PHOTO YODOBASHI

ヨドバシカメラ公式オンライン写真マガジン

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7 / SHOOTING REPORT vol.1 vol.2 vol.3

ニコンが新たに参入するフルサイズ・ミラーレスカメラの初号機「Nikon Z 7」の実写レビュー第二弾をお届けします。FXフォーマットで4,575万画素のセンサーを持ちながらも675gに抑えられた重量。今回使用しました「NIKKOR Z 24-70mm F/4 S」と組み合わせても1,175gと、ほぼ同じスペックの一眼レフカメラD850(1,005g)と比べてボディ単体で300g以上の軽量化はとても嬉しいもの。また一眼レフカメラのようにミラーボックスを持たない構造により、小さく薄いボディに仕上がってます。今回のレビューでは、その軽快なシステムサイズを活かしてZ 7に標準ズームレンズ1本のみで旅へ出てみました。行き先は香港、週末を使った小さな旅です。実質的な滞在時間は1日半程でしたが、たっぷりとZ 7での撮影を楽しんできましたので、ご覧いただけたら幸いです。

( Photography & Text : Naz )

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

九月香港

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz


Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz


Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz

Nikon Z 7, NIKKOR Z 24-70mm f/4 S, Photo by Naz


PHOTO YODOBASHI

初号機にして高い完成度、ニコンの本気を感じました。

まず、Z 7を手にして感じたのは、新システムの初号機として我々ユーザーが「まあこんなもんだよね」と生暖かく見てあげる必要性をまったく感じない、今すぐにでも実戦投入可能な仕上がりであること。手にすると「ニコンらしさ」を感じるがっちりとした剛性感のあるボディワークに嬉しくなりました。

SONY α7を発売日に購入して以来、α7S II、α9と数台に渡ってフルサイズミラーレスカメラを使ってきましたが、世代が新しくなるに従い一眼レフカメラの方が優位であったところが薄れてきたように思います。要するに「ミラーレスカメラもしっかり使えるようになってきた」ということで、α9に至っては高速性など一眼レフカメラを凌駕する能力すら持ち始めてきています。ニコンに限ってもフィルムの時代から60年を超える時間を経て進化を重ねてきた一眼レフカメラに対し、ミラーレスカメラは市場の誕生からわずか数年。そう簡単に肩を並べるレベルには達しないだろう、という風にも考えていましたが、この数年ミラーレスカメラを日常的に使っていると、時々一眼レフカメラを手にしたときに「ピントを拡大できない」とか「露出がの確認がレリーズ前にできない」とか、長く使ってきたはずの一眼レフカメラでは実現することができないところにいつの間にか馴染んでしまっていたことに気づかされるのでした。

それではZ 7について触れていきましょう。まずは使い勝手について。カメラの動作はキビキビとしたもので、メディアへの書き込み速度もXQDカードを採用したことにより超高速。これまでバリバリとニコンの一眼レフカメラを使ってきた方にとって、動作全体でストレスを感じることなく使えるのではないでしょうか。AFも静粛かつ高速なのは当然として、非常に正確。特に便利に感じたのはほぼ全面に配置可能なAFポイント。被写体がフレームの隅にある場合でもAFポイントを設定可能な点は一眼レフカメラには実現できなかったところでしょう。

続いて、電子ビューファインダー(EVF)。メガネをしている筆者に でも十分に見やすい広い視野と0.8倍の高い倍率。439万ドットと高精細でピントの山も見やすく、豊かな階調により白飛びや黒潰れが起こりにくいことで緻密な露出のコントロールもしやすいように感じました。また応答速度も十分なレベル。総合的に見て光学ファインダーと比べても遜色を感じない、このカメラの特筆すべきポイントではないでしょうか。初めて覗いた時に「これはいい!」と思わせるものでありました。

そして肝心の写りについて。これまでのFマウントシステムにおいても特に不満を感じることがなかったのはみなさんご存じの通りだと思いますが、Zマウントシステムはそこからひとつ次元の上がった印象です。大きなマウント径と短いフランジバックにより、レンズ設計の自由度も相当上がったことでしょう。レンズ・センサー・エンジンのマッチングが飛躍的にレベルアップしたなと撮影中から感じさせるものがありました。出てくる画はどこまでもクリアかつ破綻がないもので、「レンズとは球面ではなかったのか?」と思ってしまうほどに隅々まで画質の劣化を感じさせない、驚くべきものでありました。

