PHOTO YODOBASHI

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はい、五糎道場の4回目でございます。例えば、久しぶりに50mmレンズを使ってみたとしましょう。「単焦点の50mm、しばらく使ってないなー」という人、いますでしょ。この時、ファインダーを覗いて「意外に狭い」と感じる人がどうやら多いみたいなんです。少なくとも私の周りでは全員が同じことを言っていました。面白いですねぇ。50mmはいつだって50mm。なのにみな同じことを感じている。この「意外に」というところがポイントで、「50mmといえば "標準" と呼ばれているけど、それがこの画角?」という「違和感」がそこにあるわけです。35mmとか、28mmあたりを常用しているうちに、われわれの「体内画角計」が広い方向にシフトしちゃってるんですね、きっと。でも、この「意外な狭さ」「ちょっと窮屈な感じ」が50mmの面白さの正体なんだとも思います。狭い部屋で模様替えをするみたいなもんで、いろいろ考えなければなりません。思い切った断捨離も必要です。広角にも望遠にもない割り切りがものを言います。編集部員が撮った写真が、そのへんを上手くやっているかどうかは、あまりよく分かりません。

五糎道場の主旨についてはこちら。
» 第一回お稽古


第四回お稽古

講評:五糎流師範・油壺徳太郎

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Summicron 50mm F2
Leica M
Photo by A.Inden

「お、おう」としか返せないご挨拶を首から下げた鹿。なぜ鹿なのか? どうして剥製? 「あんどう」ではなく、どうして「あんどー」? そもそもここは何を売る店なのか? 画像の隅々まで観察しても、謎が謎を呼ぶばかり。この鹿の、人を馬鹿にしたような(鹿だけに)眼差しと相まって、どこか釈然としない迷作。

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Planar 50mm F2
Zeiss Ikon
Photo by Serow

おや、これはフィルムですね。Ziess Ikonというのは1926年に創設された、カール・ツァイス財団傘下のカメラメーカーの名前ですが、このボディはその名を冠して日本のコシナが2005年に作ったものです。欲しかったなあ、Zeiss Ikon。SWって言ったっけなあ、ファインダー無しバージョンもありましたよね。今アレ使ったら楽しいだろうなあ・・・話が逸れました。敢えて全体を入れない切り捨て方に注目。フィルムの粒状感もいい感じです。アンダーなのをかなり持ち上げたからか、画質が荒れているのもむしろグッド。それにしても、こうして街角に佇んでいる自転車ってつい撮っちゃいますね。トップチューブが細くて地面と並行。そしてシングルスピード。言うことなし。

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YONGNUO AF 50mm F1.8
NIKON Z7
Photo by KIMURAX

これ、構図が絶妙。被写体を画面の中心からズラしたところに置くのは写真構図の常套手段。この場合はすべての被写体(残照まで含めて)を右側に配しているわけですが、それを単なる「左と右」ではなく、「左上と右下」というようにネジって見せているのが、右上から左下に向かって落ちていく電線の存在。これによって構図が安定し過ぎず、見る人をすこーしだけ不安な気持ちにさせ、やがて迫り来る暗闇のイメージと重なっていきます。左上を何もない群青色の空、右下を沢山の細い線で構成された何やらゴチャゴチャしたもの、という分かりやすい対比にしたのも奏功。これで左上に月が出てたら・・・いや、そこまで行くとさすがにワザとらしいか。

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SUMMARIT 50mm F2.5
Leica ME
Photo by Z II

撮影者の長女ちゃん。前回は次女でしたが、今回は長女。中学生。こちらも父親への当たりがかなりキツイと撮影者がよくこぼしております。でも中学生で、父親が向けるレンズにこんな風に自然に笑いかけられるなんて、なかなか素敵な親子関係だと思います。

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Elmar 5cm F3.5
Leica M10 Monochrom
Photo by Naz

よく「画面の中に額縁を作る」という言い方をしますが、これもそうですね。左側の木の幹と、上から降りてくる枝で額縁を形成しています。公園のベンチに腰掛ける二人。何やら深刻な、青春の悩みを話している風の後ろ姿ではありますが、背中には「IN THE PARK」(ぜんぶ見えないけど、たぶん)。公園でイン・ザ・パーク。そこはかとなく可笑しい冬の午後4時。それにしてもエルマー5cm F3.5の写り、好きだなあ。

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FA 43mm F1.9 Limited
Pentax K-1 II
Photo by TAK

独特のセンスによって、最近はこの人の独壇場となりつつある本道場ですが、これもカマしてくれてますね。なんですかこれは。写っているもの一つ一つは別におかしくない。でも、こうやって配置されるともう、どこを見ても全部おかしくなる。胃の底の方から、かなりゆっくりめに、秒速5cmぐらいの速さで、笑いが込み上げてくる。もはや50mmレンズがどーしたとか、どうでもいい問題です。

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Zeiss Sonnar 50mm F1.5
SONY α7C
Photo by NB

これを撮ったのは1930年代のゾナーだそうで、いかにもノンコートっぽい淡い発色 & 低いコントラスト & 薄いベールがかかったようなフレアがいい感じです。古レンズファンにはたまらない写りっすね。ちなみにコレ、もともとContax IIについていたレンズ(当然、マウント側にヘリコイドがある旧コンタックスマウントです)に、

一段目:旧C → Lマウントアダプター(あっちのLマウントじゃなくて、こっちのLマウントね)
二段目:L → Mマウントアダプター
三段目:M → Eマウントアダプター

という、オシメ三枚重ねみたいなことをして撮っているんだそうで、なんと言うか、おつかれさまです!


( 2021.06.03 )

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「in the park」繋がりで。かなりトリッキーに展開していく曲がサビで一転、晴れた空に舞い上がるようなストレートな歌いっぷりが実に気持ちいい。ずっと歌い継がれる名曲です。

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ヨドバシ・ドット・コムの検索窓に「鹿」とだけ打ち込んで検索してみたところ、トップに出てきたのがこれでした。確かに入ってはいますが。これも名作。ちなみに検索結果の二番目は日向坂46の「君しか勝たん」でした。

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