PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

Nikon Z 6 / SHOOTING REPORT

先行して発売された「Nikon Z 7」に続いて、いよいよデリバリーが開始される「Nikon Z 6」。ニコンのフルサイズミラーレス(FXフォーマット)にするぞと心に決めながらもZ 7とZ 6、さてさてどちらにすべきか?と、Z 6の発売を待ってから決断しようという方もかなりいらっしゃるのではないでしょうか。冬のボーナス直前とはいえ、それぞれに予算というものがありますからね(笑)。スペックやスタイリング等はすでにオープンになってはいるものの、そこはやはりどんな画を実際に紡ぎだしてくれのかが大事。そう、論より証拠ってやつですよね。既発のZ 7のレポートはPYでもすでにお届けしており、その圧倒的な解像力を見せつけた作例カットはご記憶に新しいことと思います。両モデルの物理的な違いをザックリ言うと、センサーが異なります。Z 6は2450万画素の裏面照射型CMOSセンサー(Z 7は4575万画素)。有効画素数は多ければ多いほどいいようにも見えますが、するとセンサーの画素ピッチは小さくなります。つまり画素ピッチはZ 6の方が大きいのです。(一般的に、画素ピッチが大きいほど1画素当りの面積は大きくなり、ダイナミックレンジが広く階調が豊富になったり、モアレが出にくいという利点があります。)とまあ、いきなりのっけから細かい話を書いてしまいましたが、そんなことも頭の片隅に置きつつ、待望のZ 6が紡ぎだす画を隅から隅までじっくりと覧いただきたいと思います。


Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

東京 冬支度

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Z II

むしろ現実的なZ機。

東京という街は都会でありながら意外と広い庭園も多くあります。そこには紅葉前の淡い色彩が広がりつつあり、冬に向けたこの時期ならではの様子を目にすることができます。また、繁華街や商業施設周辺では早くもクリスマスに向けた電飾がいたるところで取り付けられ、夜になるとキラキラとした幻想的な雰囲気に包まれます。今回は丸一日、「Nikon Z 6」に標準ズームレンズのみで、街並みと庭園を撮影してきました。すでに発売済みのZ 7と同様のファインダーと液晶は驚くほどきれいですし、手にした感触そして使い勝手もほとんど一緒ですから、いい画が撮れそうな予感がしてきます。

実際に撮れた画像をPCでチェックしていくと、その予感は見事に的中していました。一番上のクルマのカットですが、鏡面に仕上げられたメッキの質感たるや、フロントグリルの描写は手触りまで伝わってくるかのようです。日が沈んでからは高感度に強いZ 6の本領発揮。空のグラデーションの描写はまさに肉眼で見ているかのような素晴らしさ。夜景までも手持ちで撮れるというのは本当にありがたいことです。一方、庭園での撮影カットを見ると、光の透き通るサザンカの花びらのしっとりとした質感、そして難易度の高い濃淡のバランスまでもがうまく再現されており、文句のつけようが無い写りです。絞り開放F4ながら素晴らしいキレとボケを見せるズームレンズ「Z 24-70mm F4 S」もこの写りに大いに貢献しているものと思われます。

さて、まだまだZ 7とZ 6どっちにしようか迷っている方も多いことと思います。どうしても大きく引き伸ばす必要のある方や、画素数で圧倒したいという方はZ 7をお勧めしますが、その必要のない方や、初めてのレンズ交換式カメラを使いたい人にも「Nikon Z 6」は想像以上の写りで応えてくれると思います。「お金は使わないと無くなる」という言葉があります。つまり、買うべきものを迷って買わずにいると他のどうでもいいものに使ってしまい、気がつくとお金が無くなってしまうということです。買ってしまえば、もう他の無駄遣いが無くなると思えばかえって節約できるということ(笑)。注文は、お早めに。(Z II)


Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

素風

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 6, NIKKOR Z 35mm f/1.8 S, Photo by Naz

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 6, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 6, NIKKOR Z 35mm f/1.8 S, Photo by Naz

これは兄弟機の弟ではない。一卵性双生児のスポーツ万能の方だ。

約2ヶ月程早く発売され話題を独占した「Nikon Z 7」の影で控えめな存在のように見えてしまう「Nikon Z 6」。恐らく多くの方が、同時に発表されたこの2機種を比較し、どちらを手にするべきか悩まれているのではないかと思います。冒頭でも触れていますが少々乱暴に申し上げればZ 6とZ 7の違いはセンサーのみ。スペックについてもそのセンサーの違いから生まれたものだけが違うと言ってしまってもよいでしょう。

ではその点について少々掘り下げてみましょう。それぞれに採用された裏面照射型のフルサイズ(=FXフォーマット)CMOSセンサーは、Z 7の4575万画素に対しZ 6は2450万画素。それにより、常用ISO感度は1段アップのISO 25600から51200へ、連写速度は9コマ/秒から12コマ/秒へ、測距可能な明るさはEV -1からEV -2へ、4K UHD/30p動画の撮影はSuper35mm(APS-C)からフルフレームへ。つまり、Z 6はコストダウンを狙ったZ 7の下位モデルではなく、Z 7より画素数を抑えたセンサーとすることで、動体撮影から動画撮影まで“動きもの”への対応をより強化させたカメラだということになります。しかもボディやファインダーを含めハードウェアはZ 7とほぼ同一。2台を同時に使って撮影する機会もありましたが、ニコンらしい上質な使い心地に差はなく、どちらを使っているのか分からなくなるほど「瓜二つ」でありました。