最後にボディについて。コンパクトにまとめられていながらも、大きくホールドしやすいグリップや各部のボタンやダイヤル等、手の大きな男性でも窮屈に感じにくい造りは「さすが長くカメラを作ってきただけあるな」と感心させられます。またZ 7の45MPはストリートスナップで使うにはやや画素数が多すぎるな、とも思いましたが、データサイズが少々大きいことを除けば不都合を感じることもなく、強力なボディ内手ブレ補正が神経質になりすぎないよう巧みにサポートしてくれた印象です。

これまでに相当なリードを作り出してきたソニーに続き、ニコンやキヤノン、そしてパナソニックが本格参入することになり、フルサイズミラーレスカメラというカテゴリーは戦国時代へ突入した様相です。この2年ほどやや静かに感じられたニコンではありましたが、その間に仕込んでいたカメラは「ニコンが持つ技術を結集し、本気で作り込んできた」と思わせる完成度がありました。機会がありましたらヨドバシカメラの店頭で実機を手にし、ぜひそれを感じ取ってください。誕生した時から名機の佇まいを持つZ 7の登場は、一眼レフカメラユーザーを含めこれからのニコンへ大きな期待を抱かせてくれる明るいニュースになったのではないでしょうか。


  • PHOTO YODOBASHI撮影していて特に感心したのが45MPの高解像機とは思えない広いダイナミックレンジ。日の光が入る雲のトーンから、影となったビルのディティールまでしっかりと余すことなく描いています。このくらい懐が広いと、撮影時に露出を追い込まなくても、後処理でハイキーにもローキーにもできてしまうのではないかというほどです。またそれを再現できる背面モニターとEVFも秀逸。
  • PHOTO YODOBASHI世界で7番目に高いといわれる高層ビルの100階にある展望台から。開放から甘さを一切感じない素晴らしいレンズ。立体感ある描写は見事というほかなく、光の捉え方も期待以上のものでした。画質向上を目的に絞る必要性を感じることがなく、クセのないクリアな写りのレベルが高すぎて「もう少しクセがあってもいいんじゃない?」と無い物ねだりをしてしまいそうになるほどでした。
  • PHOTO YODOBASHI地下鉄の中環駅にて1.3秒のスローシャッターを手持ち撮影。画面の下で流れているのは、壁面の広告の前を通る人々。ニコン初のボディ内手ブレ補正(しかも質量のあるフルサイズセンサーを5軸でぶるぶる動かしています)とはいえ、ご覧の通り非常に強力。ボディ内式になったことで、マウントアダプターを介した往年のFマウントレンズでも手ブレ補正を楽しめるのは嬉しいところです。
  • PHOTO YODOBASHIビルの中層階から下町の低層ビルを撮影してみました。少々汚れた窓ガラス越しなので、センサーやレンズの性能をフルには再現できていませんが、EDレンズ・非球面レンズ・ED非球面レンズ、そしてナノクリスタルコートとたいへん贅沢な仕様により、四隅まで中心部と遜色のない高い性能を実現しています。しかもこれ開放ですよ。原寸画像をご覧ください。

(サムネイル画像のクリックで大きな画像をご覧いただけます)

( 2018.09.26 )

Loading..
Loading..

キットレンズというイメージとはかけ離れたレベルの高い写りをしてくれる超優秀レンズ。Zシステムの本領を発揮させるなら持っておいて損はないでしょう。文句なくオススメです。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

ボディだけでもなかなかのプライスですから、「まずはFマウントレンズをマウントアダプターで」という方もいらっしゃるでしょう。ボディ単体のご用意もございます。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

XQDカードの性能については文句を言う人はいないでしょう。ただしちょっとお値段はお高め。入手性もSDカードほどではないため、旅先で足りなくならないよう、大容量のを奢ってあげましょう。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..
Loading..
Loading..

バッテリーの持ちはミラーレスカメラとしては立派なものでしたが、一眼レフカメラと比べれば少々心許ないのも確か。モバイルバッテリーを介してUSB-Cケーブルによる充電も行えますが、スペアバッテリーがあればそれもいりません。

価格:Loading..(税込) Loading..Loading..)
定価:Loading.. | 販売開始日:Loading..
Loading..