えながらお伝えしたいと思います。

( Photography & Text : KIMURAX )

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

厚みのある描写にほくそ笑む

有効画素数は1605万画素から2037万画素に、画像処理エンジンもTruePic VIIからTruePic VIIIへと刷新されました。同じシチュエーションで先代モデルと撮り比べているわけではありませんが、紡ぎ出す画の厚みが増したことは明々白々。カメラ任せの適正露出でも色乗りがしっかりとしているではありませんか。それは、こってりとしているということではなく、よりリアルな写りをさらに印象的に描き切っているとでも申しましょうか。どこかに負荷をかけて作り込んだ感じがまったくと言っていいほどにないのです。ご覧のような真昼間の高コントラストなシーンですが、明暗のバランスもばっちり。撮影後にPCで髪の毛のシャドー部を持ち上げるという作業もいらないほどに、撮って出しのデータでもまったく問題ありません。余計な手間が減るというものです(笑)。高画素化の進みと同じく、数字に対する麻痺も進むデジタルカメラにおいて、2037万画素という数字に驚きやニュース性はありません。しかし、マイクロフォーサーズというセンサーサイズにとって必要にして十分な、現時点においてベストマッチな画素積み上げとなっているのは確かです。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

こちらもそれなりに輝度差のあるシチュエーションですが、ダイナミックレンジも十分に広い印象です。シャドーのグラデーションそして締まりもいいですね。今回使用したキットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」は、F値が明るくはないもののE-M5 Mark IIIとの相性はよさそうです。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX


OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

AFポイント(コントラストAF用)が、従来の81点から121点に増えました。それに加えて、ハイエンドモデルのOM-D E-M1 Mark IIに採用された121点の像面位相差AFが搭載されました。しかも、オールクロス仕様なので、被写体の横方向の動きはもちろん、奥から手前への動きにも対応し、不規則に動く被写体をしっかりと捉えることができます。PYでもその圧巻の動体捕捉性能をお伝えしたこともあり、ご記憶に新しいのではないでしょうか。そのおかげで、動体撮影はもとより様々な撮影シーンにおいても素早く正確なAFにより、ストレスとは無縁と言っていいほどの快適な撮影が可能になったことは実にありがたいことです。流し撮りもスイスイ簡単に撮れてしまうものですから、ちょっと腕が上がったんじゃないの?と錯覚するほどの撮れ高に気分も上々です。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

画素数アップは高周波な被写体を捉えるのにも威力を発揮します。高周波を語るには役不足な被写体ですが、その細かな葉の描き込みはセンサーサイズからしても望外の鮮明さではないでしょうか。画素数とセンサーサイズのバランスのよさが窺い知れます。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX


OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

繊維の一本一本までを丁寧にトレースし、生地の厚みや手触りまでもが伝わってきそうな質感描写も見事です。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX

フルサイズやAPS-Cのようなセンサーサイズではないので、画素数アップによる高感度特性の悪化がより心配になるところでしたが、ノープロブレムですね。ところで、先代のボディ内5軸手ブレ補正の効きはとても素晴らしく、不満も何もなかったのですが、なんと今回は従来の5段から最高5.5段へと効果が強化されたとのこと。使用実感?違いはぜんぜん感知できません、ブレなし(笑)。まったくもって不安なしといったところでしょうか。明るいレンズとの組み合わせによるハイブリッド補正では最高6.5段の効果が得られるというのですから、高性能レンズを買い足すという楽しみも待っています。マイクロフォーサーズという軽量かつコンパクトなシステムが故に、手ブレに細心の注意を払っているメーカーさんだからこそ成しえた性能アップ。大いにその恩恵にあずかりましょう。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III, Photo by KIMURAX


PHOTO YODOBASHI

ハイエンドモデルを使いこなすが如く。しかも軽快に。

コンパクトなボディに宿る「本格」。その力を引き出す操作系もスムーズそのものでした。さらには防塵防滴・耐低温。どんな場所にでもサッと持ち出して、事も無げに上々の結果を出す。これぞ、オリンパスが磨きあげてきたマイクロフォーサーズシステムの真髄ではないでしょうか。連続撮影速度も10コマ/秒(5~10コマ/秒に設定可能)と、動体を狙うのにも十分な速さを備えていますからね。画質に関しては、ご覧いただいたとおりの頼もしい仕上がり。センサー自体はハイエンドモデルとまったく同じですからね(笑)。しかもネイチャーやスナップなど、比較的スタティックな被写体を狙うのには機動性の高い本機のほうが有利ともいえるでしょう。キットレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIとの相性も抜群。ほとんどのものがこの組み合わせで撮れてしまいますし、ボディとレンズの合計重量はなんと700gを切ります。これはもう「カメラ史上最も価値ある700g」と言ってもよいのではないでしょうか。オリンパスユーザーのみならず要チェックな一台です。

( 2019.11.08 )

Loading..
Loading..

121点オールクロス仕様の位相差AFセンサーで動きモノにもしっかり対応。画素数アップで解像力に磨きをかけた待望のIII型の登場です。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

銀塩カメラライクなスタイルがお好みでしたら、こちらですよね。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

キットレンズだからといって侮ってはいけません。初めからこの組み合わせがあれば、ほとんどのシチュエーションに対応できてしまいます。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

コンパクトなボディながら、存在感がありますね。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..