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FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR

[ズーム] 広角 | 標準 | 望遠 | 高倍率
[単焦点] 広角 | 標準 | 望遠 | マクロ

富士フイルムからXシリーズ用の望遠ズームレンズ XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR が登場しました。本レンズは35mm判換算で約107mmから457mm相当の画角を得ることができ、既にラインアップされている XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR と、XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS の中間を担うズームレンズ。ズーム倍率は約4.3倍と高く、初めて望遠ズームを手にする方にも万能さが感じられるのではと思われる焦点距離域を有しています。質量は580gとコンパクトながら、絞りリング(R)、リニアモーター(LM)、光学式の手ブレ補正機構(OIS)、防塵・防滴仕様を(WR)といった最新の機能を網羅。まさに至れり尽くせりといった具合。このほかにも1.4倍(XF1.4X TC WR)と2倍(XF2X TC WR)のテレコンバーターにも対応しており、XF2X TC WR との組み合わせでは、35mm判換算で914mm相当までカバーすることが可能です。最大撮影倍率はテレ端で0.33倍(35mm判換算で約0.5倍相当)のハーフマクロに迫る近接能力も魅力。本記事では、その万能さを確かめるべく様々な焦点距離で撮影してきました。どうぞご覧ください。

( Photography : KIMURAX / Text : TA )

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

アオサギが勢いよく翼を広げて飛び立つところを今か今かと狙っていましたが、こちらの都合では飛んでくれません。左が鳴きだしたら、呼応するように右も鳴きだし、これはこれでシルエットが美しいなと思いフライングでシャッターを切りました。雲一つない晴れ渡った空だったので露出をややアンダー気味に。テレ端、開放での撮影ですが、きちっと整った像を結んでいます。鳥の姿はもちろんのこと、込み入った枝の先々まで描き切っていますし、フリンジらしいフリンジも見受けられません。本レンズのポテンシャルの高さを予感させる一枚と言ってもいいでしょう。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

紫陽花のシーズンが終わってから半年以上。鮮やかさを失ったがくの部分は、風雨に蹴散らかされることなくその形を留めているではありませんか。逆光を活かしつつハイキー気味に、乾ききったその姿を優しく包むようにボケを添えてみました。こういった被写体ではボケが所々煩くなっても何ら不思議ではないのですが、これといって悪目立ちするような所もなく、前後共に至ってスムーズなボケ味。写真的でありながら、実に抒情的な表現をしてくれます。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

テレ端、最短撮影距離83cmでの描写を確かめるべく、MFに切り替え、忙しく動き・飛び回る姿を気合で追いかけた一枚。等倍まで拡大すると透き通る羽根はもちろん、花粉にまみれた体毛まで緻密に描き切っているのがよくわかります。マクロレンズ顔負けのとろけ具合、もうこれは文句なしですね。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

ゆっくりと丁寧に掘り進める手元にフォーカス。日中の屋外ですしAFはサクッとスムーズに合焦してくれます。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

フォーカスしたのは中央の桃の花。中間域で開放の撮影ですから、左右の梅の花はすでにデフォーカスエリアです。APS-Cフォーマットですが、立体感はなかなかのものですね。


FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

超望遠ならではの引き寄せ具合がわかりやすいカットも(笑)。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

望遠ズームレンズらしい圧縮効果も、焦点距離に応じて強弱自由自在です。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

間近の駐機場にずらりと並ぶ機体に釘付けのご様子。そのシルエットがあまりにも可愛らしくてパチリ。あまり深くは考えずに影絵みたいに撮ってきましたが、持ち帰ってソフトでシャドーを持ちあげてみると、洋服から髪の毛まで精緻にキャプチャしているではありませんか。高コントラストなシーンでの粘りもなかなかのものです。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

シャドーからハイライトへの変化も自然に連なっています。こういった階調表現はカメラ側に負う部分もありますが、レンズがその場の光の情報を余すことなくセンサーにしっかりと伝えていなければ話になりません。十二分に届けているのでしょう。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

リニアモーター駆動によるAFの食いつきもよく、流し撮りもバシっと決まりました。質量も580gと軽量なので、スナップ感覚で超望遠域を撮影できてしまうのは何よりの魅力でしょう。

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX

FUJIFILM X-T4, XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WR, Photo by KIMURAX


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超望遠域も手持ちで楽々

いかがでしたか。本レンズは最大外径75mm、長さ132.5mm、質量約580gと小型軽量のレンズということもあって、このように手持ちでスナップ感覚で、超望遠域のみならずマクロ的撮影も気軽に撮影できてしまうのです。それをリニアモーター駆動による高速AFが後押し。スポーツ撮影はもちろんのこと、飛行機、列車、動物、昆虫などといった様々な撮影を楽にこなすことができます。テレコンバーター「XF2X TC WR」との組み合わせでは、35mm判換算で914mm相当までをもカバーすることが可能です。また光学式の手ブレ補正機構を備えているため本記事のようにX-T4との組み合わせでは5.5段分の補正効果が得られますが、ボディー内手ぶれ補正機構を持たない機種のユーザーにとっても安心の一本でしょう。描写においても抜かりなしといった印象で、とにかくよく写ります。ズーム倍率が高く、かつマクロ的な撮影も楽々とこなせるので作画の幅が広がる。もうお気づきかと思われますが、そう、本レンズは最強の一本なのです。この機会に是非ともお買い求めください。

( 2021.03.19 )

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35mm判換算で約107mmから457mm相当の使いでに富む画角をこれ一本でカバーすることができます。高速AFと高い近接性能が備えた最強の一本。この機会に是非。

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XF70-300mmF4-5.6R LM OIS WRに装着すれば、35mm判換算で最長914mm相当をカバーすることができる2倍のテレコンバーターもご一緒に。

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