今回のZ 6の作例撮影では、Z 7のレビュー撮影の時に感じたZマウントシステム全体が持つ高い能力をZ 6ではどのくらい引き出しているのか、そこが非常に楽しみではありました。実際に撮影へ持ち出してみると、Z 7以上に安定感のある写りや動作が深い余裕を感じさせてくれ、目の前の被写体への集中力をさらに高めてくれる印象でした。写真の画質に関しても24.5MPとフルサイズミラーレスカメラのスタンダートなモデルのスペックと並びますが、Z 6はクラス以上の画質。1ピクセル単位までしっかりと描き出される画の力に驚かされました。画素数以上の高い解像感を目にして「これ以上の画素数が必要なのか」と思ってしまったほど。今回のロケでは、現在のZ NIKKORレンズの限られたラインナップでは、Z 6の本領発揮となるスポーツ撮影まで試すことはできませんでしたが、書き込み速度の速いXQDカードも相まって、よりシャッターチャンスにも強いカメラであることは間違いないと思いました。

新しいZマウントシステムの最初の1台として、すべてにおいてバランスよく整った「Nikon Z 6」。Z 7よりも“動きもの”に強く、しかも6割程度にまで抑えられたプライス。これはとても凄いことです。どうぞ確信を持って手にしてください。(Naz)


  • PHOTO YODOBASHIこちらはISO 3200での撮影。空のグラデーションや夕陽に照らされたビルの表情が見事に描かれています。澄んだ空気感まで感じさせる描写はその場の温度や湿度まで伝わってくるようです。(Z II)
  • PHOTO YODOBASHIばらのシーズンも終わりかけですが力強くまっすぐ咲いている様とニコン色の黄色が重なってシャッターを切らずにはいられませんでした。花の撮影にもZシリーズはとても合う印象です。(Z II)
  • PHOTO YODOBASHIZ 6のキットレンズとなるNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sの高い性能は、ズームレンズの基準を新しい次元へと引き上げてしまうのではないかというほど。その性能を発揮できるのも、カメラの精度やセンサーの力があってこそ。開放でもここまで写るのです。じっくりとお確かめください。(Naz)
  • PHOTO YODOBASHIF8まで絞りましたが、隅々まで鋭く、猛烈に写ります。Z 7のローパスフィルターレスに対してZ 6はローパスフィルターを備えているとのことですが、等倍で見る限りその効果によるキレの損失を感じることはありませんでした。(Naz)

(サムネイル画像のクリックで原寸画像をご覧いただけます)


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「Z6“が”いい」と実感。その描写力とニコン品質に。

Z 6とZ 7どちらを買おうか迷っていた方。念のため実際の写真を見てからと様子を伺っていた方々。もしかしてポンッと背中が押されちゃいましたか?これが有効画素数2450万画素のフルサイズセンサーと、最新の画像処理エンジン「EXPEED」がもたらす、JPEG撮って出しの画です。レンズがセンサーへと届ける光の情報を、余すことなく活かしきっていることがありありと伝わってくるその写りに、正直感心してしまいました。見ればわかる。これ、一番わかり易いですよね。Z 6の描写力の“証拠”がずらりと揃ったところで、もうこれ以上、しのごの説明するのは野暮ってものでしょう(笑)。

二人のカメラマンが一様に、使用感に関してZ 7との違いをまったくといっていいほど感じなかったという内容のコメントをしていましたがそれもそのはず。ボディサイズからボタンの配置まで同じ、重量も一緒。実際に手にした時に伝わってくる剛性感だって変わらず。視野率100%で約369万ドットの電子ビューファインダーも共通。高価格帯のZ 7とセンサー以外はほとんど同じとなると、今回レビューをお届けしたZ 6はかなりのお値打ち品といえるでしょう。ボディ単体での価格差はなんと164,700円(税込・2018年11月22日時点のヨドバシカメラ価格にて)ですから。

なにかと比べる対象になってしまう話題の二つの新しいフルサイズミラーレス機ですが、使用目的がはっきりとしていれば、自ずとどちらを手にすべきかがわかるというものです。「こっち“で”いい」ではなく「こっち“が”いい」と、より積極的な選択ができる「Nikon Z 6」の胸のすくような描写力、そして流石はニコン品質と見て触って使って伝わってくるプロダクト。今回のレビューを通して、これはかなり広い層からの支持が得られるモデルであることを強く実感しました。待っていた甲斐がありましたね。

( 2018.11.22 )

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高感度に強い、連続撮影もなんのその。必要にして十分な2450万画素のフルサイズミラーレスカメラ。ニコンファンのみならず、いい写真を求めるすべての人に是非とも手にして欲しい一台です。

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新しいZシステムのために開発された、最新のZレンズもご一緒に。最低限のキットレンズではなく、紛れも無い超絶なキットレンズ。Z 6との組み合わせがスゴイ。

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もちろん既にお持ちのレンズでもマウントアダプターを介してZ 6での撮影が楽しめます。眠っていたレンズ資産を活かして、また新しい写真生活をスタートしましょう!

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Z 6ボディ+交換レンズ(Z 24-70mm f/4 S)+FTZマウントアダプター。最新レンズのみならず、既存のFマウントレンズだって楽しみたいという好奇心旺盛なあなたに、ぜひ。

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XQDカードを揃えておかないと撮影が始まりません(笑)。少々高価なメモリーカードですが、2450万画素のZ 6ですからとりあえず64GBでも。

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USB-Cケーブルでの充電も可能ですが、そこはやはり備えあれば憂い無し。撮影に集中できる環境を整えておくことも大事ですよね。

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